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司法書士試験・本試験問題
(平成6年・民法)


【H06-01】 連帯債務と連帯保証に関する次の記述中,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちのどれか。
ア 債権者が連帯債務者の一人に対してした債務の履行の請求は,他の債務者にも効力を生ずるが,債権者が連帯保証人に対してした債務の履行の請求は,主たる債務者には効力を生じない。
イ 連帯債務者の一人が債務の全額を弁済した場合には,その債務者は,他の債務者に対し,その負担部分について求償することができるが,連帯保証人の一人が債務の全額を弁済した場合には,その連帯保証人は,他の連帯保証人に対し求償することはできない。
ウ 債権者が連帯債務者の一人に対して債務の免除をした場合には,その債務者の負担部分については他の債務者も債務を免れるが,債権者が連帯保証人の一人に対して債務の免除をした場合には,主たる債務者は,何ら債務を免れない。
エ 連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合に,その債務者が相殺を援用しないときは,その者の負担部分についてのみ,他の債務者は相殺を援用することができるが,連帯保証人は,主たる債務者が債権者に対して有する債権を自働債権として相殺することにより,相殺適状を生じていた債権の全額の債務を免れることができる。
オ 連帯債務者の一人のために時効が完成した場合には,他の債務者もこれを援用すれば債務を免れるが,連帯保証人のために時効が完成した場合には,主たる債務者はこれを援用して債務を免れることはできない。
1 アイ   2 ウオ   3 イエ   4 ウエ   5 ウオ


【H06-02】 不動産の買戻しに関する次の記述中,誤っているものはどれか。
1 買戻しの特約を第三者に対抗するには,売買契約と同時にその特約を登記しなければならない。
2 売買の売主は,買戻しの期間内に売買代金及び契約の費用を提供しなければ,買戻しをすることができない。
3 買戻しについて期間を定めなかったときには,買戻しは5年以内にしなければならない。
4 買戻しの期間として10年を超える期間を定めたときは,買戻しの特約は無効である。
5 共有持分を買戻特約を付して売却した後にその不動産の分割があり,買主が代金を受領したときは,売主は,その買主が受領した代金について買戻しをすることができる。


【H06-03】 法人に関する次の記述中,判例の趣旨に照らし,正しいものはどれか。
1 法人が定款で理事の代表権を制限しているにもかかわらず,理事が代表権の範囲外の取引をした場合には,相手方がその代表権の制限があることを知らなかったときであっても,法人は,その取引における意思表示を取り消すことができる。
2 法人の代表者が選任した代理人が,法人のために動産を買い受けたところ,売主が無権利者であった場合において,法人の代表者に過失があるときは,代理人が善意・無過失であっても即時取得は成立しない。
3 法人の代表者が選任した代理人が,委任事務につき他人に損害を与えた場合において,その代理人に故意又は過失があったときには,法人は,民法第44条の規定に基づく賠償責任を負う。
4 法人の被用者がその事業の執行につき他人に損害を与えた場合には,法人の代表者は,その被用者の選任・監督を担当していなかったときであっても,使用者に代わって事業を監督する者として,民法第715条第2項の規定に基づく賠償責任を負う。
5 法人の被用者がした取引行為が,その行為の外形から見て法人の事業の範囲内に属するものと認められる場合であっても,その行為が被用者の職務権限内において行われたものではなく,かつ,相手方が重大な過失によってこれを知らずに取引をしたときは,法人は,その取引によって相手方が受けた損害につき,民法第715条第1項の規定に基づく賠償責任を負わない。


【H06-04】 代理に関する次の記述中,判例の趣旨に照らし,正しいものはいくつあるか。
ア 代理人が,自己又は第三者の利益を図るため,代理権の範囲内の行為をした場合には,相手方が代理人のそのような意図を知らず,かつ知らなかったことにつき重大な過失がなかったときに限り,本人はその代理人の行為につき,責任を負う。
イ 無権代理人は,相手方が無権代理人に対して民法第117条の規定によりした履行請求に対して,表見代理が成立することを主張・立証して自己の責任を免れることはできない。
ウ 妻が夫の代理人として第三者とした法律行為は,妻が夫から特に代理権を与えられておらず,かつその法律行為が日常の家事に関するものでない場合であっても,第三者において,その行為がその夫婦の日常の家事に関する法律行為に属すると信ずるにつき正当の理由があるときには,夫に対して効力を生ずる。
エ 代理人の代理権が消滅した後に,その者がした無権代理行為につき,民法第112条の表見代理が成立するためには,代理権が消滅する前に,その代理人が当該本人を代理して相手方と取引行為をしたことがあることを要する。
オ 本人が無権代理人を相続した場合であっても,無権代理行為の追認を拒絶したときには,本人は無権代理人が相手方に対して負うべき履行又は損害賠償の債務を相続することはない。
1 1    2 2    3 3    4 4    5 5


【H06-05】 売買契約における当事者の一方Aの意思表示が錯誤によって無効である場合(以下「錯誤の場合」という。)と,詐欺を理由として取り消すことができる場合(以下「詐欺の場合」という。)に関する次の記述中,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア 錯誤の場合と詐欺の場合とが競合するときは,Aは,錯誤による無効のみを主張することができる。
イ 錯誤の場合には,誰でも無効を主張することができるが,詐欺の場合には,取消権を行使することができる者は限定されている。
ウ 錯誤の場合には,Aの追認によって有効な意思表示に転換させる余地はないが,詐欺の場合には,Aの追認によって確定的に有効な意思表示にすることができる。
エ 民法上,錯誤の場合には,無効を主張することができる期間についての定めはないが,詐欺の場合は,取消権を行使できる期間については定めがある。
オ 錯誤の場合には,Aは,すべての第三者に対して,無効を主張することができるが,詐欺の場合には,Aは,すべての第三者に対して取消しを主張することができるわけではない。
1 アイ   2 アオ   3 イエ   4 ウエ   5 エオ


【H06-06】 次の組合せのうち,右の欄に記載されている時点が,左の欄に記載されている債務について,履行遅滞に陥る時期又は消滅時効の起算点のいずれにも当てはまらないものはどれか。
1 債権者が試験に合格したら100万円  債権者が試験に合格した時
  を贈与する旨の契約に基づく贈与金債
  務
2 代金支払期限の定めがない売買契約に  契約が成立した時
  基づく代金支払債務
3 賃貸借契約に基づく敷金返還債務    契約が終了した時
4 善意の不当利得者の不当利得返還債務  債務者が履行の請求を受けた時
5 不法行為に基づく損害賠償債務     損害が発生した時


【H06-07】 未成年者Aは,単独の法定代理人である母親Bの所有する宝石を,Bに無断で自己の物としてCに売却し引き渡した上,代金50万円のうち30万円を受け取り,そのうち10万円を遊興費として消費してしまった。他方,Cは,Aに対し,残代金を支払わない。この場合における法律関係に関する次の記述中,正しいものはいくつあるか。
ア Aが,未成年者であることを理由にA・C間の売買を取り消したとしても,Cが,Aを宝石の所有者であると信じ,かつ,そう信ずるについて過失がなかったときは,Aは,Cに対し,宝石の返還を請求することができない。
イ Bは,A・C間の売買が取り消されない限り,Cに対し,所有権に基づき宝石の返還を請求することができない。
ウ Aが,未成年者であることを理由にA・C間の売買を取り消した場合には,Aは,Cに対し,20万円を返還すれば足りる。
エ Aは,成年者となった後は,未成年者であったことを理由にA・C間の売買を取り消すことができない。
オ Aが,Bの同意を得て,Cに対し代金残額20万円の履行請求をした場合には,Aは,未成年者であることを理由にA・C間の売買を取り消すことができない。
1 1    2 2    3 3    4 4    5 5


【H06-08】 債権者代位権に関する次の記述中,判例の趣旨に照らし,正しいものはいくつあるか。
ア 債権者AがBに対する50万円の金銭債権を保全するために,BのCに対する100万円の貸金返還請求権を代位行使するに当たっては,BのCに対する債権が1個の契約に基づくものであっても,Aは,Cに対し,自己の債権額50万円に限って支払を請求することができる。
イ 債権者AがBに対する金銭債権を保全するために,BのCに対する金銭債権を代位行使した結果,Cから金銭の支払を受けた場合には,Aは,BのAに対する債務と相殺することによって,Cから受け取った金銭をBに返還する義務を免れることはできない。
ウ 債権者AがBに対する金銭債権を保全するために,BのCに対する動産の引渡請求権を代位行使するに当たっては,Aは,Cに対し,その物をBに引き渡すことを請求することはできるが,直接自己に引き渡すことを請求することはできない。
エ 賃借人Aが賃貸人Bの所有する建物の賃貸借契約をしたが,引渡しを受けていない場合において,その建物をCが権原なく占有しているときは,Aは,Cに対し,BのCに対する所有権に基づく建物の返還請求権を代位行使して,直接自己に引き渡すことを請求することができる。
オ 不動産がCからB,BからAに順次売買されたにもかかわらず,所有権の登記名義人がCのままである場合に,Aは,Bに対する所有権移転登記請求権を保全するために,BのCに対する所有権移転登記請求権を代位行使するに当たっては,直接自己名義への移転登記手続を請求することができる。
1 1    2 2    3 3    4 4    5 5


【H06-09】 A所有の土地の所有権をBが時効取得した場合についての次の記述中,判例の趣旨に照らし,正しいものはいくつあるか。
ア Bの取得時効が完成した後,CがAから土地の贈与を受けたが登記をしていないときは,Bは,登記をしていなくても,Cに対し,時効により所有権を取得したことを対抗することができる。
イ Bの取得時効が完成した後,登記をしない間にAが死亡し,Aの相続人Cが相続登記をしたときは,Bは,Cに対し,時効により所有権を取得したことを対抗することができない。
ウ Bの取得時効が完成した後,登記をしない間に,Aの債権者Cが,Aから土地に抵当権の設定を受けて登記をしたときは,Cは,Bに対し,抵当権を取得したことを対抗することができる。
エ Bの取得時効が完成する前に,Cが土地を強制競売により買い受けて登記をしたときは,その後,Bの取得時効が完成しても,Bは,Cに対し,時効により所有権を取得したことを対抗することができない。
オ Bの取得時効が完成した後,CがAから土地を買い受けて登記をしたときは,Cの登記がされた後,引き続きBの時効取得に必要な期間占有を続けたとしても,Bは,Cに対し,時効により所有権を取得したことを対抗することができない。
1 1    2 2    3 3    4 4    5 5


【H06-10】 次の1から5までは,債権者Aの1番抵当権(被担保債権額80万円),債権者Bの2番抵当権(被担保債権額200万円),債権者Cの3番抵当権(被担保債権額80万円)が設定されている不動産について,抵当権の処分とその処分の後,その不動産が競売により他に300万円で売却された場合における,配当を受ける債権者と配当額との組合せであるが,この中で誤っているものはどれか。
1 Aは,一般債権者D(債権額50万円)のため,自己の抵当権を譲渡した。
    配当金額 A:30万円 B:200万円 C:20万円
         D:50万円
2 Aは,一般債権者D(債権額80万円)のため,自己の抵当権を放棄した。
    配当金額 A:なし   B:200万円 C:20万円
         D:80万円
3 Aは,Cに抵当権の順位を譲渡した。
    配当金額 A:20万円 B:200万円 C:80万円
4 Aは,Cのために抵当権の順位を放棄した。
    配当金額 A:50万円 B:200万円 C:50万円
5 抵当権の順位をBCAの順とする抵当権の順位の変更がなされた。
    配当金額 A:20万円 B:200万円 C:80万円


【H06-11】 (T)に掲げた担保物権のうち,(U)に掲げた性質又は効力を有しないものの組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。
   (T)       (U)
ア 不動産質権     収益的効力
イ 留置権       物上代位性
ウ 動産質権      付従性
エ 先取特権      優先弁済的効力
オ 抵当権       留置的効力
1 アイ   2 アエ   3 イオ   4 ウエ   5 ウオ


【H06-12】 根抵当権に関する次の記述中,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア 元本の確定前においては,根抵当権の担保する債権の債務者を変更することができる。
イ 元本の確定前においては,根抵当権者はその根抵当権を他の債権の担保とすることができない。
ウ 元本の確定前においては,根抵当権者は根抵当権の被担保債権とは別に根抵当権のみを譲渡することができる。
エ 元本の確定前に根抵当権の被担保債権について債務引受けがあったときは,根抵当権者は引受人の債務についても根抵当権を行うことができる。
オ 元本の確定前に根抵当権の分割譲渡があったときは,譲受人は譲渡人と同順位で配当を受けることはできない。
1 アウ   2 アエ   3 イウ   4 イオ   5 エオ


【H06-13】 次のアからオまでの場合に,抵当権者Aの申立てによる競売によって,土地と建物の所有者が異なるに至ったときの法定地上権の成否について,判例の趣旨に照らし,正しい指摘の組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア B単独所有の土地上にB・C共有の建物がある場合に,Bが土地についてAのために抵当権を設定した。
イ Bが,借地上の自己所有の建物について,Aのために抵当権を設定した後,競売の申立て前に敷地の所有権を取得した。
ウ 自己所有の土地上に建物を所有するBが,上地及び建物の双方についてAのために抵当権を設定した。
エ B・C共有の土地上に建物を単独所有するBが,土地の共有持分についてAのために抵当権を設定した。
オ Bが,第三者所有の建物の敷地となっている自己所有の土地について,Cのために抵当権を設定した後,建物の所有権を取得し,土地及び建物についてAのために抵当権を設定した。
1 ア成立   イ不成立  ウ成立   エ不成立  オ不成立
2 ア不成立  イ成立   ウ成立   エ成立   オ成立
3 ア成立   イ不成立  ウ不成立  エ成立   オ成立
4 ア成立   イ成立   ウ不成立  エ成立   オ不成立
5 ア不成立  イ成立   ウ成立   エ不成立  オ成立


【H06-14】 建物の区分所有に関する次の記述中,正しいものはどれか。
1 専有部分とその専有部分に係る敷地利用権との分離処分は,建物の区分所有者の有する敷地利用権が,敷地の所有権又は共有持分権である場合に限り,禁止される。
2 敷地利用権を有しない建物の区分所有者がいる場合には,区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の議決により,その者の所有する専有部分の競売を請求することができる。
3 専有部分とその専有部分に係る敷地利用権との分離処分が禁止される場合において,敷地利用権が土地の共有持分であるときには,共有者の一人が敷地の共有持分を放棄すれば,その持分は,他の共有者に帰属する。
4 専有部分とその専有部分に係る敷地利用権との分離処分が禁止される場合であっても,共用部分の共有者は,その共有持分を専有部分と分離して処分することができる。
5 専有部分とその専有部分に係る敷地利用権との分離処分が禁止される場合には,それに反する処分は無効であるが,その旨の登記がされていないときは,善意の相手方に対しては,その無効を主張することができない。


【H06-15】 抵当権とてき除制度に関する次の記述中,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア 抵当不動産の第三取得者がてき除権を行使するには,登記の有無を問わず,知れたるすべての抵当権者に対し,不動産取得の原因等を記載した書面を送達しなければならない。
イ 抵当不動産の第三取得者がてき除権を行使することができるのは,抵当権者が第三取得者に対して,抵当権の実行を通知した後に限られる。
ウ 抵当不動産の第三取得者がてき除権を行使する場合には,抵当権者は,てき除権者が同意をしたかどうかにかかわらず,増価競売を請求することができる。
エ 抵当不動産につき地上権を取得した者は,てき除権を行使することができるが,抵当不動産につき賃借権を取得した者は,てき除権を行使することができない。
オ 抵当不動産について停止条件付き所有権を取得した者は,その条件の成否が未定の間であっても,てき除権を行使することができる。
1 アイ   2 アオ   3 イウ   4 ウエ   5 エオ


【H06-16】 登記請求権に関する次の記述中,誤っているものはどれか。
1 Bからその所有する土地を買い受けたAが,その土地をCに転売した場合には,Aは,Bに対し,BからAへの所有権移転登記を請求することはできない。
2 A所有の土地についてB名義の所有権保存登記がなされているときには,Aは,Bに対し,B名義の所有権保存登記の抹消を請求することができる。
3 Bがその所有する土地をAに売り渡して所有権移転登記をした場合において,売買契約が合意解除されたときには,Aは,Bに対し,BからAへの所有権移転登記の抹消を請求することができる。
4 B所有の土地を賃借したAは,賃借権を登記する特約をしていなければ,Bに対し賃借権設定登記を請求することができない。
5 A所有の土地がAからB,BからCに順次売買され,所有権移転登記がされた後,AB間の売買契約が強迫を理由に取り消されたときには,Aは,Bに対し,AからBへの所有権移転登記の抹消を請求できるほか,Cに対し,BからCへの移転登記の抹消を請求することができる。


【H06-17】 建物の所有権の帰属に関する次の記述中,判例の趣旨に照らし,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア 建築途中のいまだ独立の不動産に至らない建造物(以下「建前」という。)に第三者が材料を提供して工事をし,建物として完成した場合において,第三者の工事及び材料の価格が建前の価格を著しく上回るときは,その建物の所有権は,建物を完成させた者に帰属する。
イ 土地の所有者から建物の建築工事を請け負った請負人が,自ら材料を提供して工事をし,建前を築いた場合であっても,建前の所有権は,土地の所有者である注文者に帰属する。
ウ 建物の賃借人が,賃貸人である建物所有者の承諾を得て建物の増築をした場合において,増築部分が構造上区分されるべきものでないときは,増築部分建物は,賃借人と賃貸人の共有となる。
エ 建物建築工事の請負契約の注文者が,建物の完成前に,請負代金の全額を契約で定めた支払期日までに請負人に支払った場合には,完成した建物の所有権は,注文者に帰属する。
オ 建物建築工事の請負契約において,完成した建物の所有権は,注文者が取得する旨の合意がされている場合には,請負人が自ら材料を提供しており,かつ,注文者に対する引渡しがされていなくても,完成した建物の所有権は,注文者に帰属する。
1 アウ   2 アオ   3 イウ   4 イエ   5 エオ


【H06-18】 相続と登記に関する次の記述中,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア 相続人Aの債権者Bが,相続財産である不動産につき,Aが共同相続したものとして代位により相続による所有権移転登記をした上で,Aの持分に対する差押登記をした場合には,Aが相続放棄をしていたときであっても,他の共同相続人Cは,相続放棄による持分の取得をBに対抗することができない。
イ Aがその所有する不動産をBに遺贈する旨の遺言をして死亡した場合において,Aを単独で相続したCが,その不動産につき相続登記をしてDに売り渡して所有権移転登記をしたときは,Bは,Dに対し,遺贈による所有権の取得を対抗することができない。
ウ Aがその所有する不動産をBに贈与した後死亡し,遺留分の権利を有するAの相続人Cが,遺留分減殺請求をした場合には,Cの遺留分減殺の登記がなされないうちに,Bが,その不動産をDに譲渡して所有権移転の登記をしたときであっても,Cは,Dに対し,遺留分減殺による所有権の取得を対抗することができる。
エ Aの相続人はB及びCであったにもかかわらず,Bが,Cも相続人であることを知りながら,自己単独名義の相続登記をした場合であっても,相続回復請求権の消滅時効(民法第884条)が完成したときは,Cからの相続登記抹消請求に対し,Bは,相続回復請求権の消滅時効を援用して対抗することができる。
オ 共同相続を原因とする法定相続分による相続登記がなされた後,共同相続人の一人が,遺産分割により,特定の不動産について,単独の所有権を取得した場合であっても,その登記がなされないうちに,他の共同相続人が,その不動産の共有持分を第三者に譲渡して,その登記をしたときは,遺産分割による所有権の取得を対抗することができない。
1 アウ   2 アエ   3 イエ   4 イオ   5 ウオ


【H06-19】 遺言及び遺留分に関する次の記述中,誤っているものはいくつあるか。
ア 遺言は,二人以上の者が同一の証書ですることができない。
イ 未成年者及び準禁治産者は,遺言の証人又は立会人となることができない。
ウ 禁治産者は,遺言をすることができない。
エ 遺贈は,贈与を減殺した後でなければ,減殺することができない。
オ 遺留分の放棄は,相続の開始前においてはすることができない。
1 0    2 1    3 2    4 3    5 4


【H06-20】 特別養子に関する次の記述中,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア 特別養子の養親となる者は,配偶者のある者でなければならない。
イ 特別養子は,特別養子縁組の日から,養親の嫡出子の身分を取得する。
ウ 特別養子縁組は,戸籍法の定めるところにより,これを届け出ることによって,その効力を生じる。
エ 特別養子と実父母の親族関係は,特別養子と養親との離縁があっても,再び生じることはない。
オ 特別養子縁組においては,離縁は,養子が成年に達している場合に限り,当事者の協議ですることができる。
1 アイ   2 アエ   3 アイエ  4 イウオ  5 ウエオ


【H06-21】 親権に関する次の記述中,判例の趣旨に照らし,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア 子が成年に達したときには,親権を行った者は,遅滞なく子の財産の管理の計算をしなければならない。
イ 親権を行う者は,自己のためにするのと同一の注意をもって,その管理権を行わなければならない。
ウ 親権者が,借受金を自己の用途に充てる意図で,子の名において金員を借り受け,子の所有する不動産に抵当権を設定することは,親権者とその子の利益が相反する行為に当たる。
エ 親権者とその子の利益が相反する行為を,親権者が子の代理人としてした場合,その行為は無権代理行為となる。
オ 親権者が,管理が失当であることによってその子の財産を危うくしたときは,家庭裁判所は,子の親族又は検察官の請求によって,その親権の喪失を宣告することができる。
1 アイエ  2 アウエ  3 アウオ  4 イウオ  5 イエオ


【H06-22】 認知に関する次の記述中,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア 成年である子を認知するためには,その承諾を得ることを要する。
イ 認知をした父は,その認知を取り消すことができない。
ウ 無能力者である父が認知をするためには,その法定代理人の同意を得ることを要する。
エ 父が胎内にある子を認知するためには,母の承諾を要しない。
オ 父母の婚姻後に父が認知をした子は,その認知の時から,嫡出子たる身分を取得する。
1 アウ   2 ウエ   3 アイオ  4 イウエ  5 ウエオ




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