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司法書士試験・本試験問題
(平成5年・民法)


【H05-01】 外国人又は外国法人に関する次の記述中,誤っているものはどれか。
1 外国人は,法令又は条約に禁止又は制限が規定されている場合を除き,我が国においても権利能力を有する。
2 外国人の権利能力が制限される場合には,外国人は,信託法上の受益者として,その権利を有すると同一の利益を享受することができない。
3 国,国の行政区画,商事会社又は法律若しくは条約により認許されたもの以外の外国法人は,我が国においては,法人格が認められない。
4 外国法人は,我が国において事務所設置の登記をするまでは,他人はその法人の成立を否認することができる。
5 我が国において認許された外国法人は,外国人が享有することができない権利であっても取得することができる。


【H05-02】 社団法人の理事に関する次の記述中,正しいものはいくつあるか。
ア 社団法人には,複数の理事が必要であり,理事が一人であることは許されない。
イ 社団法人と理事の利益が相反する場合は,裁判所に請求して仮理事を選任すべきである。
ウ 定款で,理事のうち特定の者だけが代表権を有し,その他の理事は代表権を有する理事に事故がある場合に限って一定の順序でその職務を代行する旨を定めることは,社団法人の理事の代表権を奪うことになるので許されない。
エ 社団法人の理事は,定款又は総会の決議で禁止されている場合は,特定の行為の代理を他人に委任することはできない。
オ 社団法人の理事の任期は2年と定められているが,定款でそれと異なる任期を定めることは許される。
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【H05-03】 時効に関する次の記述中,判例の趣旨に照らし,正しいものはいくつあるか。
ア 主たる債務者がなした時効利益の放棄は,保証人に対しても効力を生ずるので,保証人は,時効を援用することができない。
イ 債務者が消滅時効が完成した後に債務を承認した場合,承認した時点において債務者が時効完成の事実を知らないときは,消滅時効を援用することができる。
ウ 特定物である寄託物の返還請求権の消滅時効の起算点は,寄託期間の定めのある場合は,その期間満了時,寄託期間の定めのない場合は,寄託の時である。
エ 準禁治産者が保佐人の同意なしになした債務の承認は,時効中断の効果を生じない。
オ 所有権に基づく登記手続請求の訴えにおいて,被告が自己の所有権を主張し,請求棄却の判決を求め,その主張が判決で認められた場合は,原告の取得時効を中断する効果を生じる。
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【H05-04】 代理に関する次の記述中,正しいものはどれか。
1 本人が代理人に対して特定の家屋の購入を委託したが,その家屋に契約した目的を達成できない程度の隠れた瑕疵があった場合において,代理人がその瑕疵を知らなかったときは,本人がこれを知っていた場合であっても,本人はその契約を解除することができる。
2 未成年者を代理人に選任した場合に,その者が代理人としてなした法律行為は本人がこれを取り消すことができる。
3 法定代理人は,やむを得ない事由で復代理人を選任した場合には,本人に対して責任を負うことはない。
4 代理人が本人のためにすることを示さないで意思表示をなした場合であっても,相手方がその本人のためにすることを知っていたときには,その意思表示は直接本人に対して効力を生ずる。
5 復代理人は,代理人を代理するものであって,本人を代理するものではない。


【H05-05】 保証債務に関する次の記述中,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア 債権者が連帯保証人に債務の履行を請求した場合に,その連帯保証人は,まず主たる債務者に催告するよう請求することができる。
イ 買主の代金債務の連帯保証人は,買主の有する同時履行の抗弁権を行使することはできない。
ウ 主たる債務について違約金の定めがない場合に,保証債務について違約金を定めても無効である。
エ 保証人は,主たる債務者が債権者に対して有する債権を自働債権として相殺することができる。
オ 債権の譲渡がされた場合に,保証人に対して債権譲渡の通知をしても,譲受人は,主たる債務者に譲渡を対抗することができない。
1 アウ   2 アオ   3 イウ   4 イエ   5 エオ


【H05-06】 相殺に関する次の記述中,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア 消滅時効にかかった債権であっても,消滅前に相殺適状にあった場合には,債権者は,その債権を自働債権として相殺することができる。
イ 不法行為の加害者は,不法行為に基づく損害賠償請求権を受働債権として,自己の有する債権と相殺することはできない。
ウ 甲が乙の丙に対する債権を差し押さえた場合には,丙は乙に対する債権を差押え前に取得したときであっても,これを自働債権としてする相殺を甲に対抗することはできない。
エ 乙の債権者甲が,債権者代位権を行使して丙に対して請求してきた場合には,丙は,乙に対して有する債権を自働債権としてする相殺を甲に対抗することができる。
オ 弁済期の定めのない債権は自働債権として相殺することができるが,これを受働債権として直ちに相殺することはできない。
1 アイ   2 イウ   3 ウエ   4 ウオ   5 エオ


【H05-07】 委任に関する次の記述中,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア 受任者は,委任者のために受任者の名をもって取得した権利を委任者に移転しなければならない。
イ 委任事務を処理するにつき費用を必要とするときは,委任者は,受任者の請求により,その前払をしなければならない。
ウ 委任者は,いつでも委任契約を解除することができるが,受任者は,やむを得ない事由がなければ委任契約を解除することができない。
エ 受任者は,委任者の請求があるときは,いつでも委任事務の処理の状況を報告しなければならない。
オ 委任契約は,当事者の一方が相手方に対し法律行為をすることを約し,相手方がこれに報酬を与えることを約することによって,その効力を生ずる。
1 アイエ  2 アエオ  3 イウエ  4 イエオ  5 ウエオ


【H05-08】 甲所有の高価な壷の乙に対する売却に関する法律関係についての次の記述中,正しいものはどれか。
1 甲は,乙の詐欺により壷を売却したが,その数日後に詐欺を理由に売買契約を取り消した。その後,6年が経過した場合でも,甲は,乙に対して壷の返還を請求することができる。
2 甲は,未成年者であるが,親権者丙の同意を得ないで乙に壷を売却した場合には,甲は,成年者となる前は,丙の同意を得たときでも,売買契約を追認することができない。
3 甲は,禁治産者であるが,乙に壷を売却した。甲は,後見人丙の同意を得ていたから,その売買契約を取り消すことはできない。
4 甲は,未成年者であるが,親権者丙の同意を得ないで,乙に壷を売却した。その後,丙がその売買契約を追認したときは,当該売買契約は追認の時から有効となる。
5 甲は,準禁治産者であるが,保佐人丙の同意を得ないで,乙に壷を売却した。甲は,丙の同意がなければ,自ら売買契約を取り消すことはできない。


【H05-09】 動産の即時取得に関する次の記述中,判例の趣旨に照らし,正しいものはいくつあるか。
ア 道路運送車両法による登録を受けている自動車には,即時取得の規定の適用はない。
イ 他人の山林を自己の山林と誤信し,善意無過失でその山林の雑草木を伐採した者は,その伐採した雑草木を即時取得することができる。
ウ AがΒの無権代理人CからΒ所有の宝石を買い受けた場合に,Cの無権代理について善意無過失であるときは,その宝石を即時取得することができる。
エ Aは,自己所有の機械をΒに売却し,占有改定による方法で引き渡し,これをΒから借りて使用していたが,その後Aは,Β所有であることを秘して,その機械をCに売却し,占有改定による方法で引き渡した場合,Cが善意無過失であれば,Cはその機械を即時取得する。
オ 占有者が,占有物の上に行使する権利は,これを適法に有するものと推定されるので,即時取得を主張する者は,無過失を立証する責任を負わない。
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【H05-10】 共有に関する次の記述中,判例の趣旨に照らし,正しいものはいくつあるか。
ア 共有物が侵害された場合の不法行為による損害賠償の請求については,各共有者が自己の持分に応じた金額についてのみ請求すべきであり,他の共有者の分も含めた全損害額の賠償を請求することはできない。
イ 各共有者は,その持分に応じて共有物の管理の費用を負担する。
ウ 共有地の不法占拠者に対する明渡請求は,共有者全員ですることを要し,各共有者が単独ですることはできない。
エ 共有物を目的とする賃貸借契約の解除の意思表示は,共有者全員ですることを要する。
オ 共有不動産について,真実の所有者でない者が登記簿上の所有権の登記名義人となっている場合に,その登記の抹消を請求するには,共有者全員ですることを要せず,各共有者が単独ですることができる。
カ 持分の過半数を有する共有者の賛成により共有物を他人に売却した場合には,その効果は,共有者全員に及ぶ。
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【H05-11】 甲が乙に対して贈与する場合の法律関係に関する次の記述中,判例の趣旨に照らし,正しいものはどれか。
1 既登記の建物を口頭によって贈与した場合,甲が乙に対し建物を引き渡したときであっても,所有権移転登記をするまでの間は,贈与を取り消すことができる。
2 死因贈与については,遺贈に関する規定が適用されるから,15歳に達した者が死因贈与をするには,法定代理人の同意は不要である。
3 定期の給付を目的とする贈与で期間の定めのあるものは,贈与者又は受贈者の死亡によって効力を失うことはない。
4 甲は,贈与に係る建物の瑕疵を知りながらこれを乙に告げなかった場合でも,乙に対して責任を負うことはない。
5 未登記の建物を口頭によって贈与した場合,甲が乙にその建物を引き渡したときは,贈与を取り消すことができない。


【H05-12】 抵当権の効力に関する次の記述中,判例の趣旨に照らし,誤っているものはいくつあるか。
ア 賃借地上の建物に設定された抵当権は,賃貸人の承諾のない限り,当該土地賃借権には及ばない。
イ 土地に設定された抵当権は,その設定前にその土地上にある石燈篭や取り外しのできる庭石には及ばない。
ウ 土地に設定された抵当権は,抵当権の実行における差押えの前後を問わず,その土地の天然果実には及ばない。
エ 建物に設定された抵当権は,抵当権の実行における差押えの前後を問わず,建物の賃借人の支払う賃料にも及ぶ。
オ 土地に設定された抵当権は,その土地の地上権者が植栽した樹木には及ばない。
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【H05-13】 Aが自己の荷物を運賃後払いで,運送業者Βに託して運送させたが,Aが運賃を支払おうとはしない事例について,学生が議論している。[  ]内に入る語句として,多く使用される順に二つの語句を選んでその個数を組み合わせた場合,その組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。
甲 「この場合,ΒはAに対して運送賃支払請求権を有するから,Aの荷物引渡請求に対して,Βは[  ]を主張することができます。」
乙 「Βには[  ]もあります。これと[  ]との違いは,従来は,例えば,Aが荷物をCに譲渡した場合,Cからの引渡請求に対し,Βは[  ]を主張して引渡しを拒絶することができるのに対して,[  ]を主張することはできない点にあるとされてきました。もっともこれに対しては,Βは[  ]についても,Cに対して主張することができると考えるべきだとする説も有力です。
 また,[  ]の場合には,競売権が認められており,それを行使して換金することもできます。」
甲 「ただ,[  ]には,[  ]がありませんので,競売権を行使したとしても,他の債権者に比して優位に立つというわけではありませんね。」
乙 「はい。しかし,本件では,Βは運送人として荷物に関して[  ]を有していますから,結局,運送費につき優先弁済権が認められそうですね。」
1 4個と4個 2 5個と3個 3 5個と4個 4 5個と2個 5 6個と2個


【H05-14】 AはΒに対する債務の担保として,カメラを質入れしようとしている。この場合における法律関係に関する次の記述中,判例の趣旨に照らし,誤っているものはいくつあるか。
ア Βが占有改定によるカメラの引渡しを受けただけでは,質権設定の効力は生じない。
イ AがC所有のカメラをCに無断で質入れした場合,善意無過失のΒは,善意取得によって保護される。
ウ Βが質権設定を受けた後,カメラを駅に置き忘れ,Dがこれを拾得した場合,ΒはDに対して,質権に基づきカメラの返還請求をすることができる。
エ ウの場合において,Βは,Dに対して,占有回収の訴えによってもカメラの返還を請求することができる。
オ ウの場合において,Dがカメラの上のAの名前を見て,Aのもとにカメラを届けたときは,Βは,Aに対して,質権に基づきカメラの返還請求をすることができる。
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【H05-15】 根抵当権に関する次の記述中,誤っているのはいくつあるか。
ア 債権者A,Βが,C所有の不動産について1個の根抵当権を設定する場合に,Aについては甲との間の銀行取引から生ずる債権を担保するものとし,Βについては乙との間の売買取引から生ずる債権を担保するものとすることは可能である。
イ PQ間の売買取引によって生ずるPのQに対する債権を担保するため,Q所有の不動産上に根抵当権が設定されている。この場合,元本確定前に甲がQの債務を第三者弁済したときは,甲は,PのQに対する債権を代位により取得するが,根抵当権を代位により取得することはできない。
ウ 共同根抵当は,設定と同時に,その旨の登記がなされなければ成立しない。
エ 根抵当権設定時に,根抵当権の担保すべき元本の確定期日を定める必要はないが,仮に定めた場合には,この確定期日が到来するまでは,根抵当権を実行することができない。
オ X会社が売買取引に基づいてY会社に対して取得する債権を担保するため,乙所有の不動産上に根抵当権が設定されている場合に,X会社が甲会社に吸収合併された。この場合において,合併前に甲会社がY会社に対して取得した債権は,当然には根抵当権によって担保されない。
1 1    2 2    3 3    4 4    5 5


【H05-16】 所有権の範囲及び限界に関する次の記述中,判例の趣旨に照らし,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア 相隣者間で境界を定めた場合には,これによって土地の境界が変動するから,その定めにより境界を確定することができる。
イ 隣地の竹木の枝が境界線を越えたときは,その枝を採取することができる。
ウ 土地の所有者が1筆の土地全部を同時に分筆の上,数人に譲渡し,そのため袋地を生じた場合であっても,その後分筆に係る囲繞地が第三者に譲渡されたときは,袋地の取得者は,分筆前1筆であった土地以外の土地についても囲繞地通行権を主張し得る。
エ 袋地の所有権の取得者は,その登記を経由していなくても,囲繞地の所有者及びその利用権者に対して,囲繞地通行権を主張することができる。
オ 土地の所有者は,境界において建物を修繕するため,必要な範囲内で隣地の使用を請求することができる。
1 アイウ  2 アウエ  3 アウオ  4 イウエ  5 ウエオ


【H05-17】 占有権に関する次の記述中,判例の趣旨に照らし,正しいものはどれか。
1 被相続人所有の家屋を相続人中の一人が占有している場合において,被相続人が死亡したときは,当該相続人のみが,その家屋の占有権を取得する。
2 法人の代表者が,その業務上占有する物品の占有を奪われた場合には,当該代表者は,法人の占有代理人として,自己の名において占有回収の訴えを提起することができる。
3 果実を取得する権利を有しない悪意の占有者は,その占有物の侵奪者に対して占有の侵奪によって生じた損害の賠償を請求することはできない。
4 占有代理人である賃借人が,他人に任意に物の占有を移転した場合には,たとえその移転が他人の欺罔に基づいてなされたときであっても,賃貸人は占有回収の訴えにより物の返還を請求することができない。
5 建物の直接占有者である賃借人が,間接占有者である賃貸人の建物への立入りを拒んだときは,賃貸人は,当該建物に対する間接占有を侵害されたものとして,占有回収の訴えを提起することができる。


【H05-18】 A男とΒ女は,結婚式を挙げて既に数年間夫婦生活をしているが,まだ婚姻の届出をしていない。この場合に関する次の記述中,誤っているものはどれか。
1 AΒ間に婚姻の届出をする旨の合意があるのに,Aがこれに応じない場合であっても,ΒはAに対して婚姻の届出を請求し,その履行を強制することはできない。
2 Aの母Cが,AΒと同居しているものとした場合において,CがΒにいやがらせをし,Aも特にこれを止めなかったために,その内縁関係が破綻したときは,Βは,A及びCに対して連帯して損害賠償すべき旨を請求することができる。
3 AがΒと共同生活を営むため,自己の名義でDから建物を賃借している場合において,Aがその賃料の支払を怠っていても,Dは,Βに対してその支払を請求することはできない。
4 Aが死亡し,その相続人がないものとした場合,ΒはAと生計を同じくしていた者として,Aの相続財産を取得できる場合がある。
5 AΒが内縁関係を解消することに合意したが,財産の分与に関する協議が成立しない場合,Βは,家庭裁判所に対し,協議に代わる処分を求めることができる。


【H05-19】 Aが甲男と乙女の間の子である場合に関する次の記述中,誤っているものはいくつあるか。
ア Aの出生後に,甲乙の婚姻が成立したが,その後甲乙が離婚し,その離婚後に,甲がAを認知しても,Aは,嫡出子たる身分を取得しない。
イ Aが甲乙の婚姻成立の日から200日以内に出生した場合は,甲乙間に内縁関係が先行しており,その成立の日から200日後に出生したものであるときに限り,Aは嫡出子たる身分を取得する。
ウ Aが甲乙の婚姻成立日から200日後に出生した場合であっても,Aの出生後に,甲乙の婚姻が解消されたときは,Aは嫡出子たる身分を失う。
エ Aが甲乙の婚姻成立の日から200日後に出生した場合であっても,乙が前に丙男と婚姻しており,その婚姻解消の日から300日以内に出生したものであるときは,甲A間の父子関係の確定は,父を定める訴えによる。
オ Aが甲乙の婚姻中に懐胎されたが,その婚姻解消の日から301日目に出生した場合には,甲の認知によってのみ,甲A間の法律上の父子関係が成立する。
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【H05-20】 特定遺贈を受けた相続人と,相続分の指定を受けた相続人の地位の異同に関する次の記述中,誤っているものはどれか。
1 特定遺贈を受けた相続人も,相続分の指定を受けた相続人も,遺贈又は指定された相続分が他の相続人の遺留分を侵害する場合には,その相続人による遺留分減殺請求に服する。
2 特定遺贈を受けた相続人は,遺贈を受けた財産の価額が法定相続分を下回っている場合は,法定相続分に達するまで他の相続財産を取得することができるが,相続分の指定を受けた相続人は,法定相続分を下回っても,自己の遺留分を侵害されない限り,指定された割合に従って相続財産を取得できるにとどまる。
3 特定遺贈を受けた相続人も,相続分の指定を受けた相続人も,当該遺贈又は相続を放棄することができる。
4 他の相続人が相続を放棄した場合,特定遺贈を受けた相続人の法定相続分は増加するが,相続分の指定を受けた相続人の指定相続分には変更を生じない。
5 特定遺贈を受けた相続人は,その遺贈価額が全相続財産中に占める割合に応じて相続債務を承継し,相続分の指定を受けた相続人は,指定された割合に応じて相続債務を承継する。


【H05-21】 次の文中の(  )内には,三つの語句のうちいずれかが当てはまるものとして,( A )に当てはまる語句が使用される回数は,( A )自体を含めて何回か。
 「民法が定める相続回復請求の制度は,(  )が(  )の(  )を否定し相続の目的たる権利を侵害している場合に,(  )が自己の(  )を主張して,(  )に対し侵害の排除を請求することにより,(  )に(  )を回復させようとするものである。そして,民法が相続回復請求権について消滅時効を定めたのは,( A )が外見上相続により相続財産を取得したような事実状態を生じたのち相当年月を経てからこの事実状態を覆滅して,(  )に(  )を回復させることにより,当事者又は第三者の権利義務関係に混乱を生じさせることのないよう,(  )の帰属及びこれに伴う法律関係を早期にかつ終局的に確定させようという趣旨に出たものである。」
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【H05-22】 甲が死亡し,その子A,Β及びCに相続が開始した。この場合に関する次の記述中,誤っているものはいくつあるか。
ア 甲が遺言により,相続人AΒCによる相続の放棄を禁止したときは,相続人AΒCは,相続を放棄することはできない。
イ Aが自己のために相続が開始したのを知った時から3か月が経過したときは,Β及びCは,自己のために相続が開始したことを知らなくても,相続を放棄することはできない。
ウ A及びΒが相続の単純承認をした後であっても,Cのみで限定承認することができる。
エ CがAの詐欺により相続放棄の意思表示をしたときは,Cは家庭裁判所に申述することによって,その放棄を取り消すことができる。
オ Aが相続の承認又は放棄をせずに死亡した場合,Aの相続人Xは,A−X間の相続を放棄し,甲−A間の相続を承認することができる。
カ Βは自己のために相続が開始したことを知りながら,相続財産に属する建物に放火して焼失させた場合,Βは,相続を単純承認したものとみなされる。
キ Cはいったん相続を放棄した場合でも,自己のために相続が開始したことを知った時から3か月以内であれば,放棄を撤回しあらためて相続の承認をすることができる。
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