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行政手続法入門


AIMON(C)1998/02/26-2001/02/07




第3章 不利益処分





  第3節 弁明の機会の付与

 保健所長がAに対して(営業免許の取消処分よりも軽い)営業停止処分を考えている場合には,前節で説明しました聴聞の手続を執る必要はなく,弁明の機会の付与で足ります。弁明の機会の付与については,聴聞と比較してどのような違いがあるかを理解しましょう。

[弁明の機会の付与の方式(書面主義)] 行政手続法は弁明の機会の付与について,「弁明は……,弁明を記載した書面(弁明書)を提出してするものとする。」(29条1項),「弁明をするときは,証拠書類を提出することができる。」(29条2項)と規定して,書面主義によることにしています(ただし,「行政庁が口頭ですることを認めたとき」は口頭による意見陳述権を認めることができます。)。聴聞が当事者に口頭による意見陳述権を認め口頭主義によることにしているのとは異なります。

[弁明の機会の付与の通知の方式] 弁明の機会の付与の場合も,聴聞の場合と同様に,当事者に通知をしなければなりません。この通知については,聴聞とほぼ同様の規定が置かれています。すなわち,「行政庁は,弁明書の提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には,その日時)までに相当な期間をおいて,不利益処分の名あて人となるべき者に対し,次に掲げる事項を書面により通知」しなければなりません(30条)。
@ 予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項
A 不利益処分の原因となる事実
B 弁明書の提出先及び提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には,その旨並びに出頭すべき日時及び場所)

[聴聞に関する手続の準用] なお,行政手続法15条3項の「公示による通知」の規定と16条の「代理人」に関する規定が準用されています(31条)。







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