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行政手続法入門


AIMON(C)1998/02/26-2001/02/07




第5章 届 出

[届出] 行政手続法は,届出についても規定しています。届出とは,「行政庁に対し一定の事項の通知をする行為であって,法令により直接に当該通知が義務づけられているもの」(2条7号)をいいます。第2章で学習した「申請」は,行政庁の許可などの処分を求める行為であり行政庁の応答が予定されているのに対し,「届出」は,行政庁の応答が予定されていない点が異なっています。届出の例としては,戸籍法で定められている出生届や死亡届などがあります。これらは,人が生まれたとか,人が死亡したという事実の事後報告ですから,「事後届出」といいます。これに対して,百貨店を出店するには大店法という法律で届出をすることが義務づけられており,この届出は,出店する前に必要な届出ですから,「事前届出」といいます。
 問題となるのは,この事前届出の場合です。例えば,Aが新たに百貨店の出店を考えているときに,この届出をしたとしましょう。百貨店の出店は,従来,「許可制」とされていましたが,規制が緩和されて「届出」で足りるとされたものです。しかし,お役所が「受付」と「受理」とを区別して,まだ「受理」していないから,事前の届出義務の履行は終わっていないという扱いをすると,Aは,いつまでたっても出店することができなくなり,事実上,許可制とされているのと異ならなくなってしまい,せっかく規制を緩和した趣旨が無意味となってしまいます。
 そこで行政手続法は,「届出が届出書の記載事項に不備がないこと,届出書に必要な書類が添付されていることその他の法令に定められた届出の形式上の要件に適合している場合は,当該届出が法令により当該届出の提出先とされている機関の事務所に到達したときに,当該届出をすべき手続上の義務が履行されたものとする。」(37条)と規定しています。







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