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司法書士試験・本試験問題
(平成8年・民法)


【H08-01】 社団法人の機関に関する次のアからカの記述のうち,正しいものはいくつあるか。
ア 理事は,その権限を他人に委任することはできない。
イ 監事は,法人の財産の状況を監査することができるが,理事の業務執行の状況を監査することはできない。
ウ 理事が重病で入院したことによりその執行を行うことができないときは,主務官庁は,利害関係人又は検察官の請求により,仮理事を選任することができる。
エ 法人と理事の利益が相反する事項については,監事が法人を代表する。
オ 法人の債権者は監事の監査報告書の閲覧を求めることができる。
カ 監事は理事の業務執行に不正の事実があることを総会に報告するために必要があるときは,総会を招集することができる。
1 1個   2 2個   3 3個   4 4個   5 5個


【H08-02】 次の対話は時効の援用に関する教授と学生の問答である。教授の問いに対する学生の答えの中からそれぞれ一つずつ選んで答えが一貫したものとなるようにする場合,適切な組合せは後記1から5までのうちどれか。
教授 時効の援用の性質について君はどのように考えますか。
学生 ア 時効は実体法上の権利の得喪とは無関係であり,時効の援用は時効の完成という事実を法定の証拠として裁判所に提出するものと考えます。
   イ 時効は,その援用を停止条件として権利の得喪を生じさせるものであり,時効の援用により実体法上の権利の得喪が確定するものと考えます。
教授 では,裁判上消滅時効を援用した債務者がその債務を弁済した場合,債務者は債権者に対してその返還を請求できますか。
学生 ウ できます。
   エ できません。
教授 それはなぜですか。
学生 オ 非債弁済になるからです。
   カ 不法原因給付になるからです。
   キ 自然債務の弁済になるからです。
教授 それでは,この事例で債務者が債権者に対して反対債権を有していた場合,債権者は,債務者が消滅時効を援用した債権による相殺をすることができますか。
学生 ク 時効の援用前に相殺適状となっている場合には相殺できます。
   ケ 時効の援用後に相殺適状になった場合でも相殺できます。
1 アウオク 2 アエカク 3 アエキケ 4 イウオケ 5 イエカケ


【H08-03】 「無権代理人が本人を他の相続人と共同に相続した場合において,無権代理行為を追認する権利は,その性質上,相続人全員に不可分的に帰属するところ,無権代理行為の追認は,本人に対して効力を生じていなかった法律行為を本人に対する関係において有効なものにするという効果を生じさせるものであるから,共同相続人が共同してこれを行使しない限り,無権代理行為が有効となるものではない。」という見解と明らかに矛盾する見解は次のうちどれか。
1 無権代理人が本人を相続したときは,無権代理人としての資格と本人の相続人としての資格が融合し,無権代理行為は無権代理人の相続分の限度において有効となる。
2 無権代理行為の追認は,共同相続人に準共有されている追認権又は追認拒絶権の処分に当たる。
3 共同相続人のうち無権代理人を除くその他の相続人全員が追認した場合,無権代理人が追認を拒絶することは,信義則上許されない。
4 無権代理人以外の共同相続人の一人が追認を拒絶した場合であっても,相手方は無権代理人に対し,無権代理人としての責任を追及できる。
5 共同相続人の全員が追認をした場合には,相手方は無権代理人の責任を追及することができない。


【H08-04】 Xは,Aから昭和50年1月にA所有の1筆の土地の一部を買い受け,引渡しも受けたが,未登記のまま放置していた。その後,Xは昭和55年ころ,買い受けた土地上に樹木を植えた。しかし,昭和58年2月になって,Aは同土地の全部がいまだ自己名義に登記されているのを幸いに,Yに対して同土地の全部及びXの植えた樹木を自分のものであると偽って売却し,登記もすませた。
 この事例に関する次の記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。なお,見解の対立がある場合は判例に従うものとする。
ア 土地の分筆の登記がなされていないから,XとAとの間の1筆の土地の一部の売買によっては,所有権移転の効力は生じない。
イ XA間の売買は有効であるから,Xは,自分の土地を占有していることになり,その土地を時効取得することはできない。
ウ 占有は事実上の支配であり,土地の一部に事実上の支配を及ぼすことも可能であるから,Xは,1筆の土地の一部について時効取得することができる。
エ Xが土地を時効取得したとすると,Yは時効完成前の土地取得者であるから,Xは,登記がなくてもYに土地所有権を対抗することができる。
オ Xが植えた樹木は土地に付合するから,Xが樹木に明認方法を講じたとしても,Xは,Yに対して樹木の所有権を対抗することはできない。
1 アオ   2 イウ   3 イエ   4 ウエ   5 ウエオ


【H08-05】 AB間の契約締結交渉において,AがBに対して書面を郵送して申込みの意思表示をした。その際,Aは承諾の通知を受ける期間の末日を2月5日と定めた。この場合における契約の成否に関する次の記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア Aは,Bが承諾の通知を発する前であれば,申込みを取り消すことができる。
イ Bが承諾の通知を2月4日に発し,これが2月6日に到達した場合,Aがこの承諾を新たな申込みとみなして,これに対する承諾をすれば,契約は成立する。
ウ Bが承諾の通知を2月1日に郵送で発し,これが2月3日に到達した場合,契約は2月3日に成立する。
エ Bが申込みに変更を加えて承諾する旨の通知をした場合,Aがこれに対する承諾をすれば,変更後の内容の契約が成立する。
オ Aが申込みの意思表示の到達前に死亡し,その事実を知ったBがAの単独相続人Cに承諾の通知を発し,これが2月5日までに到達すれば,BC間に契約が成立する。
1 アウ   2 アエ   3 イエ   4 イオ   5 ウオ


【H08-06】 Aが債務者甲に対して有する指名債権をBに譲渡し,Bがその債権をCに譲渡した事例に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 甲がAからBへの債権譲渡について異議を留めず承諾した場合には,BからCへの債権譲渡について甲が承諾をしていないときであっても,甲はAに債務を弁済したことにより債務が消滅したことをCに対抗することができない。
2 BがCへの債権譲渡を甲に通知した後に,AがBへの債権譲渡を甲に通知した場合であっても,Cは甲に債権の譲受けを対抗することができる。
3 CがBに代位して甲に対して,BC間の債権売買契約に関する公正証書の謄本を郵送して,債権譲渡の通知をしたときは,その後にBから債権を二重に譲り受けたDはCに対抗することはできない。
4 AからBへの債権譲渡について,甲の承諾が口頭によるものであったときは,BからCへの債権譲渡につき,確定日付がある証書による通知がされたときであっても,Aからその債権を二重に譲り受けたEに対しては,Cは債権の譲受けを対抗することができない。
5 甲がAからB,BからCへの債権譲渡についてあらかじめ承諾をしていれば,譲渡後にあらためて通知,承諾がなくても,Cは甲に債権の譲受けを対抗することができる。


【H08-07】 次のアからオまでの記述のうち,保証,連帯保証のどちらにも当てはまるもの,どちらにも当てはまらないものの組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。
ア 保証人に裁判上の請求をした場合には,主たる債務者の消滅時効は中断する。
イ 二人の保証人が各別に保証契約した場合には,各保証人の保証額は,それぞれ主たる債務額の2分の1となる。
ウ 主たる債務者に債権譲渡の通知をすれば,保証人に対しても効力が及ぶ。
エ 保証人が債務を承認すれば,主たる債務者の消滅時効は中断する。
オ 委託を受けた保証人が,あらかじめ主たる債務者に通知しないで債権者に弁済した場合には,主たる債務者は,債権者に対抗することができた事由をもって,保証人に対抗することができる。
  どちらにも当てはまる  どちらにも当てはまらない
1     ア            イ
2     ウ            エ
3     ウ            アイ
4     ウオ           イ
5     ウオ           エ


【H08-08】 AはBに対してA所有の建物を売り渡す契約をしたが,引渡しも登記もしない間に建物が地震によって滅失した。この場合における権利関係に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものはいくつあるか。
ア AB間で特約がされていない場合には,AはBに対して売買代金を請求することができる。
イ AB間の売買契約で所有権の移転の時期を登記の時と定めていたときは,AはBに対して売買代金を請求することができない。
ウ AB間の売買契約がAが代替建物を取得することを条件とする場合において,その条件が成就する前に建物が滅失したときは,AはBに対して売買代金を請求することができる。
エ Aが建物が滅失したことにより保険金を取得した場合であっても,AはBに対してその保険金額を償還することを要しない。
オ Bは,Aの建物引渡義務の履行不能を理由として契約を解除することができない。
1 1個   2 2個   3 3個   4 4個   5 5個


【H08-09】 未成年者Aは,その所有土地をBに賃貸し,Bはその土地上に登記した建物を所有していたところ,Aは法定代理人の同意を得ないで,その土地をCに売却して所有権の移転登記をした。Cは更にその土地をDに売却した。以上の事実関係を前提とする次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものをすべて挙げているものは,後記1から5までのうちどれか。
ア Dは所有権移転登記がなくても,Bに賃料を請求することができる。
イ Dは所有権移転登記がなくても,Bとの間の賃貸借契約を賃料不払を理由として解除することができる。
ウ Cが土地をDに転売して所有権移転登記をした後に,AがAC間の土地の売買契約を未成年者であることを理由として取り消した場合であっても,DはAに土地の所有権を対抗することができる。
エ Cが土地をDに転売する前に,AがAC間の土地の売買契約を未成年者であることを理由として取り消した場合であっても,AC間の所有権移転登記が抹消されていないときは,AはDに土地の所有権を対抗することができない。
オ Cが土地をDに転売した後に,AがAC間の土地の売買契約を代金支払の履行遅滞を理由として解除した場合であっても,Dは所有権移転登記がなくても,Aに土地の所有権を対抗することができる。
1 アイウエ  2 イウオ   3 ウエ    4 エ     5 エオ


【H08-10】 ABCが3分の1ずつの持分割合で共有する建物についての法律関係に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 Aは,建物の不法占有者Xに対して,建物を自己に引き渡すよう単独で請求することができる。
2 建物の賃借人が賃料の支払を遅滞したときは,Aは単独で賃貸借契約の解除の意思表示をすることができる。
3 ABC間で,5年間建物を分割しない旨の合意がされた後,Cがその持分をDに譲渡した場合,Aはその旨の登記がなければ不分割の合意をDに対抗することはできない。
4 Aの建物が区分所有建物の共用部分であるときは,共有物の分割を請求することができない。
5 AがCに管理費用の立替債権を有している場合には,AはCから持分の譲渡を受けたDに対して,その支払を請求することができる。


【H08-11】 Aは債務者Bに対する貸付債権を担保するため,B所有の家屋に抵当権を設定した。その後,CはBとの間でその家屋について賃貸借契約を締結し,引渡しを受けて居住を始め,屋根の修繕費用を支出した。Aが抵当権を実行した場合におけるその家屋の買受人とCとの関係を説明した次の記述のうち,正しいものはどれか。
1 BC間の賃貸借契約が期間の定めのない賃貸借である場合には,Cは賃借権を買受人に対抗することができない。
2 BC間の賃貸借契約の期間が3年である場合でも,Cはその登記がないときは,賃借権を買受人に対抗することができない。
3 BC間の賃貸借契約の期間が3年である場合には,抵当権に基づく差押えの後にその期間が満了したときであっても,Cは賃借権の法定更新を買受人に対抗することができる。
4 Cが抵当権に基づく差押えの前に屋根の修繕工事をしたときは,Cは買受人に対し,修繕費用の弁済を受けるまで家屋の引渡しを拒むことができる。
5 Cが抵当権に基づく差押えの前に屋根の修繕工事をした場合において,Cが買受人に家屋を明け渡したときは,Cは買受人に対し,修繕費用の償還請求をすることができない。


【H08-12】 AはBに対する500万円の債権を担保するために,Bとの間でB所有の不動産に質権を設定する契約を締結した。この場合の権利関係に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア 目的不動産がBからCへ賃貸中であった場合においては,BがAの承諾を得て,Cに対して質権設定の事実を通知したときであっても,AB間の質権設定契約は要物性を満たしていないから,効力を生じない。
イ AがBから目的不動産の現実の引渡しを受け,占有を継続しているが,登記は未了であるところ,BがCに対し,目的不動産を売り渡し,Cが所有権移転登記を受けた。この場合には,AはCからの所有権に基づく引渡請求を拒絶することはできない。
ウ AとBが,質権の存続期間を15年と定めた場合においては,10年を超えた時点で,被担保債権がまだ存続しているときであっても,AB間で更新の合意をしない限り,Aの質権は,当然に消滅する。
エ BがCに対し,目的不動産を400万円で売却した場合において,CがAの請求に応じて売買代金400万円をAに支払ったときは,質権は消滅する。
オ Bが履行期限後も債務を履行しないまま10年を経過した場合であっても,Aが目的不動産の占有を継続している限り,被担保債権が時効によって消滅することはない。
1 アイ   2 アエ   3 イウエ  4 ウエオ  5 エオ


【H08-13】 AはBに対する300万円の債権の担保として,甲不動産(時価300万円)及び乙不動産(時価200万円)に順位1番の共同抵当権を有し,CはBに対する200万円の債権の担保として甲不動産に順位2番の抵当権を有している。乙不動産には後順位抵当権者は存在しない。この事例を前提として,次の第1群中のいずれかの事実と第2群中のいずれかの事実とを組み合わせた場合に,Cが甲不動産及び乙不動産のいずれからも全く弁済を受けることができないものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
(第1群)
あ 甲不動産と乙不動産がともにB所有
い 甲不動産が物上保証人D所有であり,乙不動産がB所有
う 甲不動産がB所有であり,乙不動産が物上保証人D所有
え 甲不動産と乙不動産がともに物上保証人D所有
(第2群)
P 甲不動産が先に競売された場合
Q 乙不動産が先に競売された場合
1 あP  2 あQ  3 いP  4 うP  5 えP


【H08-14】 次のアからオまでの記述のうち,純粋共同根抵当権については当てはまるが,累積共同根抵当権については当てはまらないものをすべて選んだ組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。
ア 登記が効力要件である。
イ 所有者を異にする複数の不動産上に設定された場合に,いずれか一人の所有者が破産宣告を受けると,他の所有者の所有に係る不動産上の根抵当権の担保すべき元本も確定する。
ウ 被担保債権の範囲に共通の部分があれば,目的不動産ごとに被担保債権の範囲が異なっていてもよい。
エ 目的不動産の一つが競売された場合,競売された不動産の後順位抵当権者は,他の目的不動産について,共同根抵当権者に代位して優先弁済を受けることができる。
オ 目的不動産の一つが滅失した場合には,他の目的不動産上の根抵当権の極度額は,滅失した不動産の価額の他の不動産の価額に対する割合に応じて減額される。
1 アイエ  2 アイオ  3 アエオ  4 イウエ  5 ウエオ


【H08-15】 A所有の建物についてBが抵当権を設定した後に,Aがその建物をCに賃貸して引き渡した場合における権利関係に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
1 賃貸借契約終了後も,AがCに対して建物の返還を請求しないときは,Bは,抵当権に基づく妨害排除として,Cに対し,建物を自己に引き渡すように請求することができる。
2 賃貸借契約終了後,AがCに建物の返還を請求しないまま10年を経過しても,AはCに対し,所有権に基づき建物の返還を請求することができる。
3 AのCに対する賃料請求権については,Bは,抵当権を行うことができない。
4 第三者DがCの知らない間に建物の不法占拠を始めた場合であっても,その時から1年が経過したときは,CはDに対して建物の明渡しを請求することができない。
5 Bが抵当権の設定登記と当時にBを権利者とする賃借権設定仮登記をした場合において,その本登記がなされたときは,AC間の賃貸借の期間が3年であっても,Cは,Bに対して賃借権を対抗することができない。


【H08-16】 不動産登記制度の主要な機能を,権利関係の調査を容易にし取引の円滑を図るという権利公証機能と,登記をしない者が権利の効力を第三者に対して主張することを制限するという対抗要件機能という二つの側面に区別する観点からみた場合,動産について民法が設けている制度のうち登記制度による権利公証機能がないことを補う働きをする制度としての性格を最も強く有するものは,次のうちどれか。
1 天然果実は,その元物から分離する時にこれを収取する権利を有する者に帰属する。
2 平穏かつ公然に動産の占有を始めた者が,善意にして,かつ,過失がないときは,即時にその動産の上に行使する権利を取得する。
3 無主の動産は,所有の意思をもってこれを占有することによってその所有権を取得する。
4 先取特権は,債務者がその動産を第三者に引き渡した後は,その動産につきこれを行うことができない。
5 動産質権者が質物の占有を奪われたときは,占有回収の訴えによってのみその質物を回復することができる。


【H08-17】 登記されている地番Aの土地と,地番Bの土地とが隣接している場合における土地の境界に関する次の記述のうち,「土地の境界は,行政的に創設された公法上の境界である。境界は,地番Aと地番Bの土地を区分するための客観的に固有のものであり,当事者の合意によっては変更することはできない。」との見解の論理的な帰結としての性格が最も小さい命題を述べているものはどれか。
1 地番Aの土地の所有者が境界を越えて,地番Bの土地の一部を地番Aの土地に属するものと信じて占有している場合において,地番Bの土地の所有者が,地番Aの土地の所有者に対して境界確定を求める訴えを提起した場合は,その占有部分の土地の取得時効は中断する。
2 地番Aの土地の所有者が地番Bの土地のうち,地番Aの土地に隣接する一部分の所有権を時効により取得した場合でも,地番Aの土地の所有者は,地番Bの土地の所有者に対して,従前の土地の境界の確定を求める訴えを提起することができる。
3 地番Aの土地が共有であるときは,共有者の一人が単独で地番Bの土地の所有者に対して境界の確定を求める訴えを提起することはできない。
4 地番Aの土地の賃借人と,地番Bの土地の所有者との間において境界につき争いがある場合であっても,その賃借人は地番Bの土地の所有者に対して境界の確定を求める訴えを提起することはできない。
5 地番Aの土地の所有者と地番Bの土地の所有者との合意により従来の境界とは異なる新たな境界を定める合意をした場合,従来の境界と新設の境界との間の土地につき分筆して所有権移転の登記をしない限り,第三者に対してその部分の所有権の取得を対抗できない。


【H08-18】 認知の効果に関する次の記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア 子が父から認知された後,父母が婚姻した場合は,子は認知の時から嫡出子たる身分を取得する。
イ 父から認知された子は,家庭裁判所の許可を得て,父の氏を称することができる。
ウ 父が認知した子に対する親権は,父母が協議によって定めたときは父母が共同で行う。
エ 子が父から認知されたときは,母は父に対して子の出生時からの養育費の償還を請求することができる。
オ 父の死亡後に子から提起した認知の訴えにより父子関係が確定した場合には,その他の相続人間において既に成立していた遺産分割は効力を失う。
1 アイ   2 アオ   3 イエ   4 ウエ   5 ウオ


【H08-19】 Aは,Bを養子とする縁組をした後,Cと婚姻した。この場合におけるBとCとの身分関係に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 BとCは,特別な事情があるときに限り,相互に扶養義務を負う。
2 Cは,Aが反対の意思を表示している場合であっても,Bを養子とすることができる。
3 BとCが同居しているときは,互いに扶け合わなければならない。
4 AがBに対する親権を濫用した場合,Cは,家庭裁判所に対してその親権の喪失の宣告を請求することができる。
5 BとCは,AC間の婚姻が解消した後であっても,婚姻することができない。


【H08-20】 遺言に関する次の記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア 遺言は,15歳未満の者がした場合であっても,取り消されるまでは有効である。
イ 自筆証書による遺言は,検認手続が遅滞しても有効である。
ウ 相続分の指定は,遺留分に関する規定に違反している場合であっても,遺留分権利者による減殺請求があるまでは有効である。
エ 遺贈は,遺言者が死亡する前に,受遺者が死亡したときには,受遺者の相続人に対する遺贈としての効力を有する。
オ 前の遺言と後の遺言で抵触する部分があったとき,前の遺言は,抵触する部分を除いて有効である。
1 アイエ  2 アウオ  3 アエオ  4 イウエ  5 イウオ


【H08-21】 Aを被相続人とする相続に関する次の記述のうち,Bの実子であるCがBを代襲して相続人となるものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア BはAの実子であり,Bは相続の放棄をした。
イ BはAの実子であり,Bは廃除により相続権を失った。
ウ BはAの実子であったが,AB両方とも死亡し,双方の死亡の前後が分明でなかった。
エ Aの直系血族はAより先にすべて死亡しており,Aの兄であるBが推定相続人となっていたが,BがAより先に死亡した。
オ BはAの養子であり,BがAより先に死亡した。CはABの養子縁組の前に出生していた。
1 アイウ  2 アイオ  3 アエオ  4 イウエ  5 ウエオ


【H08-22】 遺言執行者に関する次の記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア 遺言者は遺言で,遺言執行者の指定を第三者に委託することができる。
イ 相続人の配偶者は,遺言執行者となることができない。
ウ 遺言により遺言執行者として指定された者が,その就職を承諾する前であっても,相続人による遺贈の目的不動産の第三者への処分は無効である。
エ 遺言執行者は,必要があるときは,第三者にその任務を行わせることができる。
オ 数人の遺言執行者がある場合は,遺言者がその遺言で禁止をしていても,各遺言執行者は,保存行為をすることができる。
1 アイオ   2 アウオ   3 ウエオ   4 アイウエ  5 イウエオ




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