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特定商取引に関する法律
(昭和五十一年六月四日法律第五十七号)
最終改正:平成一八年六月二日法律第五〇号
(最終改正までの未施行法令)
平成十八年六月二日法律第五十号 (未施行)
第一章 総則(第一条)
第二章 訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売
第一節 定義(第二条)
第二節 訪問販売(第三条―第十条)
第三節 通信販売(第十一条―第十五条)
第四節 電話勧誘販売(第十六条―第二十五条)
第五節 雑則(第二十六条―第三十二条)
第三章 連鎖販売取引(第三十三条―第四十条の三)
第四章 特定継続的役務提供(第四十一条―第五十条)
第五章 業務提供誘引販売取引(第五十一条―第五十八条の三)
第六章 雑則(第五十九条―第六十九条)
第七章 罰則(第七十条―第七十五条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、特定商取引(訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売に係る取引、連鎖販売取引、特定継続的役務提供に係る取引並びに業務提供誘引販売取引をいう。以下同じ。)を公正にし、及び購入者等が受けることのある損害の防止を図ることにより、購入者等の利益を保護し、あわせて商品等の流通及び役務の提供を適正かつ円滑にし、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
第二章 訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売
第一節 定義
(定義)
第二条 この章において「訪問販売」とは、次に掲げるものをいう。
一 販売業者又は役務の提供の事業を営む者(以下「役務提供事業者」という。)が営業所、代理店その他の経済産業省令で定める場所(以下「営業所等」という。)以外の場所において、売買契約の申込みを受け、若しくは売買契約を締結して行う指定商品若しくは指定権利の販売又は役務を有償で提供する契約(以下「役務提供契約」という。)の申込みを受け、若しくは役務提供契約を締結して行う指定役務の提供
二 販売業者又は役務提供事業者が、営業所等において、営業所等以外の場所において呼び止めて営業所等に同行させた者その他政令で定める方法により誘引した者(以下「特定顧客」という。)から売買契約の申込みを受け、若しくは特定顧客と売買契約を締結して行う指定商品若しくは指定権利の販売又は特定顧客から役務提供契約の申込みを受け、若しくは特定顧客と役務提供契約を締結して行う指定役務の提供
2 この章及び第六十六条第三項において「通信販売」とは、販売業者又は役務提供事業者が郵便その他の経済産業省令で定める方法(以下「郵便等」という。)により売買契約又は役務提供契約の申込みを受けて行う指定商品若しくは指定権利の販売又は指定役務の提供であつて電話勧誘販売に該当しないものをいう。
3 この章において「電話勧誘販売」とは、販売業者又は役務提供事業者が、電話をかけ又は政令で定める方法により電話をかけさせ、その電話において行う売買契約又は役務提供契約の締結についての勧誘(以下「電話勧誘行為」という。)により、その相手方(以下「電話勧誘顧客」という。)から当該売買契約の申込みを郵便等により受け、若しくは電話勧誘顧客と当該売買契約を郵便等により締結して行う指定商品若しくは指定権利の販売又は電話勧誘顧客から当該役務提供契約の申込みを郵便等により受け、若しくは電話勧誘顧客と当該役務提供契約を郵便等により締結して行う指定役務の提供をいう。
4 この章及び第六十七条第一項において「指定商品」とは、国民の日常生活に係る取引において販売される物品であつて政令で定めるものをいい、「指定権利」とは、施設を利用し又は役務の提供を受ける権利のうち国民の日常生活に係る取引において販売されるものであつて政令で定めるものをいい、「指定役務」とは、国民の日常生活に係る取引において有償で提供される役務であつて政令で定めるものをいう。
第二節 訪問販売
(訪問販売における氏名等の明示)
第三条 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売をしようとするときは、その勧誘に先立つて、その相手方に対し、販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称、売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る商品若しくは権利又は役務の種類を明らかにしなければならない。
(訪問販売における書面の交付)
第四条 販売業者又は役務提供事業者は、営業所等以外の場所において指定商品若しくは指定権利につき売買契約の申込みを受け、若しくは指定役務につき役務提供契約の申込みを受けたとき又は営業所等において特定顧客から指定商品若しくは指定権利につき売買契約の申込みを受け、若しくは指定役務につき役務提供契約の申込みを受けたときは、直ちに、経済産業省令で定めるところにより、次の事項についてその申込みの内容を記載した書面をその申込みをした者に交付しなければならない。ただし、その申込みを受けた際その売買契約又は役務提供契約を締結した場合においては、この限りでない。
一 商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価
二 商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
三 商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
四 第九条第一項の規定による売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又は売買契約若しくは役務提供契約の解除に関する事項(同条第二項から第七項までの規定に関する事項を含む。)
五 前各号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める事項
第五条 販売業者又は役務提供事業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、次項に規定する場合を除き、遅滞なく(前条ただし書に規定する場合に該当するときは、直ちに)、経済産業省令で定めるところにより、同条各号の事項(同条第四号の事項については、売買契約又は役務提供契約の解除に関する事項に限る。)についてその売買契約又は役務提供契約の内容を明らかにする書面を購入者又は役務の提供を受ける者に交付しなければならない。
一 営業所等以外の場所において、指定商品若しくは指定権利につき売買契約を締結したとき又は指定役務につき役務提供契約を締結したとき(営業所等において特定顧客以外の顧客から申込みを受け、営業所等以外の場所において売買契約又は役務提供契約を締結したときを除く。)。
二 営業所等以外の場所において指定商品若しくは指定権利又は指定役務につき売買契約又は役務提供契約の申込みを受け、営業所等においてその売買契約又は役務提供契約を締結したとき。
三 営業所等において、特定顧客と指定商品若しくは指定権利につき売買契約を締結したとき又は指定役務につき役務提供契約を締結したとき。
2 販売業者又は役務提供事業者は、前項各号のいずれかに該当する場合において、その売買契約又は役務提供契約を締結した際に、指定商品を引き渡し、若しくは指定権利を移転し、又は指定役務を提供し、かつ、指定商品若しくは指定権利の代金又は指定役務の対価の全部を受領したときは、直ちに、経済産業省令で定めるところにより、前条第一号の事項及び同条第四号の事項のうち売買契約又は役務提供契約の解除に関する事項その他経済産業省令で定める事項を記載した書面を購入者又は役務の提供を受ける者に交付しなければならない。
(禁止行為)
第六条 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、次の事項につき、不実のことを告げる行為をしてはならない。
一 商品の種類及びその性能若しくは品質又は権利若しくは役務の種類及びこれらの内容その他これらに類するものとして経済産業省令で定める事項
二 商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価
三 商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
四 商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
五 当該売買契約若しくは当該役務提供契約の申込みの撤回又は当該売買契約若しくは当該役務提供契約の解除に関する事項(第九条第一項から第七項までの規定に関する事項を含む。)
六 顧客が当該売買契約又は当該役務提供契約の締結を必要とする事情に関する事項
七 前各号に掲げるもののほか、当該売買契約又は当該役務提供契約に関する事項であつて、顧客又は購入者若しくは役務の提供を受ける者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの
2 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、前項第一号から第五号までに掲げる事項につき、故意に事実を告げない行為をしてはならない。
3 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約を締結させ、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、人を威迫して困惑させてはならない。
4 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げずに営業所等以外の場所において呼び止めて同行させることその他政令で定める方法により誘引した者に対し、公衆の出入りする場所以外の場所において、当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について勧誘をしてはならない。
(合理的な根拠を示す資料の提出)
第六条の二 主務大臣は、前条第一項第一号に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該販売業者又は当該役務提供事業者に対し、期間を定めて、当該告げた事項の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該販売業者又は当該役務提供事業者が当該資料を提出しないときは、次条及び第八条第一項の規定の適用については、当該販売業者又は当該役務提供事業者は、同号に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたものとみなす。
(指示)
第七条 主務大臣は、販売業者又は役務提供事業者が第三条から第六条までの規定に違反し、又は次に掲げる行為をした場合において、訪問販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
一 訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約に基づく債務又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の解除によつて生ずる債務の全部又は一部の履行を拒否し、又は不当に遅延させること。
二 訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、当該売買契約又は当該役務提供契約に関する事項であつて、顧客又は購入者若しくは役務の提供を受ける者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの(第六条第一項第一号から第五号までに掲げるものを除く。)につき、故意に事実を告げないこと。
三 前二号に掲げるもののほか、訪問販売に関する行為であつて、訪問販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益を害するおそれがあるものとして経済産業省令で定めるもの。
(業務の停止等)
第八条 主務大臣は、販売業者若しくは役務提供事業者が第三条から第六条までの規定に違反し若しくは前条各号に掲げる行為をした場合において訪問販売に係る取引の公正及び購入者若しくは役務の提供を受ける者の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき、又は販売業者若しくは役務提供事業者が同条の規定による指示に従わないときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、一年以内の期間を限り、訪問販売に関する業務の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる。
2 主務大臣は、前項の規定による命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。
(訪問販売における契約の申込みの撤回等)
第九条 販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等以外の場所において指定商品(その販売条件についての交渉が販売業者と購入者との間で相当の期間にわたり行われることが通常の取引の態様である商品として政令で定める指定商品を除く。以下この項において同じ。)若しくは指定権利若しくは指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約の申込みを受けた場合若しくは販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等において特定顧客から指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約の申込みを受けた場合におけるその申込みをした者又は販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等以外の場所において指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約を締結した場合(営業所等において申込みを受け、営業所等以外の場所において売買契約又は役務提供契約を締結した場合を除く。)若しくは販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等において特定顧客と指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約を締結した場合におけるその購入者若しくは役務の提供を受ける者(以下この条及び次条において「申込者等」という。)は、次に掲げる場合を除き、書面によりその売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又はその売買契約若しくは役務提供契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。
一 申込者等が第五条の書面を受領した日(その日前に第四条の書面を受領した場合にあつては、その書面を受領した日)から起算して八日を経過したとき。ただし、申込者等が、販売業者若しくは役務提供事業者が第六条第一項の規定に違反して申込みの撤回等に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は販売業者若しくは役務提供事業者が同条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでに申込みの撤回等を行わなかつた場合には、当該申込者等が、当該販売業者又は当該役務提供事業者が経済産業省令で定めるところにより当該売買契約又は当該役務提供契約の申込みの撤回等を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過したとき。
二 申込者等が第四条又は第五条の書面を受領した場合において、指定商品でその使用若しくは一部の消費により価額が著しく減少するおそれがある商品として政令で定めるものを使用し又はその全部若しくは一部を消費したとき(当該販売業者が当該申込者等に当該商品を使用させ、又はその全部若しくは一部を消費させた場合を除く。)。
三 第五条第二項に規定する場合において、当該売買契約に係る指定商品若しくは指定権利の代金又は当該役務提供契約に係る指定役務の対価の総額が政令で定める金額に満たないとき。
2 申込みの撤回等は、当該申込みの撤回等に係る書面を発した時に、その効力を生ずる。
3 申込みの撤回等があつた場合においては、販売業者又は役務提供事業者は、その申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
4 申込みの撤回等があつた場合において、その売買契約に係る商品の引渡し又は権利の移転が既にされているときは、その引取り又は返還に要する費用は、販売業者の負担とする。
5 役務提供事業者又は指定権利の販売業者は、役務提供契約又は指定権利の売買契約につき申込みの撤回等があつた場合には、既に当該役務提供契約に基づき役務が提供され又は当該権利の行使により施設が利用され若しくは役務が提供されたときにおいても、申込者等に対し、当該役務提供契約に係る役務の対価その他の金銭又は当該権利の行使により得られた利益に相当する金銭の支払を請求することができない。
6 役務提供事業者は、役務提供契約につき申込みの撤回等があつた場合において、当該役務提供契約に関連して金銭を受領しているときは、申込者等に対し、速やかに、これを返還しなければならない。
7 役務提供契約又は指定権利の売買契約の申込者等は、その役務提供契約又は売買契約につき申込みの撤回等を行つた場合において、当該役務提供契約又は当該指定権利に係る役務の提供に伴い申込者等の土地又は建物その他の工作物の現状が変更されたときは、当該役務提供事業者又は当該指定権利の販売業者に対し、その原状回復に必要な措置を無償で講ずることを請求することができる。
8 前各項の規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。
(訪問販売における契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)
第九条の二 申込者等は、販売業者又は役務提供事業者が訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするに際し次の各号に掲げる行為をしたことにより、当該各号に定める誤認をし、それによつて当該売買契約若しくは当該役務提供契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
一 第六条第一項の規定に違反して不実のことを告げる行為 当該告げられた内容が事実であるとの誤認
二 第六条第二項の規定に違反して故意に事実を告げない行為 当該事実が存在しないとの誤認
2 前項の規定による訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消しは、これをもつて善意の第三者に対抗することができない。
3 第一項の規定は、同項に規定する訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込み又はその承諾の意思表示に対する民法(明治二十九年法律第八十九号)第九十六条の規定の適用を妨げるものと解してはならない。
4 第一項の規定による取消権は、追認をすることができる時から六月間行わないときは、時効によつて消滅する。当該売買契約又は当該役務提供契約の締結の時から五年を経過したときも、同様とする。
(訪問販売における契約の解除等に伴う損害賠償等の額の制限)
第十条 販売業者又は役務提供事業者は、第五条第一項各号のいずれかに該当する売買契約又は役務提供契約の締結をした場合において、その売買契約又はその役務提供契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を購入者又は役務の提供を受ける者に対して請求することができない。
一 当該商品又は当該権利が返還された場合 当該商品の通常の使用料の額又は当該権利の行使により通常得られる利益に相当する額(当該商品又は当該権利の販売価格に相当する額から当該商品又は当該権利の返還された時における価額を控除した額が通常の使用料の額又は当該権利の行使により通常得られる利益に相当する額を超えるときは、その額)
二 当該商品又は当該権利が返還されない場合 当該商品又は当該権利の販売価格に相当する額
三 当該役務提供契約の解除が当該役務の提供の開始後である場合 提供された当該役務の対価に相当する額
四 当該契約の解除が当該商品の引渡し若しくは当該権利の移転又は当該役務の提供の開始前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額
2 販売業者又は役務提供事業者は、第五条第一項各号のいずれかに該当する売買契約又は役務提供契約の締結をした場合において、その売買契約についての代金又はその役務提供契約についての対価の全部又は一部の支払の義務が履行されない場合(売買契約又は役務提供契約が解除された場合を除く。)には、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、当該商品若しくは当該権利の販売価格又は当該役務の対価に相当する額から既に支払われた当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の額を控除した額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を購入者又は役務の提供を受ける者に対して請求することができない。
第三節 通信販売
(通信販売についての広告)
第十一条 販売業者又は役務提供事業者は、通信販売をする場合の指定商品若しくは指定権利の販売条件又は指定役務の提供条件について広告をするときは、経済産業省令で定めるところにより、当該広告に、当該商品若しくは当該権利又は当該役務に関する次の事項を表示しなければならない。ただし、当該広告に、請求により、これらの事項を記載した書面を遅滞なく交付し、又はこれらの事項を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)を遅滞なく提供する旨の表示をする場合には、販売業者又は役務提供事業者は、経済産業省令で定めるところにより、これらの事項の一部を表示しないことができる。
一 商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価(販売価格に商品の送料が含まれない場合には、販売価格及び商品の送料)
二 商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
三 商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
四 商品の引渡し又は権利の移転後におけるその引取り又は返還についての特約に関する事項(その特約がない場合には、その旨)
五 前各号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める事項
2 前項各号に掲げる事項のほか、販売業者又は役務提供事業者は、通信販売をする場合の指定商品若しくは指定権利の販売条件又は指定役務の提供条件について電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて経済産業省令で定めるものをいう。以下同じ。)により広告をするとき(その相手方の求めに応じて広告をするとき、その他の経済産業省令で定めるときを除く。)は、経済産業省令で定めるところにより、当該広告に、その相手方が当該広告に係る販売業者又は役務提供事業者から電磁的方法による広告の提供を受けることを希望しない旨の意思を表示するための方法を表示しなければならない。
(誇大広告等の禁止)
第十二条 販売業者又は役務提供事業者は、通信販売をする場合の指定商品若しくは指定権利の販売条件又は指定役務の提供条件について広告をするときは、当該商品の性能又は当該権利若しくは当該役務の内容、当該商品の引渡し又は当該権利の移転後におけるその引取り又はその返還についての特約その他の経済産業省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。
(合理的な根拠を示す資料の提出)
第十二条の二 主務大臣は、前条に規定する表示に該当するか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該表示をした販売業者又は役務提供事業者に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該販売業者又は当該役務提供事業者が当該資料を提出しないときは、第十四条及び第十五条第一項の規定の適用については、当該表示は、前条に規定する表示に該当するものとみなす。
(電磁的方法による広告の提供を受けることを希望しない旨の意思の表示を受けている者に対する提供の禁止)
第十二条の三 販売業者又は役務提供事業者は、通信販売をする場合の指定商品若しくは指定権利の販売条件又は指定役務の提供条件について電磁的方法により広告をする場合において、その相手方から第十一条第二項の規定により電磁的方法による広告の提供を受けることを希望しない旨の意思の表示を受けているときは、その者に対し、電磁的方法による広告の提供を行つてはならない。
(通信販売における承諾等の通知)
第十三条 販売業者又は役務提供事業者は、指定商品若しくは指定権利又は指定役務につき売買契約又は役務提供契約の申込みをした者から当該商品の引渡し若しくは当該権利の移転又は当該役務の提供に先立つて当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の全部又は一部を受領することとする通信販売をする場合において、郵便等により当該商品若しくは当該権利又は当該役務につき売買契約又は役務提供契約の申込みを受け、かつ、当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の全部又は一部を受領したときは、遅滞なく、経済産業省令で定めるところにより、その申込みを承諾する旨又は承諾しない旨(その受領前にその申込みを承諾する旨又は承諾しない旨をその申込みをした者に通知している場合には、その旨)その他の経済産業省令で定める事項をその者に書面により通知しなければならない。ただし、当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の全部又は一部を受領した後遅滞なく当該商品を送付し、若しくは当該権利を移転し、又は当該役務を提供したときは、この限りでない。
2 販売業者又は役務提供事業者は、前項本文の規定による書面による通知に代えて、政令で定めるところにより、当該申込みをした者の承諾を得て、当該通知すべき事項を電磁的方法その他の経済産業省令で定める方法により提供することができる。この場合において、当該販売業者又は役務提供事業者は、当該書面による通知をしたものとみなす。
(指示)
第十四条 主務大臣は、販売業者又は役務提供事業者が第十一条、第十二条、第十二条の三若しくは前条第一項の規定に違反し、又は顧客の意に反して売買契約若しくは役務提供契約の申込みをさせようとする行為として経済産業省令で定めるものをした場合において、通信販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
(業務の停止等)
第十五条 主務大臣は、販売業者若しくは役務提供事業者が第十一条、第十二条、第十二条の三若しくは第十三条第一項の規定に違反した場合において通信販売に係る取引の公正及び購入者若しくは役務の提供を受ける者の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき、又は販売業者若しくは役務提供事業者が前条の規定による指示に従わないときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、一年以内の期間を限り、通信販売に関する業務の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる。
2 主務大臣は、前項の規定による命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。
第四節 電話勧誘販売
(電話勧誘販売における氏名等の明示)
第十六条 販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売をしようとするときは、その勧誘に先立つて、その相手方に対し、販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称及びその勧誘を行う者の氏名並びに商品若しくは権利又は役務の種類並びにその電話が売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げなければならない。
(契約を締結しない旨の意思を表示した者に対する勧誘の禁止)
第十七条 販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売に係る売買契約又は役務提供契約を締結しない旨の意思を表示した者に対し、当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について勧誘をしてはならない。
(電話勧誘販売における書面の交付)
第十八条 販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘行為により、電話勧誘顧客から指定商品若しくは指定権利につき当該売買契約の申込みを郵便等により受け、又は指定役務につき当該役務提供契約の申込みを郵便等により受けたときは、遅滞なく、経済産業省令で定めるところにより、次の事項についてその申込みの内容を記載した書面をその申込みをした者に交付しなければならない。ただし、その申込みを受けた際その売買契約又は役務提供契約を締結した場合においては、この限りでない。
一 商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価
二 商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
三 商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
四 第二十四条第一項の規定による売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又は売買契約若しくは役務提供契約の解除に関する事項(同条第二項から第七項までの規定に関する事項を含む。)
五 前各号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める事項
第十九条 販売業者又は役務提供事業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、次項に規定する場合を除き、遅滞なく、経済産業省令で定めるところにより、前条各号の事項(同条第四号の事項については、売買契約又は役務提供契約の解除に関する事項に限る。)についてその売買契約又は役務提供契約の内容を明らかにする書面を購入者又は役務の提供を受ける者に交付しなければならない。
一 電話勧誘行為により、電話勧誘顧客と指定商品若しくは指定権利につき当該売買契約を郵便等により締結したとき又は指定役務につき当該役務提供契約を郵便等により締結したとき。
二 電話勧誘行為により電話勧誘顧客から指定商品若しくは指定権利又は指定役務につき当該売買契約又は当該役務提供契約の申込みを郵便等により受け、その売買契約又は役務提供契約を締結したとき。
2 販売業者又は役務提供事業者は、前項第二号に該当する場合において、その売買契約又は役務提供契約を締結した際に、指定商品を引き渡し、若しくは指定権利を移転し、又は指定役務を提供し、かつ、指定商品若しくは指定権利の代金又は指定役務の対価の全部を受領したときは、直ちに、経済産業省令で定めるところにより、前条第一号の事項及び同条第四号の事項のうち売買契約又は役務提供契約の解除に関する事項その他経済産業省令で定める事項を記載した書面を購入者又は役務の提供を受ける者に交付しなければならない。
(電話勧誘販売における承諾等の通知)
第二十条 販売業者又は役務提供事業者は、指定商品若しくは指定権利又は指定役務につき売買契約又は役務提供契約の申込みをした者から当該商品の引渡し若しくは当該権利の移転又は当該役務の提供に先立つて当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の全部又は一部を受領することとする電話勧誘販売をする場合において、郵便等により当該商品若しくは当該権利又は当該役務につき売買契約又は役務提供契約の申込みを受け、かつ、当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の全部又は一部を受領したときは、遅滞なく、経済産業省令で定めるところにより、その申込みを承諾する旨又は承諾しない旨(その受領前にその申込みを承諾する旨又は承諾しない旨をその申込みをした者に通知している場合には、その旨)その他の経済産業省令で定める事項をその者に書面により通知しなければならない。ただし、当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の全部又は一部を受領した後遅滞なく当該商品を送付し、若しくは当該権利を移転し、又は当該役務を提供したときは、この限りでない。
(禁止行為)
第二十一条 販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、又は電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、次の事項につき、不実のことを告げる行為をしてはならない。
一 商品の種類及びその性能若しくは品質又は権利若しくは役務の種類及びこれらの内容その他これらに類するものとして経済産業省令で定める事項
二 商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価
三 商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
四 商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
五 当該売買契約若しくは当該役務提供契約の申込みの撤回又は当該売買契約若しくは当該役務提供契約の解除に関する事項(第二十四条第一項から第七項までの規定に関する事項を含む。)
六 電話勧誘顧客が当該売買契約又は当該役務提供契約の締結を必要とする事情に関する事項
七 前各号に掲げるもののほか、当該売買契約又は当該役務提供契約に関する事項であつて、電話勧誘顧客又は購入者若しくは役務の提供を受ける者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの
2 販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売に係る売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、前項第一号から第五号までに掲げる事項につき、故意に事実を告げない行為をしてはならない。
3 販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約を締結させ、又は電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、人を威迫して困惑させてはならない。
(合理的な根拠を示す資料の提出)
第二十一条の二 主務大臣は、前条第一項第一号に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該販売業者又は当該役務提供事業者に対し、期間を定めて、当該告げた事項の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該販売業者又は当該役務提供事業者が当該資料を提出しないときは、次条及び第二十三条第一項の規定の適用については、当該販売業者又は当該役務提供事業者は、同号に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたものとみなす。
(指示)
第二十二条 主務大臣は、販売業者又は役務提供事業者が第十六条から第二十一条までの規定に違反し、又は次に掲げる行為をした場合において、電話勧誘販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
一 電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約に基づく債務又は電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の解除によつて生ずる債務の全部又は一部の履行を拒否し、又は不当に遅延させること。
二 電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、又は電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、当該売買契約又は当該役務提供契約に関する事項であつて、電話勧誘顧客又は購入者若しくは役務の提供を受ける者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの(第二十一条第一項第一号から第五号までに掲げるものを除く。)につき、故意に事実を告げないこと。
三 前二号に掲げるもののほか、電話勧誘販売に関する行為であつて、電話勧誘販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益を害するおそれがあるものとして経済産業省令で定めるもの。
(業務の停止等)
第二十三条 主務大臣は、販売業者若しくは役務提供事業者が第十六条から第二十一条までの規定に違反し若しくは前条各号に掲げる行為をした場合において電話勧誘販売に係る取引の公正及び購入者若しくは役務の提供を受ける者の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき、又は販売業者若しくは役務提供事業者が同条の規定による指示に従わないときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、一年以内の期間を限り、電話勧誘販売に関する業務の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる。
2 主務大臣は、前項の規定による命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。
(電話勧誘販売における契約の申込みの撤回等)
第二十四条 販売業者若しくは役務提供事業者が電話勧誘行為により電話勧誘顧客から指定商品(その販売条件についての交渉が販売業者と購入者との間で相当の期間にわたり行われることが通常の取引の態様である商品として政令で定める指定商品を除く。以下この項において同じ。)若しくは指定権利若しくは指定役務につき当該売買契約若しくは当該役務提供契約の申込みを郵便等により受けた場合におけるその申込みをした者又は販売業者若しくは役務提供事業者が電話勧誘行為により電話勧誘顧客と指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき当該売買契約若しくは当該役務提供契約を郵便等により締結した場合におけるその購入者若しくは役務の提供を受ける者(以下この条及び次条において「申込者等」という。)は、次に掲げる場合を除き、書面によりその売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又はその売買契約若しくは役務提供契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。
一 申込者等が第十九条の書面を受領した日(その日前に第十八条の書面を受領した場合にあつては、その書面を受領した日)から起算して八日を経過したとき。ただし、申込者等が、販売業者若しくは役務提供事業者が第二十一条第一項の規定に違反して申込みの撤回等に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は販売業者若しくは役務提供事業者が同条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでに申込みの撤回等を行わなかつた場合には、当該申込者等が、当該販売業者又は当該役務提供事業者が経済産業省令で定めるところにより当該売買契約又は当該役務提供契約の申込みの撤回等を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過したとき。
二 申込者等が第十八条又は第十九条の書面を受領した場合において、指定商品でその使用若しくは一部の消費により価額が著しく減少するおそれがある商品として政令で定めるものを使用し又はその全部若しくは一部を消費したとき(当該販売業者が当該申込者等に当該商品を使用させ、又はその全部若しくは一部を消費させた場合を除く。)。
三 第十九条第二項に規定する場合において、当該売買契約に係る指定商品若しくは指定権利の代金又は当該役務提供契約に係る指定役務の対価の総額が政令で定める金額に満たないとき。
2 申込みの撤回等は、当該申込みの撤回等に係る書面を発した時に、その効力を生ずる。
3 申込みの撤回等があつた場合においては、販売業者又は役務提供事業者は、その申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
4 申込みの撤回等があつた場合において、その売買契約に係る商品の引渡し又は権利の移転が既にされているときは、その引取り又は返還に要する費用は、販売業者の負担とする。
5 役務提供事業者又は指定権利の販売業者は、役務提供契約又は指定権利の売買契約につき申込みの撤回等があつた場合には、既に当該役務提供契約に基づき役務が提供され又は当該権利の行使により施設が利用され若しくは役務が提供されたときにおいても、申込者等に対し、当該役務提供契約に係る役務の対価その他の金銭又は当該権利の行使により得られた利益に相当する金銭の支払を請求することができない。
6 役務提供事業者は、役務提供契約につき申込みの撤回等があつた場合において、当該役務提供契約に関連して金銭を受領しているときは、申込者等に対し、速やかに、これを返還しなければならない。
7 役務提供契約又は指定権利の売買契約の申込者等は、その役務提供契約又は売買契約につき申込みの撤回等を行つた場合において、当該役務提供契約又は当該指定権利に係る役務の提供に伴い申込者等の土地又は建物その他の工作物の現状が変更されたときは、当該役務提供事業者又は当該指定権利の販売業者に対し、その原状回復に必要な措置を無償で講ずることを請求することができる。
8 前各項の規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。
(電話勧誘販売における契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)
第二十四条の二 申込者等は、販売業者又は役務提供事業者が電話勧誘販売に係る売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするに際し次の各号に掲げる行為をしたことにより、当該各号に定める誤認をし、それによつて当該売買契約若しくは当該役務提供契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
一 第二十一条第一項の規定に違反して不実のことを告げる行為 当該告げられた内容が事実であるとの誤認
二 第二十一条第二項の規定に違反して故意に事実を告げない行為 当該事実が存在しないとの誤認
2 第九条の二第二項から第四項までの規定は、前項の規定による電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消しについて準用する。
(電話勧誘販売における契約の解除等に伴う損害賠償等の額の制限)
第二十五条 販売業者又は役務提供事業者は、第十九条第一項各号のいずれかに該当する売買契約又は役務提供契約の締結をした場合において、その売買契約又はその役務提供契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を購入者又は役務の提供を受ける者に対して請求することができない。
一 当該商品又は当該権利が返還された場合 当該商品の通常の使用料の額又は当該権利の行使により通常得られる利益に相当する額(当該商品又は当該権利の販売価格に相当する額から当該商品又は当該権利の返還された時における価額を控除した額が通常の使用料の額又は当該権利の行使により通常得られる利益に相当する額を超えるときは、その額)
二 当該商品又は当該権利が返還されない場合 当該商品又は当該権利の販売価格に相当する額
三 当該役務提供契約の解除が当該役務の提供の開始後である場合 提供された当該役務の対価に相当する額
四 当該契約の解除が当該商品の引渡し若しくは当該権利の移転又は当該役務の提供の開始前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額
2 販売業者又は役務提供事業者は、第十九条第一項各号のいずれかに該当する売買契約又は役務提供契約の締結をした場合において、その売買契約についての代金又はその役務提供契約についての対価の全部又は一部の支払の義務が履行されない場合(売買契約又は役務提供契約が解除された場合を除く。)には、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、当該商品若しくは当該権利の販売価格又は当該役務の対価に相当する額から既に支払われた当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の額を控除した額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を購入者又は役務の提供を受ける者に対して請求することができない。
第五節 雑則
(適用除外)
第二十六条 前三節の規定は、次の販売又は役務の提供で訪問販売、通信販売又は電話勧誘販売に該当するものについては、適用しない。
一 売買契約又は役務提供契約で、その申込みをした者が営業のために若しくは営業として締結するもの又は購入者若しくは役務の提供を受ける者が営業のために若しくは営業として締結するものに係る販売又は役務の提供
二 本邦外に在る者に対する商品若しくは権利の販売又は役務の提供
三 国又は地方公共団体が行う販売又は役務の提供
四 次の団体がその直接又は間接の構成員に対して行う販売又は役務の提供(その団体が構成員以外の者にその事業又は施設を利用させることができる場合には、これらの者に対して行う販売又は役務の提供を含む。)
イ 特別の法律に基づいて設立された組合並びにその連合会及び中央会
ロ 国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百八条の二又は地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第五十二条の団体
ハ 労働組合
五 事業者がその従業者に対して行う販売又は役務の提供
2 第四条から第十条までの規定は、次の訪問販売については、適用しない。
一 その住居において売買契約若しくは役務提供契約の申込みをし又は売買契約若しくは役務提供契約を締結することを請求した者に対して行う訪問販売
二 販売業者又は役務提供事業者がその営業所等以外の場所において指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約の申込みを受け又は売買契約若しくは役務提供契約を締結することが通例であり、かつ、通常購入者又は役務の提供を受ける者の利益を損なうおそれがないと認められる取引の態様で政令で定めるものに該当する訪問販売
3 第十八条、第十九条及び第二十一条から前条までの規定は、次の電話勧誘販売については、適用しない。
一 売買契約若しくは役務提供契約の申込みをし又は売買契約若しくは役務提供契約を締結するために電話をかけることを請求した者(電話勧誘行為又は政令で定める行為によりこれを請求した者を除く。)に対して行う電話勧誘販売
二 販売業者又は役務提供事業者が電話勧誘行為により指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき当該売買契約若しくは当該役務提供契約の申込みを郵便等により受け又は当該売買契約若しくは当該役務提供契約を郵便等により締結することが通例であり、かつ、通常購入者又は役務の提供を受ける者の利益を損なうおそれがないと認められる取引の態様で政令で定めるものに該当する電話勧誘販売
4 第十条及び前条の規定は、割賦販売(割賦販売法(昭和三十六年法律第百五十九号)第二条第一項に規定する割賦販売をいう。以下同じ。)で訪問販売又は電話勧誘販売に該当するものについては、適用しない。
5 第十一条第一項及び第十三条の規定は、割賦販売等(割賦販売、割賦販売法第二条第二項に規定するローン提携販売又は同条第三項に規定する割賦購入あつせんに係る販売をいう。次項において同じ。)で通信販売に該当するものについては、適用しない。
6 第二十条の規定は、割賦販売等で電話勧誘販売に該当するものについては、適用しない。
(訪問販売協会)
第二十七条 訪問販売を業として営む者は、訪問販売に係る取引を公正にし、並びに購入者及び役務の提供を受ける者の利益を保護するとともに、訪問販売の事業の健全な発展に資することを目的として、訪問販売を業として営む者を会員とし、その名称中に訪問販売協会という文字を用いる民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定による法人を設立することができる。
(名称の使用制限)
第二十八条 前条に規定する法人(以下「訪問販売協会」という。)でない者は、その名称中に訪問販売協会という文字を用いてはならない。
2 訪問販売協会に加入していない者は、その名称中に訪問販売協会会員という文字を用いてはならない。
(苦情の解決)
第二十九条 訪問販売協会は、購入者又は役務の提供を受ける者等から会員の営む訪問販売の業務に関する苦情について解決の申出があつたときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、その苦情に係る事情を調査するとともに、当該会員に対しその苦情の内容を通知してその迅速な処理を求めなければならない。
2 訪問販売協会は、前項の申出に係る苦情の解決について必要があると認めるときは、当該会員に対し、文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出を求めることができる。
3 会員は、訪問販売協会から前項の規定による求めがあつたときは、正当な理由がないのに、これを拒んではならない。
4 訪問販売協会は、第一項の申出、当該苦情に係る事情及びその解決の結果について会員に周知させなければならない。
(通信販売協会)
第三十条 通信販売を業として営む者は、通信販売に係る取引を公正にし、並びに購入者及び役務の提供を受ける者の利益を保護するとともに、通信販売の事業の健全な発展に資することを目的として、通信販売を業として営む者を会員とし、その名称中に通信販売協会という文字を用いる民法第三十四条の規定による法人を設立することができる。
(名称の使用制限)
第三十一条 前条に規定する法人(以下「通信販売協会」という。)でない者は、その名称中に通信販売協会という文字を用いてはならない。
2 通信販売協会に加入していない者は、その名称中に通信販売協会会員という文字を用いてはならない。
(苦情の解決)
第三十二条 通信販売協会は、購入者又は役務の提供を受ける者等から会員の営む通信販売の業務に関する苦情について解決の申出があつたときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、その苦情に係る事情を調査するとともに、当該会員に対しその苦情の内容を通知してその迅速な処理を求めなければならない。
2 通信販売協会は、前項の申出に係る苦情の解決について必要があると認めるときは、当該会員に対し、文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出を求めることができる。
3 会員は、通信販売協会から前項の規定による求めがあつたときは、正当な理由がないのに、これを拒んではならない。
4 通信販売協会は、第一項の申出、当該苦情に係る事情及びその解決の結果について会員に周知させなければならない。
第三章 連鎖販売取引
(定義)
第三十三条 この章並びに第六十六条第一項及び第六十七条第一項において「連鎖販売業」とは、物品(施設を利用し又は役務の提供を受ける権利を含む。以下同じ。)の販売(そのあつせんを含む。)又は有償で行う役務の提供(そのあつせんを含む。)の事業であつて、販売の目的物たる物品(以下この章において「商品」という。)の再販売(販売の相手方が商品を買い受けて販売することをいう。以下同じ。)、受託販売(販売の委託を受けて商品を販売することをいう。以下同じ。)若しくは販売のあつせんをする者又は同種役務の提供(その役務と同一の種類の役務の提供をすることをいう。以下同じ。)若しくはその役務の提供のあつせんをする者を特定利益(その商品の再販売、受託販売若しくは販売のあつせんをする他の者又は同種役務の提供若しくはその役務の提供のあつせんをする他の者が提供する取引料その他の経済産業省令で定める要件に該当する利益の全部又は一部をいう。以下この章において同じ。)を収受し得ることをもつて誘引し、その者と特定負担(その商品の購入若しくはその役務の対価の支払又は取引料の提供をいう。以下この章において同じ。)を伴うその商品の販売若しくはそのあつせん又は同種役務の提供若しくはその役務の提供のあつせんに係る取引(その取引条件の変更を含む。以下「連鎖販売取引」という。)をするものをいう。
2 この章並びに第六十六条第一項及び第六十七条第一項において「統括者」とは、連鎖販売業に係る商品に自己の商標を付し、若しくは連鎖販売業に係る役務の提供について自己の商号その他特定の表示を使用させ、連鎖販売取引に関する約款を定め、又は連鎖販売業を行う者の経営に関し継続的に指導を行う等一連の連鎖販売業を実質的に統括する者をいう。
3 この章において「取引料」とは、取引料、加盟料、保証金その他いかなる名義をもつてするかを問わず、取引をするに際し、又は取引条件を変更するに際し提供される金品をいう。
(連鎖販売取引における氏名等の明示)
第三十三条の二 統括者、勧誘者(統括者がその統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引について勧誘を行わせる者をいう。以下同じ。)又は一般連鎖販売業者(統括者又は勧誘者以外の者であつて、連鎖販売業を行う者をいう。以下同じ。)は、その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引をしようとするときは、その勧誘に先立つて、その相手方に対し、統括者、勧誘者又は一般連鎖販売業者の氏名又は名称(勧誘者又は一般連鎖販売業者にあつては、その連鎖販売業に係る統括者の氏名又は名称を含む。)、特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る商品又は役務の種類を明らかにしなければならない。
(禁止行為)
第三十四条 統括者又は勧誘者は、その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約(その連鎖販売業に係る商品の販売若しくはそのあつせん又は役務の提供若しくはそのあつせんを店舗その他これに類似する設備(以下「店舗等」という。)によらないで行う個人との契約に限る。以下この条において同じ。)の締結について勧誘をするに際し、又はその連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約の解除を妨げるため、次の事項につき、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為をしてはならない。
一 商品(施設を利用し及び役務の提供を受ける権利を除く。)の種類及びその性能若しくは品質又は施設を利用し若しくは役務の提供を受ける権利若しくは役務の種類及びこれらの内容その他これらに類するものとして経済産業省令で定める事項
二 当該連鎖販売取引に伴う特定負担に関する事項
三 当該契約の解除に関する事項(第四十条第一項から第三項まで及び第四十条の二第一項から第五項までの規定に関する事項を含む。)
四 その連鎖販売業に係る特定利益に関する事項
五 前各号に掲げるもののほか、その連鎖販売業に関する事項であつて、連鎖販売取引の相手方の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの
2 一般連鎖販売業者は、その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約の締結について勧誘をするに際し、又はその連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約の解除を妨げるため、前項各号の事項につき、不実のことを告げる行為をしてはならない。
3 統括者、勧誘者又は一般連鎖販売業者は、その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約を締結させ、又はその連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約の解除を妨げるため、人を威迫して困惑させてはならない。
4 統括者、勧誘者又は一般連鎖販売業者は、特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げずに営業所、代理店その他の経済産業省令で定める場所以外の場所において呼び止めて同行させることその他政令で定める方法により誘引した者に対し、公衆の出入りする場所以外の場所において、当該契約の締結について勧誘をしてはならない。
(合理的な根拠を示す資料の提出)
第三十四条の二 主務大臣は、前条第一項第一号又は第四号に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該統括者、当該勧誘者又は当該一般連鎖販売業者に対し、期間を定めて、当該告げた事項の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該統括者、当該勧誘者又は当該一般連鎖販売業者が当該資料を提出しないときは、第三十八条及び第三十九条第一項の規定の適用については、当該統括者、当該勧誘者又は当該一般連鎖販売業者は、前条第一項第一号又は第四号に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたものとみなす。
(連鎖販売取引についての広告)
第三十五条 統括者、勧誘者又は一般連鎖販売業者は、その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引について広告をするときは、経済産業省令で定めるところにより、当該広告に、その連鎖販売業に関する次の事項を表示しなければならない。
一 商品又は役務の種類
二 当該連鎖販売取引に伴う特定負担に関する事項
三 その連鎖販売業に係る特定利益について広告をするときは、その計算の方法
四 前三号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める事項
2 前項各号に掲げる事項のほか、統括者、勧誘者又は一般連鎖販売業者は、その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引について電磁的方法により広告をするとき(その相手方の求めに応じて広告をするとき、その他の経済産業省令で定めるときを除く。)は、経済産業省令で定めるところにより、当該広告に、その相手方が当該広告に係る統括者、勧誘者又は一般連鎖販売業者から電磁的方法による広告の提供を受けることを希望しない旨の意思を表示するための方法を表示しなければならない。
(誇大広告等の禁止)
第三十六条 統括者、勧誘者又は一般連鎖販売業者は、その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引について広告をするときは、その連鎖販売業に係る商品(施設を利用し及び役務の提供を受ける権利を除く。)の性能若しくは品質又は施設を利用し若しくは役務の提供を受ける権利若しくは役務の内容、当該連鎖販売取引に伴う特定負担、当該連鎖販売業に係る特定利益その他の経済産業省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。
(合理的な根拠を示す資料の提出)
第三十六条の二 主務大臣は、前条に規定する表示に該当するか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該表示をした統括者、勧誘者又は一般連鎖販売業者に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該統括者、当該勧誘者又は当該一般連鎖販売業者が当該資料を提出しないときは、第三十八条及び第三十九条第一項の適用については、当該表示は、前条に規定する表示に該当するものとみなす。
(電磁的方法による広告の提供を受けることを希望しない旨の意思の表示を受けている者に対する提供の禁止)
第三十六条の三 統括者、勧誘者又は一般連鎖販売業者は、その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引について電磁的方法により広告をする場合において、その相手方から第三十五条第二項の規定により電磁的方法による広告の提供を受けることを希望しない旨の意思の表示を受けているときは、その者に対し、電磁的方法による広告の提供を行つてはならない。
(連鎖販売取引における書面の交付)
第三十七条 連鎖販売業を行う者(連鎖販売業を行う者以外の者がその連鎖販売業に係る連鎖販売取引に伴う特定負担についての契約を締結する者であるときは、その者)は、連鎖販売取引に伴う特定負担をしようとする者(その連鎖販売業に係る商品の販売若しくはそのあつせん又は役務の提供若しくはそのあつせんを店舗等によらないで行う個人に限る。)とその特定負担についての契約を締結しようとするときは、その契約を締結するまでに、経済産業省令で定めるところにより、その連鎖販売業の概要について記載した書面をその者に交付しなければならない。
2 連鎖販売業を行う者は、その連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約(以下この章において「連鎖販売契約」という。)を締結した場合において、その連鎖販売契約の相手方がその連鎖販売業に係る商品の販売若しくはそのあつせん又は役務の提供若しくはそのあつせんを店舗等によらないで行う個人であるときは、遅滞なく、経済産業省令で定めるところにより、次の事項についてその連鎖販売契約の内容を明らかにする書面をその者に交付しなければならない。
一 商品(施設を利用し及び役務の提供を受ける権利を除く。)の種類及びその性能若しくは品質又は施設を利用し若しくは役務の提供を受ける権利若しくは役務の種類及びこれらの内容に関する事項
二 商品の再販売、受託販売若しくは販売のあつせん又は同種役務の提供若しくは役務の提供のあつせんについての条件に関する事項
三 当該連鎖販売取引に伴う特定負担に関する事項
四 当該連鎖販売契約の解除に関する事項(第四十条第一項から第三項まで及び第四十条の二第一項から第五項までの規定に関する事項を含む。)
五 前各号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める事項
(指示)
第三十八条 主務大臣は、統括者が第三十三条の二、第三十四条第一項、第三項若しくは第四項、第三十五条、第三十六条、第三十六条の三若しくは前条の規定に違反し若しくは次に掲げる行為をした場合又は勧誘者が第三十三条の二、第三十四条第一項、第三項若しくは第四項、第三十五条、第三十六条若しくは第三十六条の三の規定に違反し若しくは第二号から第四号までに掲げる行為をした場合において連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その統括者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
一 その連鎖販売業に係る連鎖販売契約に基づく債務又はその解除によつて生ずる債務の全部又は一部の履行を拒否し、又は不当に遅延させること。
二 その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引につき利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供してその連鎖販売業に係る連鎖販売契約(その連鎖販売業に係る商品の販売若しくはそのあつせん又は役務の提供若しくはそのあつせんを店舗等によらないで行う個人との契約に限る。次号において同じ。)の締結について勧誘をすること。
三 その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売契約を締結しない旨の意思を表示している者に対し、当該連鎖販売契約の締結について迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘をすること。
四 前三号に掲げるもののほか、その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売契約に関する行為であつて、連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益を害するおそれがあるものとして経済産業省令で定めるもの。
2 主務大臣は、勧誘者が第三十三条の二、第三十四条第一項、第三項若しくは第四項、第三十五条、第三十六条、第三十六条の三若しくは前条の規定に違反し、又は前項各号に掲げる行為をした場合において連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その勧誘者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
3 主務大臣は、一般連鎖販売業者が第三十三条の二、第三十四条第二項から第四項まで、第三十五条、第三十六条、第三十六条の三若しくは前条の規定に違反し、又は第一項各号に掲げる行為をした場合において連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その一般連鎖販売業者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
(連鎖販売取引の停止等)
第三十九条 主務大臣は、統括者が第三十三条の二、第三十四条第一項、第三項若しくは第四項、第三十五条、第三十六条、第三十六条の三若しくは第三十七条の規定に違反し若しくは前条第一項各号に掲げる行為をした場合若しくは勧誘者が第三十三条の二、第三十四条第一項、第三項若しくは第四項、第三十五条、第三十六条若しくは第三十六条の三の規定に違反し若しくは前条第一項第二号から第四号までに掲げる行為をした場合において連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき又は統括者が同項の規定による指示に従わないときは、その統括者に対し、一年以内の期間を限り、当該連鎖販売業に係る連鎖販売取引について勧誘を行い若しくは勧誘者に行わせることを停止し、又はその行う連鎖販売取引の全部若しくは一部を停止すべきことを命ずることができる。
2 主務大臣は、勧誘者が第三十三条の二、第三十四条第一項、第三項若しくは第四項、第三十五条、第三十六条、第三十六条の三若しくは第三十七条の規定に違反し若しくは前条第一項各号に掲げる行為をした場合において連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき又は勧誘者が同条第二項の規定による指示に従わないときは、その勧誘者に対し、一年以内の期間を限り、当該連鎖販売業に係る連鎖販売取引について勧誘を行うことを停止し、又はその行う連鎖販売取引の全部若しくは一部を停止すべきことを命ずることができる。
3 主務大臣は、一般連鎖販売業者が第三十三条の二、第三十四条第二項から第四項まで、第三十五条、第三十六条、第三十六条の三若しくは第三十七条の規定に違反し若しくは前条第一項各号に掲げる行為をした場合において連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき又は一般連鎖販売業者が同条第三項の規定による指示に従わないときは、その一般連鎖販売業者に対し、一年以内の期間を限り、当該連鎖販売業に係る連鎖販売取引について勧誘を行うことを停止し、又はその行う連鎖販売取引の全部若しくは一部を停止すべきことを命ずることができる。
4 主務大臣は、前三項の規定による命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。
(連鎖販売契約の解除等)
第四十条 連鎖販売業を行う者がその連鎖販売業に係る連鎖販売契約を締結した場合におけるその連鎖販売契約の相手方(その連鎖販売業に係る商品の販売若しくはそのあつせん又は役務の提供若しくはそのあつせんを店舗等によらないで行う個人に限る。以下この章において「連鎖販売加入者」という。)は、第三十七条第二項の書面を受領した日(その連鎖販売契約に係る特定負担が再販売をする商品(施設を利用し及び役務の提供を受ける権利を除く。以下この項において同じ。)の購入についてのものである場合において、その連鎖販売契約に基づき購入したその商品につき最初の引渡しを受けた日がその受領した日後であるときは、その引渡しを受けた日。次条第一項において同じ。)から起算して二十日を経過したとき(連鎖販売加入者が、統括者若しくは勧誘者が第三十四条第一項の規定に違反し若しくは一般連鎖販売業者が同条第二項の規定に違反してこの項の規定による連鎖販売契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は統括者、勧誘者若しくは一般連鎖販売業者が同条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでにこの項の規定による連鎖販売契約の解除を行わなかつた場合には、当該連鎖販売加入者が、その連鎖販売業に係る統括者、勧誘者又は一般連鎖販売業者が経済産業省令で定めるところによりこの項の規定による当該連鎖販売契約の解除を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して二十日を経過したとき)を除き、書面によりその連鎖販売契約の解除を行うことができる。この場合において、その連鎖販売業を行う者は、その連鎖販売契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
2 前項の連鎖販売契約の解除は、その連鎖販売契約の解除を行う旨の書面を発した時に、その効力を生ずる。
3 第一項の連鎖販売契約の解除があつた場合において、その連鎖販売契約に係る商品の引渡しが既にされているときは、その引取りに要する費用は、その連鎖販売業を行う者の負担とする。
4 前三項の規定に反する特約でその連鎖販売加入者に不利なものは、無効とする。
第四十条の二 連鎖販売加入者は、第三十七条第二項の書面を受領した日から起算して二十日を経過した後(連鎖販売加入者が、統括者若しくは勧誘者が第三十四条第一項の規定に違反し若しくは一般連鎖販売業者が同条第二項の規定に違反して前条第一項の規定による連鎖販売契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は統括者、勧誘者若しくは一般連鎖販売業者が第三十四条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでに前条第一項の規定による連鎖販売契約の解除を行わなかつた場合には、当該連鎖販売加入者が、その連鎖販売業に係る統括者、勧誘者又は一般連鎖販売業者が同項の経済産業省令で定めるところにより同項の規定による当該連鎖販売契約の解除を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して二十日を経過した後)においては、将来に向かつてその連鎖販売契約の解除を行うことができる。
2 前項の規定により連鎖販売契約が解除された場合において、その解除がされる前に、連鎖販売業を行う者が連鎖販売加入者(当該連鎖販売契約(取引条件の変更に係る連鎖販売契約を除く。)を締結した日から一年を経過していない者に限る。以下この条において同じ。)に対し、既に、連鎖販売業に係る商品の販売(そのあつせんを含む。)を行つているときは、連鎖販売加入者は、次に掲げる場合を除き、当該商品の販売に係る契約(当該連鎖販売契約のうち当該連鎖販売取引に伴う特定負担に係る商品の販売に係る部分を含む。以下この条において「商品販売契約」という。)の解除を行うことができる。
一 当該商品の引渡し(当該商品が施設を利用し又は役務の提供を受ける権利である場合にあつては、その移転。以下この条において同じ。)を受けた日から起算して九十日を経過したとき。
二 当該商品を再販売したとき。
三 当該商品を使用し又はその全部若しくは一部を消費したとき(当該連鎖販売業に係る商品の販売を行つた者が当該連鎖販売加入者に当該商品を使用させ、又はその全部若しくは一部を消費させた場合を除く。)。
四 その他政令で定めるとき。
3 連鎖販売業を行う者は、第一項の規定により連鎖販売契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、契約の締結及び履行のために通常要する費用の額(次の各号のいずれかに該当する場合にあつては、当該額に当該各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額を加算した額)にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を連鎖販売加入者に対して請求することができない。
一 当該連鎖販売契約の解除が当該連鎖販売取引に伴う特定負担に係る商品の引渡し後である場合 次の額を合算した額
イ 引渡しがされた当該商品(当該連鎖販売契約に基づき販売が行われたものに限り、前項の規定により当該商品に係る商品販売契約が解除されたものを除く。)の販売価格に相当する額
ロ 提供された特定利益その他の金品(前項の規定により解除された商品販売契約に係る商品に係るものに限る。)に相当する額
二 当該連鎖販売契約の解除が当該連鎖販売取引に伴う特定負担に係る役務の提供開始後である場合 提供された当該役務(当該連鎖販売契約に基づき提供されたものに限る。)の対価に相当する額
4 連鎖販売業に係る商品の販売を行つた者は、第二項の規定により商品販売契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を当該連鎖販売加入者に対して請求することができない。
一 当該商品が返還された場合又は当該商品販売契約の解除が当該商品の引渡し前である場合 当該商品の販売価格の十分の一に相当する額
二 当該商品が返還されない場合 当該商品の販売価格に相当する額
5 第二項の規定により商品販売契約が解除されたときは、当該商品に係る一連の連鎖販売業の統括者は、連帯して、その解除によつて生ずる当該商品の販売を行つた者の債務の弁済の責めに任ずる。
6 前各項の規定に反する特約で連鎖販売加入者に不利なものは、無効とする。
7 第三項及び第四項の規定は、連鎖販売業に係る商品又は役務を割賦販売により販売し又は提供するものについては、適用しない。
(連鎖販売契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)
第四十条の三 連鎖販売加入者は、統括者若しくは勧誘者がその統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売契約の締結について勧誘をするに際し第一号若しくは第二号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、又は一般連鎖販売業者がその連鎖販売業に係る連鎖販売契約の締結について勧誘をするに際し第三号に掲げる行為をしたことにより同号に定める誤認をし、これらによつて当該連鎖販売契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。ただし、当該連鎖販売契約の相手方が、当該連鎖販売契約の締結の当時、当該統括者、当該勧誘者又は当該一般連鎖販売業者がこれらの行為をした事実を知らなかつたときは、この限りでない。
一 第三十四条第一項の規定に違反して不実のことを告げる行為 当該告げられた内容が事実であるとの誤認
二 第三十四条第一項の規定に違反して故意に事実を告げない行為 当該事実が存在しないとの誤認
三 第三十四条第二項の規定に違反して不実のことを告げる行為 当該告げられた内容が事実であるとの誤認
2 第九条の二第二項から第四項までの規定は、前項の規定による連鎖販売契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消しについて準用する。
第四章 特定継続的役務提供
(定義)
第四十一条 この章において「特定継続的役務提供」とは、次に掲げるものをいう。
一 役務提供事業者が、特定継続的役務をそれぞれの特定継続的役務ごとに政令で定める期間を超える期間にわたり提供することを約し、相手方がこれに応じて政令で定める金額を超える金銭を支払うことを約する契約(以下この章において「特定継続的役務提供契約」という。)を締結して行う特定継続的役務の提供
二 販売業者が、特定継続的役務の提供(前号の政令で定める期間を超える期間にわたり提供するものに限る。)を受ける権利を前号の政令で定める金額を超える金銭を受け取つて販売する契約(以下この章において「特定権利販売契約」という。)を締結して行う特定継続的役務の提供を受ける権利の販売
2 この章及び第六十七条第一項において「特定継続的役務」とは、国民の日常生活に係る取引において有償で継続的に提供される役務であつて、次の各号のいずれにも該当するものとして、政令で定めるものをいう。
一 役務の提供を受ける者の身体の美化又は知識若しくは技能の向上その他のその者の心身又は身上に関する目的を実現させることをもつて誘引が行われるもの
二 役務の性質上、前号に規定する目的が実現するかどうかが確実でないもの
(特定継続的役務提供における書面の交付)
第四十二条 役務提供事業者又は販売業者は、特定継続的役務の提供を受けようとする者又は特定継続的役務の提供を受ける権利を購入しようとする者と特定継続的役務提供契約又は特定権利販売契約(以下この章において「特定継続的役務提供等契約」という。)を締結しようとするときは、当該特定継続的役務提供等契約を締結するまでに、経済産業省令で定めるところにより、当該特定継続的役務提供等契約の概要について記載した書面をその者に交付しなければならない。
2 役務提供事業者は、特定継続的役務提供契約を締結したときは、遅滞なく、経済産業省令で定めるところにより、次の事項について当該特定継続的役務提供契約の内容を明らかにする書面を当該特定継続的役務の提供を受ける者に交付しなければならない。
一 役務の内容であつて経済産業省令で定める事項及び当該役務の提供に際し当該役務の提供を受ける者が購入する必要のある商品がある場合にはその商品名
二 役務の対価その他の役務の提供を受ける者が支払わなければならない金銭の額
三 前号に掲げる金銭の支払の時期及び方法
四 役務の提供期間
五 第四十八条第一項の規定による特定継続的役務提供契約の解除に関する事項(同条第二項から第七項までの規定に関する事項を含む。)
六 第四十九条第一項の規定による特定継続的役務提供契約の解除に関する事項(同条第二項、第五項及び第六項の規定に関する事項を含む。)
七 前各号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める事項
3 販売業者は、特定権利販売契約を締結したときは、遅滞なく、経済産業省令で定めるところにより、次の事項について当該特定権利販売契約の内容を明らかにする書面を当該特定継続的役務の提供を受ける権利の購入者に交付しなければならない。
一 権利の内容であつて経済産業省令で定める事項及び当該権利の行使による役務の提供に際し当該特定継続的役務の提供を受ける権利の購入者が購入する必要のある商品がある場合にはその商品名
二 権利の販売価格その他の当該特定継続的役務の提供を受ける権利の購入者が支払わなければならない金銭の額
三 前号に掲げる金銭の支払の時期及び方法
四 権利の行使により受けることができる役務の提供期間
五 第四十八条第一項の規定による特定権利販売契約の解除に関する事項(同条第二項から第七項までの規定に関する事項を含む。)
六 第四十九条第三項の規定による特定権利販売契約の解除に関する事項(同条第四項から第六項までの規定に関する事項を含む。)
七 前各号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める事項
(誇大広告等の禁止)
第四十三条 役務提供事業者又は販売業者は、特定継続的役務提供をする場合の特定継続的役務の提供条件又は特定継続的役務の提供を受ける権利の販売条件について広告をするときは、当該特定継続的役務の内容又は効果その他の経済産業省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。
(合理的な根拠を示す資料の提出)
第四十三条の二 主務大臣は、前条に規定する表示に該当するか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該表示をした役務提供事業者又は販売業者に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該役務提供事業者又は当該販売業者が当該資料を提出しないときは、第四十六条及び第四十七条第一項の規定の適用については、当該表示は、前条に規定する表示に該当するものとみなす。
(禁止行為)
第四十四条 役務提供事業者又は販売業者は、特定継続的役務提供等契約の締結について勧誘をするに際し、又は特定継続的役務提供等契約の解除を妨げるため、次の事項につき、不実のことを告げる行為をしてはならない。
一 役務又は役務の提供を受ける権利の種類及びこれらの内容又は効果(権利の場合にあつては、当該権利に係る役務の効果)その他これらに類するものとして経済産業省令で定める事項
二 役務の提供又は権利の行使による役務の提供に際し当該役務の提供を受ける者又は当該権利の購入者が購入する必要のある商品がある場合には、その商品の種類及びその性能又は品質その他これらに類するものとして経済産業省令で定める事項
三 役務の対価又は権利の販売価格その他の役務の提供を受ける者又は役務の提供を受ける権利の購入者が支払わなければならない金銭の額
四 前号に掲げる金銭の支払の時期及び方法
五 役務の提供期間又は権利の行使により受けることができる役務の提供期間
六 当該特定継続的役務提供等契約の解除に関する事項(第四十八条第一項から第七項まで及び第四十九条第一項から第六項までの規定に関する事項を含む。)
七 顧客が当該特定継続的役務提供等契約の締結を必要とする事情に関する事項
八 前各号に掲げるもののほか、当該特定継続的役務提供等契約に関する事項であつて、顧客又は特定継続的役務の提供を受ける者若しくは特定継続的役務の提供を受ける権利の購入者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの
2 役務提供事業者又は販売業者は、特定継続的役務提供等契約の締結について勧誘をするに際し、前項第一号から第六号までに掲げる事項につき、故意に事実を告げない行為をしてはならない。
3 役務提供事業者又は販売業者は、特定継続的役務提供等契約を締結させ、又は特定継続的役務提供等契約の解除を妨げるため、人を威迫して困惑させてはならない。
(合理的な根拠を示す資料の提出)
第四十四条の二 主務大臣は、前条第一項第一号又は第二号に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該役務提供事業者又は当該販売業者に対し、期間を定めて、当該告げた事項の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該役務提供事業者又は当該販売業者が当該資料を提出しないときは、第四十六条及び第四十七条第一項の規定の適用については、当該役務提供事業者又は当該販売業者は、前条第一項第一号又は第二号に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたものとみなす。
(書類の備付け及び閲覧等)
第四十五条 役務提供事業者又は販売業者は、特定継続的役務提供に係る前払取引(特定継続的役務提供に先立つてその相手方から政令で定める金額を超える金銭を受領する特定継続的役務提供に係る取引をいう。次項において同じ。)を行うときは、経済産業省令で定めるところにより、その業務及び財産の状況を記載した書類を、特定継続的役務提供等契約に関する業務を行う事務所に備え置かなければならない。
2 特定継続的役務提供に係る前払取引の相手方は、前項に規定する書類の閲覧を求め、又は前項の役務提供事業者若しくは販売業者の定める費用を支払つてその謄本若しくは抄本の交付を求めることができる。
(指示)
第四十六条 主務大臣は、役務提供事業者又は販売業者が第四十二条、第四十三条、第四十四条若しくは前条の規定に違反し、又は次に掲げる行為をした場合において、特定継続的役務提供に係る取引の公正及び特定継続的役務提供契約を締結して特定継続的役務の提供を受ける者又は特定権利販売契約を締結して特定継続的役務の提供を受ける権利を購入する者(以下この章において「特定継続的役務提供受領者等」という。)の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その役務提供事業者又は販売業者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
一 特定継続的役務提供等契約に基づく債務又は特定継続的役務提供等契約の解除によつて生ずる債務の全部又は一部の履行を拒否し、又は不当に遅延させること。
二 特定継続的役務提供等契約の締結について勧誘をするに際し、又は特定継続的役務提供等契約の解除を妨げるため、当該特定継続的役務提供等契約に関する事項であつて、顧客又は特定継続的役務提供受領者等の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの(第四十四条第一項第一号から第六号までに掲げるものを除く。)につき、故意に事実を告げないこと。
三 前二号に掲げるもののほか、特定継続的役務提供に関する行為であつて、特定継続的役務提供に係る取引の公正及び特定継続的役務提供受領者等の利益を害するおそれがあるものとして経済産業省令で定めるもの
(業務の停止等)
第四十七条 主務大臣は、役務提供事業者又は販売業者が第四十二条、第四十三条、第四十四条若しくは第四十五条の規定に違反し若しくは前条各号に掲げる行為をした場合において特定継続的役務提供に係る取引の公正及び特定継続的役務提供受領者等の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき、又は役務提供事業者若しくは販売業者が同条の規定による指示に従わないときは、その役務提供事業者又は販売業者に対し、一年以内の期間を限り、特定継続的役務提供に関する業務の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる。
2 主務大臣は、前項の規定による命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。
(特定継続的役務提供等契約の解除等)
第四十八条 役務提供事業者又は販売業者が特定継続的役務提供等契約を締結した場合におけるその特定継続的役務提供受領者等は、第四十二条第二項又は第三項の書面を受領した日から起算して八日を経過したとき(特定継続的役務提供受領者等が、役務提供事業者若しくは販売業者が第四十四条第一項の規定に違反してこの項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は役務提供事業者若しくは販売業者が同条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでにこの項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除を行わなかつた場合には、当該特定継続的役務提供受領者等が、当該役務提供事業者又は当該販売業者が経済産業省令で定めるところによりこの項の規定による当該特定継続的役務提供等契約の解除を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過したとき)を除き、書面によりその特定継続的役務提供等契約の解除を行うことができる。
2 前項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除があつた場合において、役務提供事業者又は販売業者が特定継続的役務の提供に際し特定継続的役務提供受領者等が購入する必要のある商品として政令で定める商品(以下この章及び第六十六条第二項において「関連商品」という。)の販売又はその代理若しくは媒介を行つている場合には、当該商品の販売に係る契約(以下この条及び次条において「関連商品販売契約」という。)についても、前項と同様とする。ただし、特定継続的役務提供受領者等が第四十二条第二項又は第三項の書面を受領した場合において、関連商品であつてその使用若しくは一部の消費により価額が著しく減少するおそれがある商品として政令で定めるものを使用し又はその全部若しくは一部を消費したとき(当該役務提供事業者又は当該販売業者が当該特定継続的役務提供受領者等に当該商品を使用させ、又はその全部若しくは一部を消費させた場合を除く。)は、この限りでない。
3 前二項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除及び関連商品販売契約の解除は、それぞれ当該解除を行う旨の書面を発した時に、その効力を生ずる。
4 第一項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除又は第二項の規定による関連商品販売契約の解除があつた場合においては、役務提供事業者若しくは販売業者又は関連商品の販売を行つた者は、当該解除に伴う損害賠償若しくは違約金の支払を請求することができない。
5 第一項の規定による特定権利販売契約の解除又は第二項の規定による関連商品販売契約の解除があつた場合において、その特定権利販売契約又は関連商品販売契約に係る権利の移転又は関連商品の引渡しが既にされているときは、その返還又は引取りに要する費用は、販売業者又は関連商品の販売を行つた者の負担とする。
6 役務提供事業者又は販売業者は、第一項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除があつた場合には、既に当該特定継続的役務提供等契約に基づき特定継続的役務提供が行われたときにおいても、特定継続的役務提供受領者等に対し、当該特定継続的役務提供等契約に係る特定継続的役務の対価その他の金銭の支払を請求することができない。
7 役務提供事業者は、第一項の規定による特定継続的役務提供契約の解除があつた場合において、当該特定継続的役務提供契約に関連して金銭を受領しているときは、特定継続的役務の提供を受ける者に対し、速やかに、これを返還しなければならない。
8 前各項の規定に反する特約で特定継続的役務提供受領者等に不利なものは、無効とする。
第四十九条 役務提供事業者が特定継続的役務提供契約を締結した場合におけるその特定継続的役務の提供を受ける者は、第四十二条第二項の書面を受領した日から起算して八日を経過した後(その特定継続的役務の提供を受ける者が、役務提供事業者が第四十四条第一項の規定に違反して前条第一項の規定による特定継続的役務提供契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は役務提供事業者が第四十四条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでに前条第一項の規定による特定継続的役務提供契約の解除を行わなかつた場合には、当該特定継続的役務の提供を受ける者が、当該役務提供事業者が同項の経済産業省令で定めるところにより同項の規定による当該特定継続的役務提供契約の解除を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過した後)においては、将来に向かつてその特定継続的役務提供契約の解除を行うことができる。
2 役務提供事業者は、前項の規定により特定継続的役務提供契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を特定継続的役務の提供を受ける者に対して請求することができない。
一 当該特定継続的役務提供契約の解除が特定継続的役務の提供開始後である場合 次の額を合算した額
イ 提供された特定継続的役務の対価に相当する額
ロ 当該特定継続的役務提供契約の解除によつて通常生ずる損害の額として第四十一条第二項の政令で定める役務ごとに政令で定める額
二 当該特定継続的役務提供契約の解除が特定継続的役務の提供開始前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額として第四十一条第二項の政令で定める役務ごとに政令で定める額
3 販売業者が特定権利販売契約を締結した場合におけるその特定継続的役務の提供を受ける権利の購入者は、第四十二条第三項の書面を受領した日から起算して八日を経過した後(その特定継続的役務の提供を受ける権利の購入者が、販売業者が第四十四条第一項の規定に違反して前条第一項の規定による特定権利販売契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は販売業者が第四十四条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでに前条第一項の規定による特定権利販売契約の解除を行わなかつた場合には、当該特定継続的役務の提供を受ける権利の購入者が、当該販売業者が同項の経済産業省令で定めるところにより同項の規定による当該特定権利販売契約の解除を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過した後)においては、その特定権利販売契約の解除を行うことができる。
4 販売業者は、前項の規定により特定権利販売契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を特定継続的役務の提供を受ける権利の購入者に対して請求することができない。
一 当該権利が返還された場合 当該権利の行使により通常得られる利益に相当する額(当該権利の販売価格に相当する額から当該権利の返還されたときにおける価額を控除した額が当該権利の行使により通常得られる利益に相当する額を超えるときは、その額)
二 当該権利が返還されない場合 当該権利の販売価格に相当する額
三 当該契約の解除が当該権利の移転前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額
5 第一項又は第三項の規定により特定継続的役務提供等契約が解除された場合であつて、役務提供事業者又は販売業者が特定継続的役務提供受領者等に対し、関連商品の販売又はその代理若しくは媒介を行つている場合には、特定継続的役務提供受領者等は当該関連商品販売契約の解除を行うことができる。
6 関連商品の販売を行つた者は、前項の規定により関連商品販売契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を特定継続的役務提供受領者等に対して請求することができない。
一 当該関連商品が返還された場合 当該関連商品の通常の使用料に相当する額(当該関連商品の販売価格に相当する額から当該関連商品の返還されたときにおける価額を控除した額が通常の使用料に相当する額を超えるときは、その額)
二 当該関連商品が返還されない場合 当該関連商品の販売価格に相当する額
三 当該契約の解除が当該関連商品の引渡し前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額
7 前各項の規定に反する特約で特定継続的役務提供受領者等に不利なものは、無効とする。
(特定継続的役務提供等契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)
第四十九条の二 特定継続的役務提供受領者等は、役務提供事業者又は販売業者が特定継続的役務提供等契約の締結について勧誘をするに際し次の各号に掲げる行為をしたことにより、当該各号に定める誤認をし、それによつて当該特定継続的役務提供等契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
一 第四十四条第一項の規定に違反して不実のことを告げる行為 当該告げられた内容が事実であるとの誤認
二 第四十四条第二項の規定に違反して故意に事実を告げない行為 当該事実が存在しないとの誤認
2 第九条の二第二項から第四項までの規定は、前項の規定による特定継続的役務提供等契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消しについて準用する。
3 前条第五項から第七項までの規定は、第一項の規定により特定継続的役務提供等契約の申込み又はその承諾の意思表示が取り消された場合について準用する。
(適用除外)
第五十条 この章の規定は、次の特定継続的役務提供については、適用しない。
一 特定継続的役務提供等契約で、特定継続的役務提供受領者等が営業のために又は営業として締結するものに係る特定継続的役務提供
二 本邦外に在る者に対する特定継続的役務提供
三 国又は地方公共団体が行う特定継続的役務提供
四 次の団体がその直接又は間接の構成員に対して行う特定継続的役務提供(その団体が構成員以外の者にその事業又は施設を利用させることができる場合には、これらの者に対して行う特定継続的役務提供を含む。)
イ 特別の法律に基づいて設立された組合並びにその連合会及び中央会
ロ 国家公務員法第百八条の二又は地方公務員法第五十二条の団体
ハ 労働組合
五 事業者がその従業者に対して行う特定継続的役務提供
2 第四十九条第二項、第四項及び第六項(前条第三項において準用する場合を含む。)の規定は、特定継続的役務又は関連商品を割賦販売により提供し又は販売するものについては、適用しない。
第五章 業務提供誘引販売取引
(定義)
第五十一条 この章並びに第六十六条第一項及び第六十七条第一項において「業務提供誘引販売業」とは、物品の販売(そのあつせんを含む。)又は有償で行う役務の提供(そのあつせんを含む。)の事業であつて、その販売の目的物たる物品(以下この章において「商品」という。)又はその提供される役務を利用する業務(その商品の販売若しくはそのあつせん又はその役務の提供若しくはそのあつせんを行う者が自ら提供を行い、又はあつせんを行うものに限る。)に従事することにより得られる利益(以下この章において「業務提供利益」という。)を収受し得ることをもつて相手方を誘引し、その者と特定負担(その商品の購入若しくはその役務の対価の支払又は取引料の提供をいう。以下この章において同じ。)を伴うその商品の販売若しくはそのあつせん又はその役務の提供若しくはそのあつせんに係る取引(その取引条件の変更を含む。以下「業務提供誘引販売取引」という。)をするものをいう。
2 この章において「取引料」とは、取引料、登録料、保証金その他いかなる名義をもつてするかを問わず、取引をするに際し、又は取引条件を変更するに際し提供される金品をいう。
(業務提供誘引販売取引における氏名等の明示)
第五十一条の二 業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引をしようとするときは、その勧誘に先立つて、その相手方に対し、業務提供誘引販売業を行う者の氏名又は名称、特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る商品又は役務の種類を明らかにしなければならない。
(禁止行為)
第五十二条 業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引についての契約(その業務提供誘引販売業に関して提供され、又はあつせんされる業務を事業所その他これに類似する施設(以下「事業所等」という。)によらないで行う個人との契約に限る。以下この条において同じ。)の締結について勧誘をするに際し、又はその業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引についての契約の解除を妨げるため、次の事項につき、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為をしてはならない。
一商品(施設を利用し及び役務の提供を受ける権利を除く。)の種類及びその性能若しくは品質又は施設を利用し若しくは役務の提供を受ける権利若しくは役務の種類及びこれらの内容その他これらに類するものとして経済産業省令で定める事項
二当該業務提供誘引販売取引に伴う特定負担に関する事項
三当該契約の解除に関する事項(第五十八条第一項から第三項までの規定に関する事項を含む。)
四その業務提供誘引販売業に係る業務提供利益に関する事項
五前各号に掲げるもののほか、その業務提供誘引販売業に関する事項であつて、業務提供誘引販売取引の相手方の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの
2 業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引についての契約を締結させ、又はその業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引についての契約の解除を妨げるため、人を威迫して困惑させてはならない。
3 業務提供誘引販売業を行う者は、特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げずに営業所、代理店その他の経済産業省令で定める場所以外の場所において呼び止めて同行させることその他政令で定める方法により誘引した者に対し、公衆の出入りする場所以外の場所において、当該業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引についての契約の締結について勧誘をしてはならない。
(合理的な根拠を示す資料の提出)
第五十二条の二 主務大臣は、前条第一項第一号又は第四号に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該業務提供誘引販売業を行う者に対し、期間を定めて、当該告げた事項の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該業務提供誘引販売業を行う者が当該資料を提出しないときは、第五十六条及び第五十七条第一項の規定の適用については、当該業務提供誘引販売業を行う者は、前条第一項第一号又は第四号に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたものとみなす。
(業務提供誘引販売取引についての広告)
第五十三条 業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引について広告をするときは、経済産業省令で定めるところにより、当該広告に、その業務提供誘引販売業に関する次の事項を表示しなければならない。
一商品又は役務の種類
二当該業務提供誘引販売取引に伴う特定負担に関する事項
三その業務提供誘引販売業に関して提供し、又はあつせんする業務について広告をするときは、その業務の提供条件
四前三号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める事項
2 前項各号に掲げる事項のほか、業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引について電磁的方法により広告をするとき(その相手方の求めに応じて広告をするとき、その他の経済産業省令で定めるときを除く。)は、経済産業省令で定めるところにより、当該広告に、その相手方が当該広告に係る業務提供誘引販売業を行う者から電磁的方法による広告の提供を受けることを希望しない旨の意思を表示するための方法を表示しなければならない。
(誇大広告等の禁止)
第五十四条 業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引について広告をするときは、当該業務提供誘引販売取引に伴う特定負担、当該業務提供誘引販売業に係る業務提供利益その他の経済産業省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。
(合理的な根拠を示す資料の提出)
第五十四条の二 主務大臣は、前条に規定する表示に該当するか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該表示をした業務提供誘引販売業を行う者に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該業務提供誘引販売業を行う者が当該資料を提出しないときは、第五十六条及び第五十七条第一項の規定の適用については、当該表示は、前条に規定する表示に該当するものとみなす。
(電磁的方法による広告の提供を受けることを希望しない旨の意思の表示を受けている者に対する提供の禁止)
第五十四条の三 業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引について電磁的方法により広告をする場合において、その相手方から第五十三条第二項の規定により電磁的方法による広告の提供を受けることを希望しない旨の意思の表示を受けているときは、その者に対し、電磁的方法による広告の提供を行つてはならない。
(業務提供誘引販売取引における書面の交付)
第五十五条 業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売取引に伴う特定負担をしようとする者(その業務提供誘引販売業に関して提供され、又はあつせんされる業務を事業所等によらないで行う個人に限る。)とその特定負担についての契約を締結しようとするときは、その契約を締結するまでに、経済産業省令で定めるところにより、その業務提供誘引販売業の概要について記載した書面をその者に交付しなければならない。
2 業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引についての契約(以下この章において「業務提供誘引販売契約」という。)を締結した場合において、その業務提供誘引販売契約の相手方がその業務提供誘引販売業に関して提供され、又はあつせんされる業務を事業所等によらないで行う個人であるときは、遅滞なく、経済産業省令で定めるところにより、次の事項についてその業務提供誘引販売契約の内容を明らかにする書面をその者に交付しなければならない。
一商品(施設を利用し及び役務の提供を受ける権利を除く。)の種類及びその性能若しくは品質又は施設を利用し若しくは役務の提供を受ける権利若しくは役務の種類及びこれらの内容に関する事項
二商品若しくは提供される役務を利用する業務の提供又はあつせんについての条件に関する事項
三当該業務提供誘引販売取引に伴う特定負担に関する事項
四当該業務提供誘引販売契約の解除に関する事項(第五十八条第一項から第三項までの規定に関する事項を含む。)
五前各号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める事項
(指示)
第五十六条 主務大臣は、業務提供誘引販売業を行う者が第五十一条の二、第五十二条、第五十三条、第五十四条、第五十四条の三若しくは前条の規定に違反し、又は次に掲げる行為をした場合において、業務提供誘引販売取引の公正及び業務提供誘引販売取引の相手方の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その業務提供誘引販売業を行う者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
一その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売契約に基づく債務又はその解除によつて生ずる債務の全部又は一部の履行を拒否し、又は不当に遅延させること。
二その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引につき利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供してその業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売契約(その業務提供誘引販売業に関して提供され、又はあつせんされる業務を事業所等によらないで行う個人との契約に限る。次号において同じ。)の締結について勧誘をすること。
三その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売契約を締結しない旨の意思を表示している者に対し、当該業務提供誘引販売契約の締結について迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘をすること。
四前三号に掲げるもののほか、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売契約に関する行為であつて、業務提供誘引販売取引の公正及び業務提供誘引販売取引の相手方の利益を害するおそれがあるものとして経済産業省令で定めるもの。
(業務提供誘引販売取引の停止等)
第五十七条 主務大臣は、業務提供誘引販売業を行う者が第五十一条の二、第五十二条、第五十三条、第五十四条、第五十四条の三若しくは第五十五条の規定に違反し若しくは前条各号に掲げる行為をした場合において業務提供誘引販売取引の公正及び業務提供誘引販売取引の相手方の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき、又は業務提供誘引販売業を行う者が同条の規定による指示に従わないときは、その業務提供誘引販売業を行う者に対し、一年以内の期間を限り、当該業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる。
2 主務大臣は、前項の規定による命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。
(業務提供誘引販売契約の解除)
第五十八条 業務提供誘引販売業を行う者がその業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売契約を締結した場合におけるその業務提供誘引販売契約の相手方(その業務提供誘引販売業に関して提供され、又はあつせんされる業務を事業所等によらないで行う個人に限る。以下この条から第五十八条の三までにおいて「相手方」という。)は、第五十五条第二項の書面を受領した日から起算して二十日を経過したとき(相手方が、業務提供誘引販売業を行う者が第五十二条第一項の規定に違反してこの項の規定による業務提供誘引販売契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は業務提供誘引販売業を行う者が同条第二項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでにこの項の規定による業務提供誘引販売契約の解除を行わなかつた場合には、相手方が、当該業務提供誘引販売業を行う者が経済産業省令で定めるところによりこの項の規定による当該業務提供誘引販売契約の解除を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して二十日を経過したとき)を除き、書面によりその業務提供誘引販売契約の解除を行うことができる。この場合において、その業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
2 前項の業務提供誘引販売契約の解除は、その業務提供誘引販売契約の解除を行う旨の書面を発した時に、その効力を生ずる。
3 第一項の業務提供誘引販売契約の解除があつた場合において、その業務提供誘引販売契約に係る商品の引渡しが既にされているときは、その引取りに要する費用は、その業務提供誘引販売業を行う者の負担とする。
4 前三項の規定に反する特約でその相手方に不利なものは、無効とする。
(業務提供誘引販売契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)
第五十八条の二 相手方は、業務提供誘引販売業を行う者がその業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売契約の締結について勧誘をするに際し次の各号に掲げる行為をしたことにより、当該各号に定める誤認をし、それによつて当該業務提供誘引販売契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
一 第五十二条第一項の規定に違反して不実のことを告げる行為 当該告げられた内容が事実であるとの誤認
二 第五十二条第一項の規定に違反して故意に事実を告げない行為 当該事実が存在しないとの誤認
2 第九条の二第二項から第四項までの規定は、前項の規定による業務提供誘引販売契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消しについて準用する。
(業務提供誘引販売契約の解除等に伴う損害賠償等の額の制限)
第五十八条の三 業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売契約の締結をした場合において、その業務提供誘引販売契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払をその相手方に対して請求することができない。
一 当該商品(施設を利用し及び役務の提供を受ける権利を除く。以下この項において同じ。)又は当該権利が返還された場合 当該商品の通常の使用料の額又は当該権利の行使により通常得られる利益に相当する額(当該商品又は当該権利の販売価格に相当する額から当該商品又は当該権利の返還された時における価額を控除した額が通常の使用料の額又は当該権利の行使により通常得られる利益に相当する額を超えるときは、その額)
二 当該商品又は当該権利が返還されない場合 当該商品又は当該権利の販売価格に相当する額
三 当該業務提供誘引販売契約の解除が当該役務の提供の開始後である場合 提供された当該役務の対価に相当する額
四 当該業務提供誘引販売契約の解除が当該商品の引渡し若しくは当該権利の移転又は当該役務の提供の開始前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額
2 業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売契約の締結をした場合において、その業務提供誘引販売契約に係る商品の代金又は役務の対価の全部又は一部の支払の義務が履行されない場合(業務提供誘引販売契約が解除された場合を除く。)には、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、当該商品の販売価格又は当該役務の対価に相当する額から既に支払われた当該商品の代金又は当該役務の対価の額を控除した額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を相手方に対して請求することができない。
3 前二項の規定は、業務提供誘引販売取引に係る商品又は役務を割賦販売により販売し又は提供するものについては、適用しない。
第六章 雑則
(売買契約に基づかないで送付された商品)
第五十九条 販売業者は、売買契約の申込みを受けた場合におけるその申込みをした者及び売買契約を締結した場合におけるその購入者(以下この項において「申込者等」という。)以外の者に対して売買契約の申込みをし、かつ、その申込みに係る商品を送付した場合又は申込者等に対してその売買契約に係る商品以外の商品につき売買契約の申込みをし、かつ、その申込みに係る商品を送付した場合において、その商品の送付があつた日から起算して十四日を経過する日(その日が、その商品の送付を受けた者が販売業者に対してその商品の引取りの請求をした場合におけるその請求の日から起算して七日を経過する日後であるときは、その七日を経過する日)までに、その商品の送付を受けた者がその申込みにつき承諾をせず、かつ、販売業者がその商品の引取りをしないときは、その送付した商品の返還を請求することができない。
2 前項の規定は、その商品の送付を受けた者のために商行為となる売買契約の申込みについては、適用しない。
(主務大臣に対する申出)
第六十条 何人も、特定商取引の公正及び購入者等の利益が害されるおそれがあると認めるときは、主務大臣に対し、その旨を申し出て、適当な措置をとるべきことを求めることができる。
2 主務大臣は、前項の規定による申出があつたときは、必要な調査を行い、その申出の内容が事実であると認めるときは、この法律に基づく措置その他適当な措置をとらなければならない。
(指定法人)
第六十一条 主務大臣は、主務省令で定めるところにより、民法第三十四条の規定による法人であつて、次項に規定する業務(以下この項及び第六十六条第二項において「特定商取引適正化業務」という。)を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、特定商取引適正化業務を行う者(以下「指定法人」という。)として指定することができる。
2 指定法人は、次に掲げる業務を行うものとする。
一 前条第一項の規定による主務大臣に対する申出をしようとする者に対し指導又は助言を行うこと。
二 主務大臣から求められた場合において、前条第二項の申出に係る事実関係につき調査を行うこと。
三 特定商取引に関する情報又は資料を収集し、及び提供すること。
四 特定商取引に関する苦情処理又は相談に係る業務を担当する者を養成すること。
(改善命令)
第六十二条 主務大臣は、指定法人の前条第二項に規定する業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、その指定法人に対し、その改善に必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
(指定の取消し)
第六十三条 主務大臣は、指定法人が前条の規定による命令に違反したときは、その指定を取り消すことができる。
(消費経済審議会への諮問)
第六十四条 主務大臣は、第二条第四項、第九条第一項(第三号を除く。)、第二十四条第一項(第三号を除く。)、第二十六条第二項第二号若しくは第三項第二号、第四十一条第一項第一号(期間に係るものに限る。)若しくは第二項又は第四十八条第二項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、消費経済審議会に諮問しなければならない。
2 経済産業大臣は、第二条第一項第二号若しくは第三項、第六条第四項、第九条第一項第三号、第二十四条第一項第三号、第二十六条第三項第一号、第三十四条第四項、第四十条の二第二項第四号、第四十一条第一項第一号(金額に係るものに限る。)、第四十九条第二項第一号ロ若しくは第二号、第五十二条第三項又は第六十六条第二項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、消費経済審議会に諮問しなければならない。
(経過措置)
第六十五条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
(報告及び立入検査)
第六十六条 主務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより販売業者、役務提供事業者、統括者、勧誘者、一般連鎖販売業者若しくは業務提供誘引販売業を行う者(以下この条において「販売業者等」という。)に対し報告をさせ、又はその職員に、販売業者等の店舗その他の事業所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 主務大臣は、この法律を施行するため特に必要があると認めるときは、関連商品の販売を行う者その他の販売業者等と密接な関係を有する者として政令で定める者(以下この項において「密接関係者」という。)に対し報告をさせ、又はその職員に、密接関係者の店舗その他の事業所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
3 主務大臣は、この法律を施行するため特に必要があると認めるときは、販売業者等と特定商取引(通信販売に係る取引を除く。以下この項において同じ。)に関して取引する者に対し、特定商取引に係る契約に基づく当該販売業者等の債務又は特定商取引に係る契約の解除によつて生ずる当該販売業者等の債務に関し参考となるべき報告又は資料の提出をさせることができる。
4 主務大臣は、特定商取引適正化業務の適正な運営を確保するために必要な限度において、指定法人に対し、特定商取引適正化業務若しくは資産の状況に関し必要な報告をさせ、又はその職員に、指定法人の事務所に立ち入り、特定商取引適正化業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
5 第一項、第二項又は前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
6 第一項、第二項又は第四項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(主務大臣等)
第六十七条 この法律における主務大臣は、次のとおりとする。
一 指定商品に係る販売業者に関する事項、商品に係る一連の連鎖販売業の統括者、勧誘者及び一般連鎖販売業者に関する事項並びに商品に係る業務提供誘引販売業を行う者に関する事項については、経済産業大臣及び当該商品の流通を所掌する大臣
二 指定権利に係る販売業者に関する事項、施設を利用し又は役務の提供を受ける権利に係る一連の連鎖販売業の統括者、勧誘者及び一般連鎖販売業者に関する事項、特定継続的役務の提供を受ける権利に係る販売業者に関する事項並びに施設を利用し又は役務の提供を受ける権利に係る業務提供誘引販売業を行う者に関する事項については、経済産業大臣及び当該権利に係る施設又は役務の提供を行う事業を所管する大臣
三 指定役務に係る役務提供事業者に関する事項、役務に係る一連の連鎖販売業の統括者、勧誘者及び一般連鎖販売業者に関する事項、特定継続的役務に係る役務提供事業者に関する事項並びに役務に係る業務提供誘引販売業を行う者に関する事項については、経済産業大臣及び当該役務の提供を行う事業を所管する大臣
四 指定法人に関する事項については、経済産業大臣並びに指定商品の流通を所掌する大臣、指定権利に係る施設又は役務の提供を行う事業を所管する大臣、指定役務の提供を行う事業を所管する大臣及び特定継続的役務の提供を行う事業を所管する大臣
五 第六十四条第一項の規定による消費経済審議会への諮問に関する事項については、経済産業大臣及び当該商品の流通を所掌する大臣、当該権利に係る施設若しくは役務の提供を行う事業を所管する大臣又は当該役務の提供を行う事業を所管する大臣
2 この法律における主務省令は、前項第四号に定める主務大臣の発する命令とする。
(都道府県が処理する事務)
第六十八条 この法律に規定する主務大臣の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。
(権限の委任)
第六十九条 この法律により主務大臣の権限に属する事項は、政令で定めるところにより、地方支分部局の長に行わせることができる。
第七章 罰則
第七十条 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第六条第一項から第三項まで、第二十一条、第三十四条第一項から第三項まで、第四十四条又は第五十二条第一項若しくは第二項の規定に違反した者
二 第八条第一項、第十五条第一項、第二十三条第一項、第三十九条第一項から第三項まで、第四十七条第一項又は第五十七条第一項の規定による命令に違反した者
第七十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第六条第四項、第三十四条第四項又は第五十二条第三項の規定に違反した者
二 第三十七条又は第五十五条の規定に違反して、書面を交付せず、又はこれらの規定に規定する事項が記載されていない書面若しくは虚偽の記載のある書面を交付した者
第七十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の罰金に処する。
一 第四条、第五条、第十八条、第十九条又は第四十二条の規定に違反して、書面を交付せず、又はこれらの規定に規定する事項が記載されていない書面若しくは虚偽の記載のある書面を交付した者
二 第七条、第十四条、第二十二条、第三十八条、第四十六条又は第五十六条の規定による指示に違反した者
三 第十二条、第三十六条、第四十三条又は第五十四条の規定に違反して、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をした者
四 第十三条第一項又は第二十条の規定に違反して通知しなかつた者
五 第三十五条第一項又は第五十三条第一項の規定に違反して表示しなかつた者
六 第四十五条第一項の規定に違反して、同項に定める書類を備え置かず、又はこれに不正の記載をした者
七 第四十五条第二項の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類の閲覧又は謄本若しくは抄本の交付を拒んだ者
八 第六十六条第一項若しくは第二項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第七十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第二十八条第二項又は第三十一条第二項の規定に違反して、その名称中に訪問販売協会会員又は通信販売協会会員という文字を用いた者
二 第六十六条第三項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による資料を提出せず、若しくは虚偽の資料を提出した者
三 第六十六条第四項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第七十四条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号で定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一 第七十条第二号 三億円以下の罰金刑
二 第七十条第一号又は前三条 各本条の罰金刑
第七十五条 第二十八条第一項又は第三十一条第一項の規定に違反して、その名称中に訪問販売協会又は通信販売協会という文字を用いた者は、十万円以下の過料に処する。
附 則 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第十九条、第二十一条第二号、附則第三条及び附則第四条の規定は、公布の日から施行する。
(経過措置)
第二条 第四条及び第九条の規定は、この法律の施行前に販売業者が受けた売買契約の申込みについては、適用しない。
2 第五条第一項から第三項まで及び第七条の規定は、この法律の施行前に締結された売買契約については、適用しない。
3 第六条の規定は、この法律の施行前に販売業者が受けた売買契約の申込み若しくはその申込みに係る売買契約がこの法律の施行後に締結された場合におけるその売買契約又はこの法律の施行前に締結された売買契約については、適用しない。
4 第十五条第二項及び第十六条の規定は、この法律の施行前に第十一条第一項に規定する連鎖販売業に相当する事業を行う者が締結した同項に規定する連鎖販売取引に相当する取引についての契約については、適用しない。
5 この法律の施行前に販売業者が行つた商品の送付についての第十八条の規定の適用については、同条第一項中「その商品の送付があつた日」とあるのは、「この法律の施行の日」とする。
附 則 (昭和五九年六月二日法律第四九号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(訪問販売等に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
12 この法律の施行前に締結した売買契約又はこの法律の施行前に販売業者が受けた売買契約の申込み若しくはこの法律の施行後当該申込みに係る売買契約が締結された場合における当該売買契約については、前項の規定による改正後の訪問販売等に関する法律第六条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附 則 (昭和六三年五月一七日法律第四三号) 抄
(施行期日等)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次条の規定は、公布の日から施行する。
第二条 この法律の施行の日前に、改正後の訪問販売等に関する法律(以下「新法」という。)第二条第一項第二号及び第三項、第六条第一項、第十条第二項第二号又は第十一条第一項の政令の制定の立案をしようとするときは、改正前の訪問販売等に関する法律(以下「旧法」という。)第十九条の規定の例による。
(経過措置等)
第三条 新法第四条の規定は、この法律の施行後に販売業者又は役務提供事業者が受けた売買契約又は役務提供契約の申込みについて適用し、この法律の施行前に販売業者が受けた新法第二条第三項に規定する指定商品であつて旧法第二条第三項に規定する指定商品に該当するもの(以下「特定指定商品」という。)の売買契約の申込みについては、なお従前の例による。
2 新法第五条の規定は、この法律の施行後に締結された売買契約又は役務提供契約について適用し、この法律の施行前に締結された特定指定商品の売買契約については、なお従前の例による。
3 新法第六条の規定は、この法律の施行後に販売業者若しくは役務提供事業者が受けた売買契約若しくは役務提供契約の申込み又はこの法律の施行後に締結された売買契約若しくは役務提供契約(この法律の施行前にその申込みを受けたものを除く。)について適用し、この法律の施行前に販売業者が受けた特定指定商品の売買契約の申込み若しくはその申込みに係る売買契約がこの法律の施行後に締結された場合におけるその売買契約又はこの法律の施行前に締結された特定指定商品の売買契約については、なお従前の例による。
4 新法第七条第一項の規定は、この法律の施行後に締結された売買契約又は役務提供契約について適用し、この法律の施行前に締結された特定指定商品のの売買契約については、なお従前の例による。
5 新法第七条第二項の規定は、この法律の施行前に締結された売買契約又は役務提供契約については、適用しない。
6 新法第九条の規定は、この法律の施行前に販売業者又は役務提供事業者が受けた新法第二条第三項に規定する指定権利の売買契約又は役務提供契約の申込みについては、適用しない。
7 新法第十四条第二項及び第十七条の規定は、この法律の施行後に新法第十一条第一項に規定する連鎖販売業を行う者が締結した同項に規定する連鎖販売取引についての契約について適用し、この法律の施行前に旧法第十一条第一項に規定する連鎖販売業を行う者が締結した同項に規定する連鎖販売取引についての契約については、なお従前の例による。
8 この法律の施行前に販売業者が行つた商品の送付についての新法第十八条第一項の規定の適用については、同項中「その商品の送付があつた日から起算して十四日を経過する日(その日が、その商品の送付を受けた者が販売業者に対してその商品の引取りの請求をした場合におけるその請求の日から起算して七日を経過する日後であるときは、その七日を経過する日)」とあるのは、「訪問販売等に関する法律の一部を改正する法律(昭和六十三年法律第四十三号)の施行の日から起算して十四日を経過する日、その商品の送付があつた日から起算して三月を経過する日又はその商品の送付を受けた者が販売業者に対してその商品の引取りの請求をした場合におけるその請求の日から起算して一月を経過する日のいずれか早い日」とする。
9 この法律の施行前にした行為並びに第一項、第二項及び第七項の規定により従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第四条 昭和五十五年四月一日に設立された社団法人日本訪問販売協会は、この法律の施行の日において新法第十条の二に規定する要件に該当する場合には、新法第十条の三及び第十条の四の規定の適用については、この法律の施行の日に設立された新法第十条の二に規定する法人とみなす。
2 昭和五十八年十月十一日に設立された社団法人日本通信販売協会は、この法律の施行の日において新法第十条の五に規定する要件に該当する場合には、新法第十条の六及び第十条の七の規定の適用については、この法律の施行の日に設立された新法第十条の五に規定する法人とみなす。
附 則 (平成八年五月二二日法律第四四号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第一条中訪問販売等に関する法律第十九条及び第二十一条第四号の改正規定、第二条の規定、附則第三条中割賦販売法第三十七条第一項の改正規定並びに附則第四条及び第五条の規定は、公布の日から施行する。
(経過措置)
第二条 第一条の規定による改正後の訪問販売等に関する法律(以下「新法」という。)第九条の六及び第九条の八の規定は、この法律の施行前に販売業者又は役務提供事業者が受けた売買契約又は役務提供契約の申込みについては、適用しない。
2 新法第九条の七及び第九条の十三の規定は、この法律の施行前に締結された売買契約若しくは役務提供契約又はこの法律の施行前に販売業者若しくは役務提供事業者が受けた申込みに係る売買契約若しくは役務提供契約がこの法律の施行後に締結された場合におけるその売買契約若しくは役務提供契約については、適用しない。
3 新法第九条の十二の規定は、この法律の施行前に販売業者若しくは役務提供事業者が受けた売買契約若しくは役務提供契約の申込み若しくはその申込みに係る売買契約若しくは役務提供契約がこの法律の施行後に締結された場合におけるその売買契約若しくは役務提供契約又はこの法律の施行前に締結された売買契約若しくは役務提供契約については、適用しない。
4 この法律の施行前に連鎖販売業を行う者が締結したその連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約については、新法第十七条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
5 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附 則 (平成一一年四月二三日法律第三四号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第四条 前二条に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
附 則 (平成一一年七月一六日法律第八七号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日
(国等の事務)
第百五十九条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。
(処分、申請等に関する経過措置)
第百六十条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
2 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。
(不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。
2 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
(手数料に関する経過措置)
第百六十二条 施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第百六十三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
2 附則第十八条、第五十一条及び第百八十四条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。
(検討)
第二百五十条 新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。
第二百五十一条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
第二百五十二条 政府は、医療保険制度、年金制度等の改革に伴い、社会保険の事務処理の体制、これに従事する職員の在り方等について、被保険者等の利便性の確保、事務処理の効率化等の視点に立って、検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。
附 則 (平成一二年一一月一七日法律第一二〇号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十三年六月一日から施行する。
(訪問販売等に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第二条 第一条の規定による改正後の特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第三十七条第二項及び第四十条の規定は、この法律の施行後に特定商取引法第三十三条第一項に規定する連鎖販売業を行う者が締結した同項に規定する連鎖販売取引についての契約について適用し、この法律の施行前に第一条の規定による改正前の訪問販売等に関する法律第十一条第一項に規定する連鎖販売業を行う者が締結した同項に規定する連鎖販売取引についての契約については、なお従前の例による。
2 特定商取引法第五十五条第二項及び第五十八条の規定は、この法律の施行前に特定商取引法第五十一条第一項に規定する業務提供誘引販売業に相当する事業を行う者が締結した同項に規定する業務提供誘引販売取引に相当する取引についての契約については、適用しない。
(罰則に関する経過措置)
第四条 この法律の施行前にした行為及び附則第二条第一項の規定により従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第五条 前三条に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第六条 政府は、国民の日常生活に係る商取引に関する事情その他の経済的社会的環境の変化に応じ、特定商取引法の規定に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附 則 (平成一二年一一月二七日法律第一二六号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して五月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附 則 (平成一四年四月一九日法律第二八号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(検討)
第二条 政府は、この法律の施行後三年を目途として、この法律の施行後の情報技術を活用した商取引に関する事情、特定商取引における電磁的方法による広告の提供の状況等を踏まえ、この法律による改正後の特定商取引に関する法律の規定に基づく電磁的方法による広告に対する措置について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附 則 (平成一六年五月一二日法律第四四号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(特定商取引に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第二条 第一条の規定による改正後の特定商取引に関する法律(以下「新特定商取引法」という。)第六条の二、第二十一条の二、第三十四条の二、第四十四条の二及び第五十二条の二の規定は、この法律の施行前にした行為については、適用しない。
2 新特定商取引法第九条及び第二十四条の規定は、この法律の施行後に販売業者若しくは役務提供事業者が受けた売買契約若しくは役務提供契約の申込み又はこの法律の施行後に締結された売買契約若しくは役務提供契約(この法律の施行前にその申込みを受けたものを除く。)について適用し、この法律の施行前に販売業者若しくは役務提供事業者が受けた売買契約若しくは役務提供契約の申込み若しくはその申込みに係る売買契約若しくは役務提供契約がこの法律の施行後に締結された場合におけるその売買契約若しくは役務提供契約又はこの法律の施行前に締結された売買契約若しくは役務提供契約については、なお従前の例による。
3 新特定商取引法第九条の二及び第二十四条の二の規定は、この法律の施行前にした売買契約若しくは役務提供契約の申込み又はその承諾の意思表示については、適用しない。
4 新特定商取引法第四十条の三、第四十九条の二及び第五十八条の二の規定は、この法律の施行前にした特定商取引に関する法律第三十三条第一項に規定する連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約(以下「連鎖販売契約」という。)、同法第四十一条第一項第一号に規定する特定継続的役務提供契約(以下単に「特定継続的役務提供契約」という。)若しくは同項第二号に規定する特定権利販売契約(以下単に「特定権利販売契約」という。)若しくは同法第五十一条第一項に規定する業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引についての契約(以下「業務提供誘引販売契約」という。)の申込み又はその承諾の意思表示については、適用しない。
5 新特定商取引法第十二条の二、第三十六条の二、第四十三条の二及び第五十四条の二の規定は、この法律の施行前にした表示については、適用しない。
6 新特定商取引法第三十七条第二項の規定は、この法律の施行後に締結された連鎖販売契約について適用し、この法律の施行前に締結された連鎖販売契約については、なお従前の例による。
7 新特定商取引法第四十条、第四十八条及び第五十八条の規定は、この法律の施行後に締結された連鎖販売契約、特定継続的役務提供契約若しくは特定権利販売契約又は業務提供誘引販売契約について適用し、この法律の施行前に締結された連鎖販売契約、特定継続的役務提供契約若しくは特定権利販売契約又は業務提供誘引販売契約については、なお従前の例による。
8 新特定商取引法第四十条の二の規定は、この法律の施行前に締結された連鎖販売契約については、適用しない。
9 新特定商取引法第五十条第二項の規定は、この法律の施行後に解除された特定継続的役務提供契約、特定権利販売契約又は特定商取引に関する法律第四十八条第二項に規定する関連商品販売契約(以下単に「関連商品販売契約」という。)について適用し、この法律の施行前に解除された特定継続的役務提供契約、特定権利販売契約又は関連商品販売契約については、なお従前の例による。
10 新特定商取引法第五十八条の三の規定は、この法律の施行前に締結された業務提供誘引販売契約については、適用しない。
(政令への委任)
第四条 前二条に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第五条 政府は、この法律の施行後五年を目途として、国民の日常生活に係る商取引に関する事情その他の経済的社会的環境の変化に応じ、新特定商取引法の規定に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
第三百八十四条 特定商取引に関する法律(昭和五十一年法律第五十七号)の一部を次のように改正する。
目次中「第三十二条」を「第三十二条の二」に、「第七十五条」を「第七十六条」に改める。
第二十七条第一項中「訪問販売を業として営む者は」を「その名称中に訪問販売協会という文字を用いる一般社団法人は」に改める。
第二十七条第一項中「として、」を「とし、かつ、」に改める。
第二十七条第一項中「会員とし、その名称中に訪問販売協会という文字を用いる民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定による法人を」を「社員とする旨の定款の定めがあるものに限り、」に改める。
第二十七条の次に次の一項を加える。
2 前項に規定する定款の定めは、これを変更することができない。
第二十七条の次に次の二条を加える。
(成立の届出)
第二十七条の二 前条第一項の一般社団法人(以下「訪問販売協会」という。)は、成立したときは、成立の日から二週間以内に、登記事項証明書及び定款の写しを添えて、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
2 経済産業大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。
(変更の届出)
第二十七条の三 訪問販売協会は、その名称、住所その他の経済産業省令で定める事項について変更があつたときは、当該変更の日から二週間以内に、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
2 前条第二項の規定は、前項の規定による届出について準用する。
第二十八条第一項中「前条に規定する法人(以下「訪問販売協会」という。)」を「訪問販売協会」に改める。
第二十九条の次に次の一条を加える。
(訪問販売協会の業務の監督)
第二十九条の二 訪問販売協会の業務は、経済産業大臣の監督に属する。
2 経済産業大臣は、前条の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、いつでも、当該業務及び訪問販売協会の財産の状況を検査し、又は訪問販売協会に対し、当該業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
3 経済産業大臣は、前項の命令をした場合において、購入者又は役務の提供を受ける者の利益を保護するため特に必要があると認めるときは、当該命令をした旨を公表することができる。
第三十条第一項中「通信販売を業として営む者は」を「その名称中に通信販売協会という文字を用いる一般社団法人は」に改める。
第三十条第一項中「として、」を「とし、かつ、」に改める。
第三十条第一項中「会員とし、その名称中に通信販売協会という文字を用いる民法第三十四条の規定による法人を」を「社員とする旨の定款の定めがあるものに限り、」に改める。
第三十条の次に次の一項を加える。
2 前項に規定する定款の定めは、これを変更することができない。
第三十条の次に次の二条を加える。
(成立の届出)
第三十条の二 前条第一項の一般社団法人(以下「通信販売協会」という。)は、成立したときは、成立の日から二週間以内に、登記事項証明書及び定款の写しを添えて、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
2 経済産業大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。
(変更の届出)
第三十条の三 通信販売協会は、その名称、住所その他の経済産業省令で定める事項について変更があつたときは、当該変更の日から二週間以内に、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
2 前条第二項の規定は、前項の規定による届出について準用する。
第三十一条第一項中「前条に規定する法人(以下「通信販売協会」という。)」を「通信販売協会」に改める。
第三十二条の次に次の一条を加える。
(通信販売協会の業務の監督)
第三十二条の二 通信販売協会の業務は、経済産業大臣の監督に属する。
2 経済産業大臣は、前条の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、いつでも、当該業務及び通信販売協会の財産の状況を検査し、又は通信販売協会に対し、当該業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
3 経済産業大臣は、前項の命令をした場合において、購入者又は役務の提供を受ける者の利益を保護するため特に必要があると認めるときは、当該命令をした旨を公表することができる。
第六十一条第一項中「民法第三十四条の規定による法人」を「一般社団法人又は一般財団法人」に改める。
第七十五条を第七十六条とする。
第七十四条の次に次の一条を加える。
第七十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の過料に処する。
一 第二十七条の二第一項、第二十七条の三第一項、第三十条の二第一項又は第三十条の三第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第二十九条の二第二項若しくは第三十二条の二第二項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は第二十九条の二第二項若しくは第三十二条の二第二項の規定による監督上の命令に違反した者
附 則 (平成一八年六月二日法律第五〇号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。
(調整規定)
2 犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律(平成十八年法律第 号)の施行の日が施行日後となる場合には、施行日から同法の施行の日の前日までの間における組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号。次項において「組織的犯罪処罰法」という。)別表第六十二号の規定の適用については、同号中「中間法人法(平成十三年法律第四十九号)第百五十七条(理事等の特別背任)の罪」とあるのは、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第三百三十四条(理事等の特別背任)の罪」とする。
3 前項に規定するもののほか、同項の場合において、犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律の施行の日の前日までの間における組織的犯罪処罰法の規定の適用については、第四百五十七条の規定によりなお従前の例によることとされている場合における旧中間法人法第百五十七条(理事等の特別背任)の罪は、組織的犯罪処罰法別表第六十二号に掲げる罪とみなす。