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司法書士試験・本試験問題
(平成7年・民法)


【H07-01】 次の組合せのうち,B欄に掲げる者が破産した場合に,A欄に掲げる契約の効力が当然に消滅することとなるものはどれか。
    A欄        B欄
1 消費貸借の予約     借主
2 不動産の使用貸借契約  借主
3 動産の賃貸借契約    賃借人
4 雇用契約        被用者
5 請負契約        注文者


【H07-02】 Aの父Bが旅行中,船舶事故に巻き込まれたまま生死不明になった場合に,Aのとり得る措置に関する次の記述のうち,正しいものの組合せは後記1から5までのうちどれか。
ア Bが事故に遭遇してから1年が経過すれば,Aは,家庭裁判所に対し,Bについての失踪宣告を請求することができる。
イ Bが事故に遭遇してから1年が経過しなくても,Aは,家庭裁判所に対しBのために不在者の財産管理人の選任を請求することができる。
ウ Bが事故に遭遇して生死不明になったことを理由として,Aの請求により失踪宣告がされた場合には,Bは,事故から1年を経過した時に死亡したものとみなされる。
エ Bが事故に遭遇する前に既にBのために財産管理人が選任されている場合には,Aは,Bにつき失踪宣告の請求をすることができない。
オ Bが事故に遭遇して生死不明になったことを理由として,Bについて失踪宣告がされた後,Bが事故後も生存していたことが証明された場合には,Aは,失踪宣告によりAが相続したBの財産を善意で取得した者がいるときを除いて,失踪宣告の取消しを請求することができる。
1 アイ   2 アオ   3 イウ   4 ウエ   5 エオ


【H07-03】 Aを受任者とする委任契約をAB間で締結した場合と,CがDのために事務管理をした場合との相違を説明した次の記述のうち,判例の趣旨に照らして正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア AにはBを代理する権限が法律上当然には認められないのに対し,CにはDを代理する権限が法律上当然に認められる。
イ Aは委任契約終了後,遅滞なくBに事務処理の結果を報告しなければならないが,Cは事務管理を終了しても,Dの請求がない限り事務管理の結果の報告義務を負わない。
ウ Aは事務処理をするに当たって受け取った金銭をBに引き渡す義務を負うが,CはDに対してそのような義務を負わない。
エ AはBに対し事務処理に要する費用の前払請求権を有しているのに対し,CはDに対しそのような請求権を有していない。
オ AはBに対し,事務を処理するため過失なくして受けた損害の賠償を請求することができるが,CはDに対してそのような請求はできない。
1 アイ   2 アウ   3 イエ   4 ウオ   5 エオ


【H07-04】 Aは,何らの権限もないのに,Bの代理人と称して,Cとの間にB所有の不動産を売り渡す契約を締結した。この場合におけるBの追認に関する次の記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア CがBに対して相当の期間内にAの行為につき追認をするか否かを確答すべき旨の催告をした場合において,Bがその期間内に確答をしなかったときは,Bが追認をしたものとみなされる。
イ AC間の売買が錯誤によって無効であるときは,Bは,Aの無権代理行為を追認することができない。
ウ BがAに対して追認する意思表示をした場合において,Cがこれを知らなかったときは,CはAに対して,無権代理行為を取り消すことができる。
エ AC間の売買が合意されたときにAの無権限を知らなかったCがこれを取り消した後においては,Bは追認をすることができない。
オ BがCに対して追認をする意思表示をした場合において,契約の効力が発生する時期について別段の意思表示がされなかったときは,契約の効力は追認した時から生じる。
1 アウ   2 アオ   3 イエ   4 イオ   5 ウエ


【H07-05】 建物所有を目的とする土地の賃貸借(借地),建物の賃貸借(借家)に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
1 借地上の建物が滅失したときは,借地契約は,その旨の特約があった場合に限り終了する。
2 借地上の建物が損傷したときは,借地権者は,反対の特約がない限り,借地権設定者の承諾がなければ,その建物を修繕することができない。
3 借地権の登記がないが,借地権者が所有する借地上の建物の登記がある場合には,建物が滅失しても,その旨の登記がなされるまでの間は,借地権者は,第三者に借地権を対抗することができる。
4 借家契約の目的である建物が,第三者の失火により滅失したときは,借家契約は特約の有無にかかわらず終了する。
5 借家契約の目的である建物が損傷した場合には,借家人は,特約がない限り,その建物の修繕義務を負う。


【H07-06】 AがBに負う債務についてCが保証した場合に関する次の記述のうち,CがAの委託を受けて保証をしたか否かにかかわらず,当てはまるものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア CがBに対して債務の弁済をしたにもかかわらず,Aに対する通知を怠ったためにAがその弁済を知らないままBに対し更に弁済したときは,Cは,Aに対して求償権を行使することができない。
イ AがBに対して債務の弁済をしたにもかかわらず,Cに対する通知を怠った。Cがその弁済を知らないままBに対し更に弁済をしたときは,Cは,自己がした弁済を有効とみなすことができる。
ウ Cは,Bに対して債務の弁済をしたときは,Aに対して弁済した額及び弁済日以後の法定利息を請求することができる。
エ Cが保証した後にAとBが弁済期を変更する合意をした場合において,変更前の弁済期が到来したときは,Cは,Bに対して債務を弁済する前であっても,Aに対して求償することができる。
オ CがBに対して債務の弁済をしたときは,Cは,Aに対して求償することができる範囲内で,Bに代位して,BがAに対する債権を担保するためにA所有の不動産について設定していた抵当権を行使することができる。
1 アエ   2 アオ   3 イウ   4 イオ   5 ウエ


【H07-07】 AがBに対して金銭を貸し付け,この金銭債権の担保のため,C所有の不動産に抵当権が設定されてその登記がされた後,Aがその貸金債権をDに譲渡した場合に関する次の記述のうち,判例の趣旨に照らして正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア 貸金債権が弁済により消滅していたにもかかわらず,抵当権の登記が抹消されていなかった場合において,Bが債権譲渡について異議を留めない承諾をしたときは,Dは,Cに対して抵当権の取得を主張することができる。
イ AがBに対して確定日付のある債権譲渡の通知をした場合には,抵当権の移転の登記がされていなくても,Dは,その後にAから債権譲渡を受けたEに対して,抵当権の取得を主張することができる。
ウ 債権譲渡がされるまでに,貸金債権の消滅時効が完成していた場合には,Bが債権譲渡に異議を留めない承諾をしても,Dは,Bに対して貸金債権の取得を主張することができない。
エ Bの詐欺によってCが抵当権を設定した場合には,A及びDがそのことを知らないときであっても,Cは,Aとの間の抵当権設定契約を取り消して,Dに対して抵当権の無効を主張することができる。
オ BがDに対して貸金債権との相殺に適する債権を有している場合には,Bが債権譲渡に異議を留めない承諾をしたときであっても,Bは,Dに対して相殺の主張をすることができる。
1 アエ   2 アオ   3 イウ   4 イオ   5 ウエ


【H07-08】 Aが,その所有名義の甲土地をBに売り渡したが,その登記をしないでいたところ,CがAから甲土地の所有権の移転の登記を受けたという事例における権利関係に関する次の記述のうち,判例の趣旨に照らして正しいものはいくつあるか。
ア Cへの所有権の移転の登記がAB間の売買契約の後にされたAC間の売買契約によるものである場合,Bは,Aに対して,甲土地の所有権の移転の登記又は引渡しの義務の履行を催告しなくても,AB間の売買契約を解除することができる。
イ Cへの所有権の移転の登記がAB間の売買契約の前にされたAC間の売買契約によるものである場合,Bは,AC間の売買契約がされたことにより損害を受けたときであっても,その契約を詐害行為として取り消すことができない。
ウ Cへの所有権の移転の登記がAC間の売買契約によるものであり,その契約が解除された場合,Aが十分な資産を有するときであっても,Bは,Cに対し,AからCへの所有権の移転の登記の抹消を請求することができる。
エ Cへの所有権の移転の登記がAC間の売買契約によるものであり,その契約が甲土地の時価相当の価格でされ,AがCから代金の全額の支払を受けている場合,Bは,AC間の売買契約がされたことにより損害を受けたときであっても,その契約を詐害行為として取り消すことができない。
オ Cへの所有権の移転の登記がAB間の売買契約の後にされたAC間の贈与契約によるものであり,それによってAが無資力になったときは,AC間の贈与契約によって損害を受けたBは,その契約を詐害行為として取り消すことができる。
1 0個   2 1個   3 2個   4 3個   5 4個


【H07-09】 ABの共有物に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 共有物の分割の結果,Aが単独で目的物を所有することとなった場合において,その物に隠れた瑕疵があったときは,分割が裁判による場合であっても,Bは,Aに対して,自己の持分に応じた担保責任を負う。
2 共有物不分割の特約がある場合においては,Aは,Bの承諾がなければ,自己の持分を他に譲渡することはできない。
3 共有物を占有している第三者Cに対し,Aが単独で取得時効についての中断の措置をとったときは,この時効は,Bの共有持分についても中断される。
4 Aは,自己の共有持分に抵当権を設定している場合においても,Bの承諾を得ないで,その共有持分を放棄することができる。
5 共有物について,AB間の分割の協議が調わないときは,Bは,その協議がAの請求に基づいてなされたものであったとしても,裁判による分割を請求することができる。


【H07-10】 BがCから借り受けて占有していたC所有の自転車をAが窃取した上,事情を知らないDに売り渡したという事例に関する甲と乙との議論に関し,1から5までの〔 〕内のア又はイの各選択肢から適切なものを選択した組合せは,後記1から5までのうちどれか。
甲 「Dが無過失で,自転車の占有を取得したとしても民法193条に基づき,Bは窃盗の被害者として,盗難の時から2年間はDに対して,回復請求をすることができますし,原所有者であるCも回復請求することができますね。」
乙 「盗難の時から回復請求権が行使されるまでの間の自転車の所有権はどう考えるのでしょうか。」
甲 「そうですね。私は1〔アC イD〕に属すると考えます。つまり,本条は,2〔ア原所有者の保護のために特別に設けられた規定なのです。イ原所有者の回復請求権の行使期間を制限することになるのですよ。〕」
乙 「でも,盗難の時から回復請求権が行使されるまでの所有権は3〔アC イD〕に属していると解する考え方も成り立ちますよね。」
甲 「いや,その立場では,本条を4〔ア所有権回復の効果 イ占有回復の効果〕を持つと解するとしても,Bのような借主が回復請求権を行使することができることとの関係をうまく説明することは難しいんじゃないでしょうか。」
乙 「Bが自転車の借主ではなく,質権者だったらどうでしょうか。」
甲 「動産質権は継続して質物を占有していなければ,第三者に対抗することはできませんし,占有回収の訴えは5〔ア侵奪者からの善意の買主に対して提起することはできません イ直接の侵奪者以外の第三者に対しては,その善意悪意を問わず提起することはできません〕ので,Bは自転車をDから回復することはできないと解されます。」
 〔1〕〔2〕〔3〕〔4〕〔5〕
1 ア  イ  イ  イ  ア
2 ア  イ  イ  ア  ア
3 ア  ア  イ  ア  イ
4 イ  ア  ア  ア  ア
5 イ  ア  ア  イ  イ


【H07-11】 次の文章中の〔 〕にアからオまでの文のうちから適切なものを選んで入れると,不動産物権の公示制度に関する記述となる。その組合せとして最も適切なものは,後記1から5までのうちのどれか。
 「物権の設定及び移転は,意思表示のみによって効力を生ずるから,必ずしも公示されるとは限らない。むしろ,制度的には,実際の権利関係と公示の内容とが一致しない場合が生ずることを見込んでいるといえる。それでは,このような不動産物権の公示制度の役割はどのようなものであるのか。一般に〔1〕といわれている。これは,〔2〕ことを意味する。反対に,〔3〕。なぜなら,〔4〕からである。つまり,〔5〕わけではない。」
ア 何人も,自己が有するより多くの権利を他人に譲渡することはできない
イ 公示されていない権利については,何人からも主張されることはない
ウ 公示されていない権利は存在しないという,いわば『権利の不存在』についての信頼を保護している
エ 公示されているとおりの権利が存在するという,いわば『権利の存在』についての信頼を保護している
オ 公示を信頼して取引をしたとしても,取引の相手方が無権利者である場合には,公示された権利を取得することはできない
 〔1〕〔2〕〔3〕〔4〕〔5〕
1 ア  ウ  オ  イ  エ
2 ア  オ  イ  ウ  エ
3 ウ  イ  オ  ア  エ
4 ウ  エ  ア  オ  イ
5 オ  ア  イ  ウ  エ


【H07-12】 共同抵当に関する次の記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア 更地の所有者が,その土地に抵当権を設定した後,その土地上に建物を建築したときは,抵当権者は,土地及び建物の一括競売を申し立て,その両方の代金から優先弁済を受けることができる。
イ 共同抵当の目的とされている複数の土地の一部が競売によって売却されたときは,競売された土地についてのみ後順位抵当権者が存する場合であっても,共同抵当権者は,その売却代金から,被担保債権の全額について優先弁済を受けることができる。
ウ 共同抵当の目的とされている複数の土地の全部が競売により売却され,その売却代金が同時に配当される場合には,共同抵当権者は,被担保債権のうち後順位抵当権者の存しない土地の売却代金から弁済を受けることができない額についてのみ,後順位抵当権者の存する土地の売却代金から優先弁済を受けることができる。
エ 債務者の所有する土地と物上保証人の所有する土地とが共同抵当の目的とされている場合において,競売によって物上保証人の所有する土地のみが売却され,その売却代金から抵当権者が被担保債権の一部について配当を受けたときは,物上保証人は,配当額に応じて,債務者の所有する土地を目的とする抵当権に代位することができる。
オ 共同抵当の目的とされている複数の土地のうちの一部に後順位抵当権者が存する場合には,共同抵当権者は,後順位抵当権者が存する土地を目的とする抵当権のみを放棄することはできるが,後順位抵当権者が存しない土地を目的とする抵当権のみを放棄することはできない。
1 イエ   2 エオ   3 アイエ  4 アウオ  5 イウオ


【H07-13】 甲土地を所有するAは,Bが所有する乙土地を通行する権利を有している。次の記述のうち,この通行権が通行地役権であるか相隣関係に基づく囲繞地通行権であるかによって結論が異なるものはいくつあるか。
ア Aがこの通行権を甲土地の所有権から分離して譲渡することができるか。
イ AとBで,Aが甲土地の所有権を他人に譲渡した場合には,この通行権が消滅する旨の合意をすることができるか。
ウ Bが乙土地の通行を妨害する場合に,Aが,その妨害の除去を請求することができるか。
エ 第三者が乙土地の所有権を時効取得した場合に,Aの通行権が消滅することがあるか。
オ Bが乙土地の所有権を第三者に譲渡した場合に,Aが,乙土地の譲受人に対し,この通行権を主張することができないことがあるか。
1 1個   2 2個   3 3個   4 4個   5 5個


【H07-14】 次の記述は,民法に規定されている留置権,先取特権,質権又は抵当権のいずれか一つの担保物権についての説明を列挙したものであるが,この中に一つだけその担保物権に当てはまらない説明が混在している。その説明はどれか。
1 この担保物権は,目的物が不動産であっても登記をすることができない。
2 この担保物権は,当事者間の合意によって成立するいわゆる「約定担保物権」である。
3 この担保物権が実行されるまでは,設定者は,目的物を使用収益することができる。
4 この担保物権は,目的物が第三者の不法行為により滅失した場合における所有者の当該第三者に対する損害賠償請求権についても行うことができる。
5 動産を目的物として,この担保物権を設定することはできない。


【H07-15】 A所有の土地がAからBへ,BからCへと順次売却された場合における登記の請求権に関する次の記述のうち,判例の趣旨に照らして正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア AからBへ,BからCへ,それぞれ所有権移転の登記がされた場合において,AからBへの売買が無効であるときは,BからCへの売買が無効であっても,Bは,Cに対し,その登記の抹消を請求することができない。
イ 所有権の登記名義が依然としてAにある場合には,Cは,Bの同意がなくても,Bに代位しAに対し,Bへの所有権移転登記手続を請求することができる。
ウ 所有権の登記名義が依然としてAにある場合であっても,Cは,Bに対し,BからCへの所有権移転登記手続を請求することができる。
エ 所有権の登記名義が依然としてAにある場合には,Cは,Bの同意を得れば,Aに対し,AからCへの所有権移転登記手続を請求することができる。
オ 所有権の登記名義が依然としてAにある場合には,Bは,BからCへの売買が無効であるときに限り,Aに対し,Bへの所有権移転登記手続を請求することができる。
1 アエ   2 イウ   3 イオ   4 アウエ  5 イウオ


【H07-16】 次の事例のうち,XがYに対して土地の所有権を主張することができるものの組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。
ア Aがその所有する土地について,Yとの間で虚偽表示による売買契約をし,その旨の登記を経た後に,Xにこれを売り渡した。
イ Aがその所有する土地をYに売り渡し,その旨の登記を経た後に,その売買以前からその土地を占有していたXがこれを時効取得した。
ウ Aがその所有する土地をXに売り渡したが,その旨の登記を経ないまま死亡したところ,その後Aの相続人がこれをYに売り渡し,その旨の登記を経た。
エ Yがその所有する土地をAに売り渡したが,その旨の登記を経ないでいたところ,Aがその土地をXに転売した。
オ Xがその所有する土地をAに売り渡し,その旨の登記を経た後に,XA間でその売買契約を合意により解除したが,登記を抹消しないでいたところ,Aがその土地をYに売り渡し,その旨の登記を経た。
1 アイ   2 アウ   3 ウオ   4 アイエ  5 イエオ


【H07-17】 土地を担保として金銭を貸し付ける場合に,設定する担保権を抵当権とするか質権とするかによって生ずる相違点についての記述として誤っているものは次のうちどれか。
1 抵当権の場合には,担保となる土地の引渡しを受ける必要がないが,質権の場合には必ず引渡しを受ける必要がある。
2 抵当権の場合には,その存続期間について制限がないが,質権の場合には,その存続期間は10年を超えることができない。
3 抵当権の場合には,被担保債権の利息は,満期となった最後の2年分は担保されるが,質権の場合には特別の合意がない限り,被担保債権の利息を担保することができない。
4 抵当権の場合には,抵当権者は,その権利を他の債権の担保に供することができるが,質権の場合には質権者はそのようなことができない。
5 抵当権の場合には,差押え又は抵当権の実行の通知がなされたときを除き,その効力は目的物の果実に及ばないが,質権の場合には,設定後は質権者が目的物の果実を取得することができる。


【H07-18】 次の場合のうち,甲が乙に対して扶養義務を負うことがないものの組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。
ア 甲は,婚姻関係にない丙の子乙を認知した。
イ 甲は,丙と離婚したが,その間の子乙については,丙が親権者となり,かつ現実に監護養育することとなった。
ウ 甲と丙との間の子乙は,丁の特別養子となった。
エ 甲は,丙の弟であり,乙は,丙の子であるが,乙の親族としては他に母丁がいる。
オ 甲は,乙の子である丙と離婚した。
1 アイ   2 アエ   3 イオ   4 ウエ   5 ウオ


【H07-19】 死因贈与と遺贈に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
1 満15歳に達している未成年者は,法定代理人の同意がなくても,死因贈与,遺贈のいずれをもすることができる。
2 死因贈与,遺贈のいずれも,自筆証書によるなど法律で定める方式に従わなくてはならない。
3 遺贈における受遺者は,遺言者の死亡後,いつでも遺贈を放棄することができるが,死因贈与における受贈者は,その放棄をすることができない。
4 遺贈が遺留分を害する場合には,遺留分権利者による減殺請求の対象となるが,死因贈与はその対象とはならない。
5 死因贈与においては,受贈者に一定の給付をする債務を負担させることができるが,遺贈については,受遺者に負担を負わせることはできない。


【H07-20】 AB間の離婚と養親C養子D間の離縁を対比した次の表のいずれの記述も正しい項目の組合せは,後記1から5までのうちどれか。
       (離婚)             (離縁)
ア A又はBが死亡した後には,す   C又はDが死亡した後も,家庭
  ることができない。        裁判所の許可があれば,するこ
                   とができる。
イ AとBの実父との間の親族関係   CとDの実父との間の親族関係
  が終了する。           が終了する。
ウ A・Bの親権に服する子があっ   DがCの親権に服していたとき
  たときは,A又はBが親権者と   は,縁組前の父母(この父母が
  なる。              離婚していたときは,その一方)
                   が親権者となる。
エ 婚姻前の氏に復したBは,婚姻   縁組前の氏に復したDは,縁組
  の日から復氏までの期間にかか   の日から復氏の日までの期間に
  わらず,離婚の際に称していた   かかわらず,離縁の際に称して
  氏を称することができる。     いた氏を称することができる。
オ A又はBの一方は,他方に対し   DがCに対して財産分与を請求
  て財産分与を請求することがで   することができることがあるが,
  きることがある。         CがDに対して財産分与を請求
                   することはできない。
1 アウ   2 アエ   3 イエ   4 イオ   5 ウオ


【H07-21】 A及びBが共同相続人である場合における遺産分割に関する次の記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア AB間においてAのみに相続債務の全額を相続させる旨の遺産分割の協議が調った場合には,債権者は,Bに対して相続債務の履行を請求することができない。
イ 遺産分割協議によりAがBに対して債務を負担した場合において,Aがこれを履行しないときは,Bは,その分割協議を一方的に解除することはできないが,Aとの間で,これを合意解除することはできる。
ウ 第三者Cから被相続人に対する強制認知の裁判が確定した場合には,その確定前にAB間でされた遺産分割の協議は,効力を失う。
エ Aが準禁治産者であっても,Bと遺産分割の協議をするについては,保佐人の同意を要しない。
オ 遺言によりA,Bの相続分を均等と定める指定がされている場合でも,遺言執行者がいないときは,AB間の協議により,その指定と異なる割合をもって相続財産を分割することができる。
1 アウ   2 アエ   3 イエ   4 イオ   5 ウオ


【H07-22】 次のアからオまでのAの行為のうち,Aが未成年者であり,Bがその法定代理人であるとすれば,Bの代理行為として許されないものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア AがBから贈与を受けること
イ CがDに対して負う債務につき,AがBとともに連帯保証人となり,AB共有の不動産に抵当権を設定すること
ウ AがBを連帯保証人としてEから金銭を借り入れること
エ Aが法定代理人をBとする未成年者Fとの間で遺産分割協議をすること
オ A,Bが共同相続人である相続において,AがBと同時に相続の放棄をすること
1 アイ   2 アオ   3 イエ   4 ウエ   5 ウオ




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