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商法施行規則
(平成十四年三月二十九日法務省令第二十二号)
最終改正:平成一八年一二月二二日法務省令第八七号
商法(明治三十二年法律第四十八号)、商法中改正法律施行法(昭和十三年法律第七十三号)、有限会社法(昭和十三年法律第七十四号)及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律(昭和四十九年法律第二十二号)並びに商法及び有限会社法の関係規定に基づく電磁的方法による情報の提供等に関する承諾の手続等を定める政令(平成十四年政令第二十号)の規定に基づき、商法施行規則を次のように定める。
第一章 総則(第一条・第二条)
第二章 商人(第三条)
第三章 商業帳簿(第四条―第八条)
第四章 匿名組合(第九条)
第五章 仲立営業(第十条・第十一条)
第一章 総則
(目的)
第一条 この規則は、商法(明治三十二年法律第四十八号)の委任に基づく事項を定めることを目的とする。
(定義)
第二条 この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 商人 商法第四条第一項に規定する商人(同条第二項により商人とみなされる者を含み、法人その他の団体を除く。)をいう。
二 商業帳簿 商法第十九条第二項に規定する商業帳簿をいう。
三 貸借対照表 商法第十九条第二項の規定により商人が作成すべき貸借対照表をいう。
四 電磁的記録 商法第五百三十九条第一項第二号に規定する電磁的記録をいう。
第二章 商人
第三条 商法第七条に規定する法務省令で定める財産の価額は、営業の用に供する財産につき最終の営業年度に係る貸借対照表(最終の営業年度がない場合にあっては、開業時における貸借対照表)に計上した額とする。
2 商法第七条に規定する法務省令で定める金額は、五十万円とする。
第三章 商業帳簿
(通則)
第四条 商法第十九条第二項の規定により作成すべき商業帳簿については、この章の定めるところによる。
2 この章の用語の解釈及び規定の適用に関しては、一般に公正妥当と認められる会計の基準その他の会計の慣行を斟酌しなければならない。
3 商業帳簿は、書面又は電磁的記録をもって作成及び保存をすることができる。
(会計帳簿)
第五条 商人の会計帳簿に計上すべき資産については、この省令又は商法以外の法令に別段の定めがある場合を除き、その取得価額を付さなければならない。ただし、取得価額を付すことが適切でない資産については、営業年度の末日(営業年度の末日以外の日において評価すべき場合にあっては、その日。以下この章において同じ。)における時価又は適正な価格を付すことができる。
2 償却すべき資産については、営業年度の末日において、相当の償却をしなければならない。
3 次の各号に掲げる資産については、営業年度の末日において当該各号に定める価格を付すべき場合には、当該各号に定める価格を付さなければならない。
一 営業年度の末日における時価がその時の取得原価より著しく低い資産(当該資産の時価がその時の取得原価まで回復すると認められるものを除く。) 営業年度の末日における時価
二 営業年度の末日において予測することができない減損が生じた資産又は減損損失を認識すべき資産 その時の取得原価から相当の減額をした額
4 取立不能のおそれのある債権については、営業年度の末日においてその時に取り立てることができないと見込まれる額を控除しなければならない。
5 商人の会計帳簿に計上すべき負債については、この省令又は商法以外の法令に別段の定めがある場合を除き、債務額を付さなければならない。ただし、債務額を付すことが適切でない負債については、時価又は適正な価格を付すことができる。
6 のれんは、有償で譲り受けた場合に限り、資産又は負債として計上することができる。
(貸借対照表の表示の原則)
第六条 貸借対照表に係る事項の金額は、一円単位、千円単位又は百万円単位をもって表示するものとする。
2 貸借対照表は、日本語をもって表示するものとする。ただし、その他の言語をもって表示することが不当でない場合は、この限りでない。
(貸借対照表の作成)
第七条 商人は、その開業時における貸借対照表を作成しなければならない。この場合においては、開業時の会計帳簿に基づき作成しなければならない。
2 商人は、各営業年度に係る貸借対照表を作成しなければならない。この場合においては、当該営業年度に係る会計帳簿に基づき作成しなければならない。
3 各営業年度に係る貸借対照表の作成に係る期間は、当該営業年度の前営業年度の末日の翌日(当該営業年度の前営業年度がない場合にあっては、開業の日)から当該営業年度の末日までの期間とする。この場合において、当該期間は、一年(営業年度の末日を変更する場合における変更後の最初の営業年度については、一年六箇月)を超えることができない。
(貸借対照表の区分)
第八条 貸借対照表は、次に掲げる部に区分して表示しなければならない。
一 資産
二 負債
三 純資産
2 前項各号に掲げる部は、適当な項目に細分することができる。この場合において、当該各項目については、資産、負債又は純資産を示す適当な名称を付さなければならない。
第四章 匿名組合
第九条 商法第五百三十九条第一項第二号に規定する法務省令で定めるものは、磁気ディスクその他これに準ずる方法により一定の情報を確実に記録しておくことができる物をもって調製するファイルに情報を記録したものとする。
2 商法第五百三十九条第一項第二号に規定する法務省令で定める方法は、同号の電磁的記録に記録された事項を紙面又は映像面に表示する方法とする。
第五章 仲立営業
(結約書等の作成)
第十条 民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十六年法律第百四十九号。以下「電子文書法」という。)第四条第一項の主務省令で定める作成(電子文書法第二条第六号に規定する作成をいう。以下この章において同じ。)は、商法第五百四十六条第一項の書面の作成及び同法第五百四十七条第一項の帳簿の作成とする。
2 民間事業者等(電子文書法第二条第一号に規定する民間事業者等をいう。以下この章において同じ。)が前項の作成を行う場合は、その使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法又は磁気ディスクその他これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物をもって調製する方法により作成を行わなければならない。
3 第一項の場合における電子文書法第四条第三項に規定する氏名又は名称を明らかにする措置であって法務省令で定めるものは、当該署名等をすべき者による電子署名(電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子署名をいう。)とする。
(結約書等の交付等)
第十一条 電子文書法第六条第一項の主務省令で定める交付等(電子文書法第二条第九号に規定する交付等をいう。以下この章において同じ。)は、商法第五百四十六条第一項及び第二項並びに第五百四十七条第二項の交付とする。
2 民間事業者等が、電子文書法第六条第一項の規定に基づき、前項の交付に代えて当該書面に係る電磁的記録の交付等を行う場合は、次に掲げる方法により行わなければならない。
一 電子情報処理組織を使用する方法のうちイ又はロに掲げるもの
イ 民間事業者等の使用に係る電子計算機と交付等の相手方の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて送信し、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法
ロ 民間事業者等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された当該交付等に係る事項を電気通信回線を通じて交付等の相手方の閲覧に供し、当該相手方の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該事項を記録する方法(電子文書法第六条第一項に規定する方法による交付等を受ける旨の承諾又は受けない旨の申出をする場合にあっては、民間事業者等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルにその旨を記録する方法)
二 磁気ディスクその他これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物をもって調製するファイルに当該交付等に係る事項を記録したものを交付する方法
3 前項に掲げる方法は、交付等の相手方がファイルへの記録を出力することによる書面を作成することができるものでなければならない。
4 第二項の場合における民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律施行令(平成十七年政令第八号)第二条第一項の規定により示すべき方法の種類及び内容は、次に掲げる事項とする。
一 第二項に掲げる方法のうち民間事業者等が使用するもの
二 ファイルへの記録の方式
附 則
(施行期日)
第一条 この省令は、平成十四年四月一日から施行する。ただし、第十三条第五項、第十七条、第八十四条第一項第十号及び第八十六条第一項第十一号の規定並びに第十四条第三項の規定中監査役の選任に関する議案に係る部分は、商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律(平成十三年法律第百四十九号)の施行の日から施行する。
(株式会社の貸借対照表、損益計算書、営業報告書及び附属明細書に関する規則等の廃止)
第二条 次に掲げる省令は、廃止する。
一 株式会社の貸借対照表、損益計算書、営業報告書及び附属明細書に関する規則(昭和三十八年法務省令第三十一号)
二 商法第四百六条ノ三第一項の届出に関する規則(昭和四十九年法務省令第二十六号)
三 大会社の監査報告書に関する規則(昭和五十七年法務省令第二十六号)
四 大会社の株主総会の招集通知に添付すべき参考書類等に関する規則(昭和五十七年法務省令第二十七号)
五 株式会社の貸借対照表、損益計算書、営業報告書及び附属明細書に関する規則の特例に関する省令(昭和五十七年法務省令第四十二号)
(貸借対照表等の記載又は記録の方法及び公告すべき貸借対照表の要旨の記載方法に関する経過措置)
第三条 この省令の施行前に開始した営業年度に係る決算期に関して作成すべき貸借対照表、損益計算書、営業報告書及び附属明細書の記載又は記録の方法並びに公告すべき貸借対照表及び損益計算書の要旨の記載方法に関しては、この省令の施行後も、なお従前の例による。ただし、第二十七条、第六十九条から第七十二条まで、第八十四条、第八十八条から第九十条まで及び第九十三条の規定の適用を妨げない。
附 則 (平成一五年二月二八日法務省令第七号)
(施行期日)
第一条 この省令は、平成十五年四月一日から施行する。
(参考書類等に関する経過措置)
第二条 この省令の施行前に招集の手続が開始された株主総会、ある種類の株主の総会、創立総会、ある種類の株式引受人の総会又は社員総会に関する議決権の行使についての参考となるべき事項及び議決権を行使するための書面に関しては、この省令の施行後も、なお従前の例による。
(計算書類等に関する経過措置)
第三条 この省令の施行前に到来した決算期に関して作成すべき貸借対照表、損益計算書、営業報告書及び附属明細書(次項において「計算書類等」という。)の記載又は記録の方法並びに公告すべき貸借対照表及び損益計算書並びにこれらの要旨の記載方法に関しては、この省令の施行後も、なお従前の例による。
2 前項の規定は、この省令による改正後の商法施行規則の規定に基づき計算書類等を作成する旨を決定した株式会社又は有限会社については、適用しない。この場合においては、同項の貸借対照表に、その旨の注記をしなければならない。
附 則 (平成一五年九月二二日法務省令第六八号)
(施行期日)
1 この省令は、平成十五年九月二十五日から施行する。
(営業報告書に関する経過措置)
2 この省令の施行前に到来した決算期に関して作成すべき営業報告書の記載又は記録の方法に関しては、この省令の施行後も、なお従前の例による。
3 前項の規定は、この省令による改正後の商法施行規則の規定に基づき営業報告書を作成することを決定した株式会社については、適用しない。この場合においては、同項の営業報告書に、その旨の注記をしなければならない。
附 則 (平成一六年三月三〇日法務省令第二三号)
この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (平成一六年九月八日法務省令第六二号)
(施行期日)
第一条 この省令は、株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律(平成十六年法律第八十八号)の一部の施行の日(平成十六年十月一日)から施行する。
(転換社債等に関する経過措置)
第二条 株式会社が商法等の一部を改正する法律(平成十三年法律第百二十八号)附則第六条第二項(同法附則第七条第二項において準用する場合を含む。)の規定によりその有する自己の株式を移転した場合におけるこの省令による改正後の商法施行規則第百九十四条第二項第二号の規定の適用については、同号中「新株予約権の行使により、又は商法第三百五十六条前段、第三百七十四条ノ十九前段若しくは第四百九条ノ二前段の規定」とあるのは、「商法等の一部を改正する法律(平成十三年法律第百二十八号)附則第六条第一項の規定によりなお従前の例によることとされる新株の引受権(同法附則第七条第一項前段の規定によりなお従前の例によることとされる新株引受権付社債に付されたものを含む。)の行使又は同法附則第七条第一項前段の規定によりなお従前の例によることとされる転換社債の転換の請求」とする。
附 則 (平成一六年一二月一三日法務省令第八六号)
この省令は、平成十七年一月一日から施行する。
附 則 (平成一七年一月一三日法務省令第四号)
(施行期日)
1 この省令は、平成十七年二月一日から施行する。ただし、商法施行規則第百三条第一項第七号及び第百三十一条の改正規定並びに次項は、公布の日から施行する。
(営業報告書及び監査報告書に関する経過措置)
2 この省令による改正後の商法施行規則第百三条第一項第七号及び第百三十一条の規定は、平成十六年四月一日以後に開始する営業年度に係る決算期に関して作成すべき営業報告書及び監査報告書(その作成に代えて作成すべき電磁的記録を含む。以下この項において同じ。)について適用する。ただし、この省令の公布の日前に終了した営業年度に係る決算期に関して作成すべき営業報告書及び監査報告書については、なお従前の例によることができる。
附 則 (平成一八年二月七日法務省令第一二号) 抄
(施行期日)
第一条 この省令は、法の施行の日から施行する。
(商法施行規則の一部改正に伴う経過措置)
第十一条 第七十五条の規定は、会社法整備法第九十条の規定によりなお従前の例によるものとされた株主総会の決議により会計参与を選任する場合について準用する。
2 第八十三条の規定は、会社法整備法第九十条の規定によりなお従前の例によるものとされた株主総会の決議により会計参与の報酬等を定める場合について準用する。
附 則 (平成一八年一二月二二日法務省令第八七号) 抄
(施行期日)
第一条 この省令は、平成十九年一月二十日から施行する。